2018年4月4日更新

『パシフィック・リム』あらすじ・キャスト【デル・トロの日本愛が詰まった傑作】

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パシフィック・リム
© Warner Bros.

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『パシフィック・リム』を徹底解説!

2013年に公開されたSF怪獣映画『パシフィック・リム』。人間が操縦する巨大ロボットイェーガーで「Kaiju」に立ち向かいます。 ギレルモ・デル・トロ監督の日本愛が詰まった本作を、ネタバレありで徹底解説します!

『パシフィック・リム』あらすじ

地球は、太平洋グアム沖の深海から突如として現れた怪獣におびやかされていました。人類は協力し環太平洋防衛軍 (PPDC)を結成。怪獣迎撃用の巨人兵器イェーガーを建造して立ち向かうものの、次から次へと姿をあらわす怪獣たちに打ち勝つことはできません。 ヤンシーとローリー、兄弟である二人のパイロットが操縦するイェーガー「ジプシー・デンジャー」。怪獣「ナイフヘッド」との戦闘中に兄ヤンシーが戦死し、ローリーはショックからパイロットを辞職しました。 とうとう人類はイェーガーで怪獣と戦うことを諦め、巨大な防護壁で怪獣の襲撃から身を守る作戦に転じることに。しかし、怪獣はその壁すらも打ち破って侵攻し、人類は絶滅の危機に瀕していました。

兄の死から5年後、防護壁の建設作業員として働いていたローリーは、かつての上司でありPPDC司令官のスタッカーに呼び出されます。防壁では人類を救えないと主張するスタッカーに説得されたローリーは、パイロット復帰を決意し、スタッカーの秘密基地に向かうことに。そこではスタッカーの娘マコと協力者のパイロットや科学者たちが、かつてのローリーの愛機「ジプシー・デンジャー」を含む4体のイェーガーの修復作業をしていました。 ジプシー・デンジャーを共に操縦するローリーのパートナーの選考試験が行われます。マコのパイロットとしての適性を見抜いたローリーは、彼女に試験を受けることをすすめますが、スタッカーは猛反対します。 試験中、ローリーとともに実際にジプシー・デンジャーに乗り込んだマコは、過去の記憶からパニックを起こし事故を起こしてしまいます。マコの脳と同調したローリーには、その原因がわかりました。 実はマコは幼い頃に実の両親を怪獣に殺され、深いトラウマを負っていたのでした。スタッカーはその際にマコを救出したイェーガーのパイロットであり、彼女を引き取り養女として育てたのでした。ローリーはスタッカーに、マコがパイロットになるのを許すよう説得しますが、聞き入れられません。

科学者チームのハーマンは、次に怪獣が出現する時期を予測。別次元と通じる亀裂を爆破して塞ぐ計画を立てます。怪獣の脳にドリフトする実験を行ったニュートンは、怪獣たちが同じDNAを持ち何者かに培養されたものであること、人類襲撃はその者たちの意志によって行われていることを報告しました。ニュートンはさらなる情報を得るため、怪獣の臓器売買の闇商人チャウと接触します。 ハーマンの予測どおり、香港沿岸部に2体の怪獣が出現し、3機のイェーガーが迎撃に向かいます。しかし苦戦を強いられ、2機のイェーガーが撃破され、タン兄弟とカイダノフスキー夫妻の5人のパイロットが犠牲に。ハンセン親子の操縦する残りの1機も電磁波攻撃を受け制御不能となります。 スタッカーは、ジプシー・デンジャーの出撃を決意し、ローリーとマコに操縦を命じるのでした。

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『パシフィック・リム』出演のキャスト

ローリー・ベケット/チャーリー・ハナム

本作の主人公ローリー。兄ヤンシーとともにイェーガー「ジプシー・デンジャー」のパイロットとして怪獣と戦っていましたが、目の前で兄が戦士したことがトラウマとなり辞職。建設作業員としてひっそりと暮らしている時に、スタッカーに説得され復帰します。 正義感が強く、人類のために戦う覚悟を胸にいだいている一方、シニカルで繊細な一面も。 演じるチャーリー・ハナムは、1984年生まれのイギリス人俳優。本作でぶれいくし、同じくギレルモ・デル・トロ監督によるホラー映画『クリムゾン・ピーク』(2016)やガイ・リッチー監督によるシェイクスピア作品の映画化『キング・アーサー』(2017)にも出演しています。

