あの夏、いちばん静かな海。

あの夏、いちばん静かな海。

1991年製作 日本 101分 1991年10月19日上映
rating 3.9 3.9
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『あの夏、いちばん静かな海。』とは

北野武監督第3作目。北野は監督の他、脚本、企画、編集も手掛けている。北野武監督作品の中では珍しい王道ラブストーリー。聴覚障害者同士のカップルを主人公としたひと夏の切ない恋の物語。久石譲が手掛けた音楽で映画の悲哀感が一層増している。第34回ブルーリボン賞作品賞受賞。北野は監督賞を受賞した。また第15回日本アカデミー賞では久石が音楽賞、聾唖の主人公の貴子を演じた大島弘子が新人俳優賞を受賞している。大島はその後芸能界を引退した。

『あの夏、いちばん静かな海。』のあらすじ

聾唖者の茂は収集車でごみ回収の仕事をしている。ある日茂は仕事中ごみとして出されていたサーフボードを見つけ、それを持ち帰る。しかし、それは先端が欠けていた。茂は壊れたボードに発砲スチロールをつなぎ合わせたりして修理し、同じく聾唖者の恋人貴子を誘って海に向かう。もちろん初心者の茂にすぐサーフィンができるはずもなく失敗ばかり。海にいた常連サーファーの笑い者になっていた。しかし茂はそんなことはお構いなしにひたすら波に乗り続ける。それを静かに見守る貴子。ある日茂のサーフボードは壊れてしまう。すっかりサーフィンにはまった茂は給料を貯めて新しいサーフボードを買いに行く。

『あの夏、いちばん静かな海。』のスタッフ・キャスト

『あの夏、いちばん静かな海。』の感想・評価・ネタバレ

  • 森本航洋
    森本航洋 4 2017年9月26日

    言葉とかじゃなくて、何気ない風景や雰囲気で直接気持ちに訴えてくる感じが北野映画ですよね。そういう意味ではちょっと宮崎駿っぽいのかも。というより今作品は特にジブリっぽい。 無駄な長回しカットがなんでこんなに画になるんだろう…本当に全然わかんない。たけし天才。

  • Daiki Kinoshita
    Daiki Kinoshita 4 2017年2月13日

    1991年公開。 台詞無しのト書きだけで、十分に2人の関係も感情もしっかりと伝わってきた。 主人公と彼女と2人を取り巻く人々の人間味が素晴らしく、観終わってこんな気持ちになれてとても心地よい。 この色味、やはり自分はとても好きだし、この作品の構成がとても勉強になった。

  • southpumpkin
    southpumpkin 4 2017年1月31日

    ある夏、サーフィンを始めた男とそれを見守る女の物静かなカップルの物語。 言葉少な男が折れたサーフボードを見つけ、彼女と思われる女と仲良く海に出かける。主人公の二人が喋らないせいで、説明的なセリフは全くありません。しばらくすると二人に関するある事実が自明になります。が、それもあまりに自然。注意深く見ていないと気づかないように見えますが、しかし誰にでも気付くような演出です。このあまりに自然体な演出はラストでも現れます。僕は身を乗り出して「ん?」と声が漏れてしまいました。 二人の間に過剰な喜怒哀楽を表現する演技は存在しません。基本的に無表情。アキ・カウリスマキを思わせます。純愛映画にもかかわらず、キスシーンすらないのです。ですが言葉を交わさずとも、表情に表さずともわかる、男と女がお互いを思う気持ち。それを物語とカットだけで繊細に表現していくのです。 キタノブルーが本当に美しい。淡い青色が海と空だけではなく、映画全体に配置されています。青く、淡く、そして不可逆な夏の思い出を切り取ったような映画です。北野武最高傑作でしょう。

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