チャーリー・ハナム、『パシフィック・リム』で主役を演じた俳優に迫る!
チャーリー・ハナムのプロフィール
チャーリー・ハナムは1980年4月10日生まれ、イギリスのニューカッスル出身の俳優です。 2歳のときに両親が離婚。12歳で母の再婚にともない、カンブリアのメルマービーに引っ越しました。その後はペンリスのクィーン・エリザベス・グラマー・スクールに通い、カンブリア・カレッジ・オブアート・アンド・デザインに進学します。そこでハナムはパフォーミング・アートの他に、映画理論と映画史の学位を修めました。
『サンズ・オブ・アナーキー』のバイク乗りジャクソン・テラー役で注目を集める!
『サンズ・オブ・アナーキー』は、2008年から2014年に放送されたアメリカのテレビシリーズです。様々な犯罪集団の攻防、過去の因縁、メンバーそれぞれの恋愛模様を描いた人気シリーズで、チャーリー・ハナムは主人公のジャクソン・テラー役をつとめました。 北カリフォルニアの町チャーミングを舞台に、表向きは自動車の修理工場、裏では武器やドラッグの違法売買を手がけるバイカーチーム「SONS OF ANARCHY MOTORCYCLE CLUB, REDWOOD ORIGINAL(SAMCRO)」。その副総長であるジャクソンやチームのメンバーたちの厚い信頼関係と秘密、また他の犯罪集団や警察とのかけひきを描いています。 ハナムが演じたジャクソンは、初代総長の息子でシリーズスタート時にはチームの副総長でした。総長で、母の再婚相手であるクレイ(ロン・パールマン)の右腕として、チーム内でも一目置かれています。しかし、ある日初代総長であった父の手記を発見し、現在のチームの在り方に疑問を持つようになりました……。 アクションやバイオレンスだけでなく、チームメンバーの絆やチャラクターの恋愛事情などが盛り込まれ、奥が深い人間ドラマとして人気を集めました。
『パシフィック・リム』で菊地凛子と共演
2013年のギレルモ・デル・トロ監督作『パシフィック・リム』では、主人公ローリー・ベケットを演じ、日本人女優の菊地凛子と共演しました。 『パシフィック・リム』は太平洋から現れる巨大怪獣を相手に、2人組のパイロットが操縦する巨大ロボットで戦う様子を描いた怪獣映画です。デル・トロ監督が幼い頃から強い影響を受けてきた怪獣映画を現代に蘇らせた作品で、世界中のファンから絶賛を受けました。また、デイリーグラフ紙では「チャーリー・ハナムと菊地凛子の素晴らしいケミストリー」と賞賛され、日本の雑誌、映画秘宝の2013年ベスト投票では第1位に選ばれています。 ハナム演じるローリー・ベケットは、イェーガーと呼ばれる巨大ロボットの「ジプシー・デンジャー」のパイロットです。同じく「ジプシー・デンジャー」のパイロットであった兄のヤンシー(ディエゴ・クラテンホフ)を怪獣との戦いで亡くし、戦線を離れていましたが、元上司の要請により復帰します。菊地凛子演じる森マコは研究者でしたが、両親の復習のためパイロットに志願し、ベケットのパートナーとなります。ふたりは次第に信頼関係を築き、マコはパイロットとして成長していきます。
『パシフィック・リム』の製作裏話
本作で脚本を務めたトラヴィス・ビーチャムは、当初の脚本ではチャーリー・ハナムと菊地凛子が、映画の大部分それぞれ違う言葉で話すことになっていたことを明かしました。映画が進むにつれて徐々に二人が分かり合っていき、それぞれが互いの言葉を喋るようにしようとしていたといいます。 そのため、当初の脚本ではチャーリー・ハナムが日本語を話し、菊地凛子を驚かせることになっていたそうです。
『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』の主役に抜擢されるも降板
世界的なベストセラーとなった官能小説『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』の映画化の際、チャーリー・ハナムは主人公のクリスチャン・グレイ役に決定していました。しかし、キャスティング発表直後に降板となり、「『サン・オブ・アナーキー』とのスケジュール調整がつかなかった」「脚本家や監督ともめた」「ヌードなど性的に過激なシーンが問題になった」など、様々な憶測が飛び交いました。 後に、ハナムはこの大役を自ら手放した理由を映画サイト「ムーヴィーフォン」に次のように語っています。
「ドラマの撮影が終わって金曜の夜11時に飛行機に乗って、土曜日には別の国で『フィフティ~』のリハーサル。でも、リハーサルのための1週間がごっそりなくなって、月曜には撮影開始。でも撮影は水曜日にずれこんで、次の月曜日はギレルモ・デル・トロ監督の作品に参加するためにトロントへ行かなくちゃいけなかった。48時間で別の人格に移行することは大変。だけどこんなに大きな役をもらって絶対に失敗なんかできないから、最後の方はただ『できない、僕にはできない……』ってつぶやくだけ……。スタッフには本当に申し訳ないことをしたよ」
他にも父親が亡くなり、精神的にも参っていたようです。その時期は家族との時間を優先し仕事は少し休息したかった時期だったと打ち明けました。 その後の活躍を見れば、その仕事を頑張りすぎないで心を休めるという判断は間違いではなかったようですね。