森マコ/菊地凛子

スタッカーの養女でイェーガーの研究者。幼いころ怪獣に両親を殺され、「コヨーテ・タンゴ」を操縦していたスタッカーに救出された後、彼に引き取られ育てられました。そのためスタッカーに対しては、命の恩人として感謝しており、実の親子以上の固い絆で結ばれています。 パイロットとして怪獣と戦い両親の仇を討つことを望んでいましたが、スタッカーの反対に会い、なかなか言い出せません。ローリーにパイロットとしての適性を見出され、彼のパートナーとして「ジプシー・デンジャー」に乗り込みます。 演じる菊地凛子は1981年生まれの日本人女優。モデルとして活動した後、新藤兼人監督『生きたい』(1999)で映画デビュー。熊切和嘉監督の『空の穴』(2001)や石井克人監督の『茶の味』(2004)に出演後、2006年にアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の『バベル』での聾唖の女子高生役で世界的に有名に。アカデミー助演女優賞にもノミネートされました。

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森マコ(少女時代)/芦田愛菜

怪獣に襲われたマコの少女時代を演じるのは、日本でも絶大な人気を誇る子役の芦田愛菜。本作がハリウッドデビュー作品となります。

スタッカー・ペントコスト/イドリス・エルバ

環太平洋防衛軍 (PPDC) の司令官で、ローリーのかつての上司。かつてはイェーガー「コヨーテ・タンゴ」のパイロットであり、ローリー同様パートナー亡き後に一人でイェーガーを操縦し怪獣を倒した経験の持ち主です。 イェーガーの原子炉による被爆が原因で癌を患い、余命が限られていることが判明します。 演じるイドリス・エルバは、1972年生まれのイギリス人俳優。スティーヴン・キング原作の『ダークタワー』(2018)や『マイティ・ソー』シリーズのヘイムダル役としても知られています。

パシリムの怪獣とは!?

太平洋グアム沖の深海に生じた異世界と繋がる割れ目から突如としてあらわれた謎の巨大生物「怪獣」。シリコンで形成され核兵器にも耐えうる強靭な骨格と、猛毒攻撃を含む高い攻撃力。その数は徐々に増え攻撃性も増し、人類の脅威となりました。 「カイジュウ・ブルー」と呼ばれる猛毒の青い体液の主成分はアンモニア。大きさと危険度によりカテゴリー分けされ、数字が上がるほど強くなります。 生物学者ニュートンの研究によると、姿形は異なっていても怪獣は同じDNAを持ち、記憶を共有するとのこと。つまり1体の怪獣がイェーガーに倒されたとしても、戦いの記憶が他の個体とも共有されるため、次に姿をあらわす怪獣はより強く進化を遂げているのです。 当初は自然発生したものとされていましたが、やがて何者かが地球の侵略を狙い異次元から送り込んでいることが判明します。

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イェーガーとは!?

怪獣迎撃用に人類が開発した巨大兵器イェーガー。「イェーガー」とはドイツ語で狩人の意味です。 人体へのダメージを考慮し、二人以上のパイロットの脳を「ドリフト」と呼ばれる神経接続を行い共有させ、そのままイェーガーに接続することで起動する仕組み。つまり複数のパイロットたちの脳がそのまま1機のイェーガーの脳となり、イェーガーの機体はパイロットたちの身体そのものとなるのです。 共に操縦するパイロット同士は、脳の中の個人的な記憶や感情をも共有するため、お互いの意思疎通と信頼関係が最重要。息の合ったパートナー同士だと最大限の力を発揮できる一方で、不慣れな関係や共有できないトラウマなどがある場合、イェーガーは暴走し事故を起こします。パイロットが兄弟・親子・夫婦など実生活でもパートナー関係にある者同士であるケースが多いのはそのためです。 核兵器使用以外の方法で人類が怪獣と戦う唯一の手段でしたが、進化した怪獣の攻撃には及ばないとの理由で、人類は唯一の希望であったイェーガーの開発を中断しようとしてしまっていたのです。

