イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ
イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ
EXIT THROUGH THE GIFT SHOP
2010年製作 アメリカ・イギリス 2011年7月16日上映
rating 3.8 3.8
43 20

『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』のmazdaの感想・評価・ネタバレ

mazda

バンクシーが監督したドキュメンタリー。 ストリートアートのプロセスを趣味で映像として撮り続けていたLA在住のおっさんが最終的に影響受けまくってMBWという名で自身も有名ストリートアーティストになってしまった話です。 冒頭バンクシーが彼はすごいみたいなことを言っているからてっきりすごいアーティストがいますよっていう普通のドキュメンタリーかと思ったけど、最終的に観たら、それごと皮肉ったこの作品まるまるバンクシーのアートだった。まさしく裸の王様のような話で実話なのによくできた話、アートに興味がない人でも内容的に面白いと思える作品だと思う。 アートはまさに影響と洗脳で循環してる。何かしらから影響を受けたアーティストが洗脳される多くのものを題材に作品を作り、それを見て影響された人間がそれに洗脳されて、そんな洗脳される人物をみて、またそれを皮肉に作品を作る。 自分がアートを感じる美的感覚に作り手も観客もきもちよくなっちゃうマスターベーション、そこには価値観や感受性なんてないに等しいけど、世の中の評価なんてそんなものなのかもしれない。その作品をどう感じてどうすごいとかではなく、そこまでメディアにとりあげられるほどの作品だからすごいといった感じ。 わかりやすい例であげればピカソは偉大な芸術家だけど一般の私たちにはこれがどうすごいかなんてたぶん説明できない、でも生のピカソの作品を見れればみんな口を揃えてすごいと言うと思う。 完全にアートに飲まれてる世間一般とMBWを呆れて何も言えないバンクシーがやり返してやろうというような姿勢で彼らしい世界観で斬った素晴らしい皮肉映画です。 自分の美的感覚を世界に知らしめるものではなく、世間に問題定義してこそのもの、それを通して伝わる美こそ真のアートだということ、それを伝えるバンクシーは偉大なアーティストだなと、私も多くの観客の一人になっていることに気づく。