チャーリー・ハナムのその他の主な出演映画
『コールド マウンテン』(2003)
南北戦争を舞台にしたラブストーリー。チャーリー・ハナムは義勇軍として働き、脱走兵を見つけた時は容赦なく処刑を行ったボジーという人物を演じていました。 ジュード・ロウ、ニコール・キッドマン、レネー・ゼルウィガーなどが出演し、レネー・ゼルウィガーの演技で多くの賞を獲得した作品となりました。
『フーリガン』(2005)
大学を退学になってしまったアメリカ人でジャーナリスト志望の青年マット(イライジャ・ウッド)は、ロンドンに住む姉をたよってイギリスに渡ります。そこで義弟のピート(チャーリー・ハナム)に出会い、ファームと呼ばれるフーリガン集団のリーダーである彼とサッカー観戦に行きます。そこで他チームのファームとの抗争に巻き込まれたマットは、暴力的な世界の中で、次第に自分と向き合っていくことになります。 ハナムはフーリガン集団“GSE(Green Street Elite)”のカリスマ的リーダーを演じ、チームへの忠誠心や仲間との友情、自分の誇りを守るため暴力に身を投じる若者を演じ、高評価を得ました。
『トゥモロー・ワールド』(2006)
『トゥモロー・ワールド』は、人類が子供を産むことができなくなった近未来を舞台に、たったひとり妊娠が確認された少女をめぐり、政府と反政府グループの抗争を描くSF映画です。 反政府グループ「フィッシュ」の中心メンバーであるルーク(キウェテル・イジョフォー)の部下パトリックをチャーリー・ハナムが演じています。
『クリムゾン・ピーク』(2015)
2015年のギレルモ・デル・トロ監督作『クリムゾン・ピーク』で、チャーリー・ハナムはミア・ワシコウスカ(『アリス・イン・ワンダーランド』など)やトム・ヒドルストン(『マイティ・ソー』など)と共演しています。 『クリムゾン・ピーク』は、幽霊が見える女性イーディス(ワシコウスカ)が、準男爵の称号を持つ男性トーマス・シャープと結婚し、かれの屋敷「クリムゾン・ピーク」に住むことになることから始まるゴシックホラーです。 ハナムはイーディスの幼なじみであるアラン・マクマイケル役として、ヒドルストン演じるトーマスと三角関係を演じました。公開時に公表されたインタビュー動画で、ヒドルストンは2人の男の違いについて語っています。
チャーリー・ハナムのその他の主な出演ドラマ
『Queer as Folk』(1999〜2000)
チャーリー・ハナムの出世作である英テレビシリーズ『Queer as Folk』。マンチェスターのゲイ達の日常生活やセックスライフを赤裸々に描き大人気を博しました。その後、アメリカでもリメイクが作られています。 ナンパをきっかけに出会った29歳のスチュワート(エイダン・ギレン)と15歳のネイサン(チャーリー・ハナム)。最初から一夜限りのつもりだったスチュワートとは対照的に、ネイサンはすっかりスチュワートにのめり込んでしまいます。 ハナムは、自分よりもずっと年上のスチュワートにしつこく付きまとうネイサンを演じ、その体当たりの演技が話題となり、イギリス国内での知名度を高めました。
『Young Americans』(2000)
人気青春ドラマ『ドーソンズ・クリーク』(1998〜2003)のスピンオフとして放送された『Young Americans』は、ハナムの渡米後の初出演作となったテレビシリーズです。アイビーリーグへの進学が決まっているエリート学生たちの、サマースクールでの日々を描いた青春ドラマとなっています。 残念ながらこのドラマはかなり不評で、わずか8話で打ち切られています。そのため、日本では紹介されませんでした。 このドラマの中で、ハナムは不良少年のグレゴール・ライダーを演じました。レギュラーではなくゲスト出演であったものの、他のキャラクターとは違った魅力を見せたようです。
『Undeclared』(2001〜2003)
映画『40歳の童貞男』などの監督、ジャド・アパトーが製作したシットコム『Undeclared』は、カルト的な人気を誇るテレビシリーズ。大学の新入生たちの寮生活を描いた作品です。 チャーリー・ハナムの役柄は、主人公スティーヴン(ジェイ・バルチェル)のイギリス人のルームメイト、ロイド・ヘイズです。ロイドは演劇を専攻する学生で、度々スティーヴンを部屋から追い出し、女の子を連れ込んでいました。 セクシーな役柄の多いハナムらしい役柄ですね。
チャーリー・ハナムの結婚生活
チャーリー・ハナムは199年に女優のキャサリン・タウンと4週間ほど交際した後、ラスベガスで結婚しましたが、2002年に離婚しています(画像の女性)。
その後2007年からジュエリー・デザイナーのモルガーナ・マクネリスと交際を始め、2015年に結婚しました。 妻のモルガーナが女優ではないため、交際当初はうまくいかないのでは、とハナムは考えていたそうですが、今では彼女のおかげで広い世界を見ることができ、感謝していると語っています。彼らはハリウッド郊外に大きな農場を所有しており、ニワトリを30羽以上、ロバとアヒルを2〜3匹を飼っており、オーガニックの庭園もあるそうです。 ハリウッドセレブのイメージとは違う穏やかな結婚生活を送っているようですね。
チャーリー・ハナムの筋肉が凄い!