監督はギレルモ・デル・トロ

ギレルモ・デル・トロ
©︎WENN.com

1964年メキシコ出身の映画監督ギレルモ・デル・トロ。メキシコの映画学校を卒業後、『エクソシスト』の特殊メイクで知られるメイクアップアーティストのディック・スミスに弟子入り。特殊メイクと造形の専門家としてキャリアを積んだのち、映画監督の道へすすみます。 遺伝子操作された新種の昆虫と人間との戦いを描いたホラー作品『ミミック』(1997)や異形のヒーローの活躍を描いたアメコミの実写化「ヘルボーイ」シリーズ、内戦後のスペインで暮らす少女の幻想と現実を描いたダークファンタジー『パンズ・ラビリンス』(2007)などの作品が、高く評価されています。 日本の特撮映画やアニメに非常に造詣が深いことで知られ、本作も日本の特撮映画から着想を得たとのこと。本作のエンドロールにも「この映画をモンスターマスター、レイ・ハリーハウゼンと本多猪四郎に捧ぐ」とのメッセージが添えられています。 話すことのできない女性と半魚人との愛を描いた『シェイプ・オブ・ウォーター』では、第75回ゴールデングローブ賞の監督賞と第90回アカデミー賞の監督賞を受賞しました。

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『パシフィック・リム』ネタバレ

かつて怪獣の脳とドリフトしたニュートを追い、街に向かう怪獣。寸でのところで到着したローリーとマコに倒された怪獣でしたが、腹から子供の怪獣が飛び出し、チャウを丸呑みにします。 基地に戻った彼らは、スタッカーが重病に侵されていることを知ります。パイロット時代に被爆したことが原因です。作戦通り、ローリーとマコがジプシー・デンジャーに、そして骨折したハンセン親子の父ハークに代わりスタッカーが息子チャックとともにストライカー・エウレカに乗り込み、怪獣の穴を塞ぐため爆弾を仕掛けに向かうことに。 一方ハーマンとニュートは、穴は怪獣のDNAを感知し怪獣以外の異物を排除する仕組みになっていることを発見しました。穴の内部に入るには、怪獣を抱きかかえた状態でないといけないのです。 穴の付近で遭遇した3体の怪獣と死闘を繰り広げる2機。爆破用の爆弾がストライカー・エウレカから切り離せなくなったため、スタッカーはマコに通信で最期の言葉を告げ、チャックとともに怪獣を巻き添えに自爆します。 倒した怪獣を抱きかかえ穴の中を突き進むジプシー・デンジャー。ローリーは、先にマコを脱出させ、手動でジプシー・デンジャーの原子炉を爆破させた後に自らも脱出することに。ジプシー・デンジャーの爆破により、地球と異次元をつなぐ穴は破壊されました。無事脱出したマコとローリーは海上で抱き合います。 一方、怪獣に丸呑みされたチャウは、ナイフで腹を裂き無事生還したのでした。

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『パシフィック・リム: アップライジング』は2018年4月13公開

『パシフィック・リム』公開前から続編の構想があったというギレルモ・デル・トロ。 本作の続編『パシフィック・リム: アップライジング』は、『シェイプ・オブ・ウォーター』の製作を優先し監督を降板したギレルモ・デル・トロに代わり、ドラマシリーズ『デアデビル』の製作総指揮で知られるスティーヴン・S・デナイトがメガホンを取ります。 前作から10年後の世界。平穏を取り戻した人類の前に、進化を遂げた怪獣が再び姿をあらわします。スタッカーの息子ジェイクとマコは、新世代のイェーガーパイロットの育成につとめるのでしたが……。 さらにパワーアップしたイェーガー3機が登場。『パシフィック・リム: アップライジング』は2018年4月13日日本公開です。