セクシーな役柄が多いハナムは、その肉体美でも多くの人を魅了しています。その美しい体のためにはワークアウトが欠かせないようです。ジムでは懸垂を75回とディップスを75回、150回のスクワットと腕立てふせを150回した後、20分腹筋のトレーニングをする、とメンズ・ヘルス誌に話しています。
ファン必見!チャーリー・ハナムのトリビア4選!
撮影でのチャーリーの楽しみとは?
チャーリー・ハナムはドラマ『サン・オブ・アナーキー』での撮影期間に、新たに洋服ダンスを買ったといいます。その理由とは、洋服をセットから大量に盗んだからだといいます。そのことで後に、スタイリストが困ってしまったそうです。
名声には興味なし?チャーリー・ハナムの謙虚な一面とは?
ハリウッドスターという世界中からの注目を集める職業ですが、チャーリー・ハナムは自分に関するネットの記事やニュースを全く読まないらしく、どうやら名声や地位などといったことに興味はないようです。 そのため、近寄ってくる女性ファンにも全く見向きもしないらしく、彼女もいることから、全くもって興味がないと発言したことがあります。さらに、ブラッド・ピットやライアン・ゴスリングなどの人気を見て、生活するのに不便だともコメントしています。
見るのが今でも辛い作品とは?
『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』を降板されたことは先ほど述べましたが、やはり後悔の念も少しはあるのでしょうか?『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』だけは見る気になれないとインタビューで明かしています。 「自分が何かを得るために努力したのに、それの一部になれないことはいつも辛いことだよね。」と最終的に出演できなかった映画に対して悔やむセリフを残しています。
鑑賞した映画に影響を受けやすい?
ドキュメンタリーの『The End of the Line』という魚の乱獲を題材にする映画をみた後18ヶ月もの間、魚を食べれなくなったそうです。その映画がどれほど鞍上に訴えるような作品なのかも気になるところですが、その後の食生活を大きく変えてしまう柔軟性には驚かされます。 現在では魚を食べるそうですが、ツナサラダを食べるときには「ソーリー、ツナ!」と声をかけてから食べるそうです。
チャーリー・ハナムの今後
ブラッド・ピット製作のアクション映画に出演
2017年に全米公開された映画『ロスト・シティZ 失われた黄金都市』に出演しています。 ブラッド・ピットが製作総指揮を務めるこの作品は、デヴィッド・グランのノンフィクション小説『ロスト・シティZ 探検史上、最大の謎を追え』を映画化したものです。アマゾンに存在するという謎の都市Zを、息子と共に探し行方不明となった冒険家パーシー・ハリソン・フォーセットを描いています。 ハナムは主人公のフォーセットを演じました。
『キング・アーサー』に出演
ガイ・リッチー監督のアーサー王の伝説を題材にした作品『キング・アーサー』は2017年に公開されました。 6世紀のイギリスに実在したとされるアーサー王と円卓の騎士の伝説を映画化したこの作品で、チャーリー・ハナムはアーサー王を演じています。また、悪役としてジュード・ロウが出演。 また、一時は御蔵入りが懸念されたものの、公開延期が発表された『パシフィック・リム』の続編、『Pacific Rim: Maelstrom』にハナムも続投するのではないかと噂されています。