1:遊び心の詰まった“ヌーヴェルヴァーグ”作品【1960年】
misaki14yama
シャルル・アズナヴールにひたすら惹かれる作品。
デイビッド・グーディスの小説『ピアニストを撃て』を原作に、フランスの映画監督フランソワ・トリュフォーが若干28歳にて映画化。主人公・シャルリは酒場のしがないピアノ弾き。以前は名高いピアニストでしたが、ある悲しい出来事をきっかけに落ちぶれてしまっていました。そんなシャルリを立ち直らせようと親身になる酒場のウエイトレスであるレナ。しかし、ギャングと関係を持つシャルリの兄がやってきて、彼を逃がしたシャルリもギャングから追われる羽目に……。
主演は、シャルル・アズナブール。低予算やロケ中心の撮影、ジャンプカットなどの手法を使いた“ヌーヴェルヴァーグ”と呼ばれるスタイルの作品です。シリアスな内容でありながらも、どこかコミカルで、B級映画の雰囲気が漂い、遊び心が詰まった本作。タイトルの由来は、19世紀、アメリカの西部開拓時代の酒場では、ピアニストをいざこざから守るために「ピアニストを撃たないでください」と書いた貼り紙をしていたというエピソードからだとか。
2:船上で生まれ、船上で弾き続ける天才ピアニスト【1999年】
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おだやかなピアノもあれば、楽しくリズミカルなピアノもあり、サントラをレンタルするほどだったけど、見終わったあとはやっぱりちょっと悲しい。
Daiki_Kinoshita
脚本・監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
1998年公開
凄い人生だな。主人公に共感できないのは当たり前。自分達には理解できないような過去があったからこそ、あの選択肢を選んだんだ。
アレッサンドロ・バリッコの同名戯曲を『ニュー・シネマ・パラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレ監督により映画化。ある豪華客船で赤ちゃんが置き去りにされます。子どもはその年にちなみ“1900”と名付けられ、船内で育つことに。“1900”は、ダンスホールのピアノを聴き独学でピアノを学び、天才ピアノストとして成長し……。
物語は“1900”の友人であるトランペット奏者マックスの回想という形で進み、一度も船を下りることなく船内のピアニストとして生き抜いた“1900”の感動の物語が紡がれています。主役の“1900”はティム・ロス、語り役のマックスはプルイット・テイラー・ヴィンスが演じました。
3:ピアノ教師と教え子とのラブロマンス【2001年】
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病的な。
ピアノに惹かれて解説も読まずに観たので前半は変態度合にチャンネルが合わなくてひいたけど把握できてから後半は予想通りでまぁ。静かに物語が進むのもリアルでいい。
もっと感覚的にしたかったのに観賞用に掘り下げた感を感じて少々勿体無く感じた。冒頭クレジットの演出が好き。ラストの顔が笑えた。刺激テンポのいいラストだったと思う。
EllyMimy
なんとまあ凄まじい愛と狂気の世界。
ハネケ監督らしいというか…
色々と衝撃的なシーンが満載でした。
エルフリーデ・イェリネクの小説を原作に、『ファニーゲーム』のミヒャエル・ハネケが監督を務め映画化しました。名門音楽院でピアノ教師をするエリカは、厳格な母親のもとで自己を殺して暮らすうちに、いつしか特異な性的嗜好を持つようになっていました。そこへ現れたピアノの才能豊かな青年ワルター。エリカの“特別な趣味”を知らずに、彼女に好意を持ち近付いて……。
人には言えない性的嗜好の中年女性と、彼女に純粋な恋心を持つ青年との激しいラブロマンスを描いた作品。『沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇』のイザベル・ユペールがエリカを、『王は踊る』のブノワ・マジメルがワルターを熱演しています。2001年のカンヌ国際映画祭にて、審査委員グランプリ、男優賞、女優賞の3冠を達成しました。
4:必見のエイドリアン・ブロディ演奏シーン【2002年】
bluegirl_beer
美しいピアノの音色と、破壊された悲惨な街の映像との奇妙なマッチング。
本当に悲しい歴史だし、だからこそ映画化する意義がある。
Mako_Adaniya
戦争によって めちゃくちゃになった街でシュピルマンが佇む姿がすごく辛い。
廃墟の中でピアノを弾くシーンは圧巻。
ユダヤ系のピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンの体験を基に、ロマン・ポランスキーが監督を務め映画化しました。舞台は、第二次世界大戦におけるワルシャワ。ピアニストとして活躍していたウワディスワフでしたが、ナチスによるユダヤ人の強制収容が始まります。運よく逃れたウワディスワフは、転々と潜伏生活を続け……。
監督自身幼少時を収容所で過ごした経験を持ち、ナチスの虐待政権を生きのびた実在のピアニストの半生が胸を打ちます。主演のエイドリアン・ブロディによる、猛練習の末のピアノ演奏シーンも感動を呼びました。カンヌ映画祭の最高賞であるパルムドール、アカデミー賞の監督賞・脚本賞・主演男優賞ほか多数受賞の作品です。
5:裏稼業に手を染めた男の夢【2005年】
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ちょっとヤクザ的な仕事をとるか夢をとるか。ピアノの先生とのロマンスにもキュンってする♪最初めっちゃビビってるけど主人公の事。でも徐々に恋に落ちてく感じズキュン★
1978年のアメリカ映画『マッド・フィンガーズ』を、ジャック・オーディアール監督がパリに舞台を移してリメイクした作品。28歳のトムは裏社会の不動産ブローカーとして生きていました。しかし、彼はピアニストなりたいという夢が心の内にあり、とあることをきっかけにオーディションの機会を得ます。そして、裏稼業を続けながらのピアノレッスンが始まって……。
暗い色彩で描かれた“フィルム・ノワール”と呼ばれる犯罪映画です。闇の世界と、光に満ちたピアニストの世界。対照的なふたつの世界で悩み成長していくトムを『ルパン』のロマン・デュリスが演じました。姉がピアニストだそうで、映画出演の際に指導を受けていたとか。2005年ベルリン映画祭銀熊賞の最優秀音楽賞ほか、多くの賞を獲得した作品。
6:心を揺さぶられる圧巻のラスト4分【2006年】
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教師が問題児でありながらも天才ピアニストである女性を教育しコンテストで優勝させようとするが、ラストに自分のスタイルを貫き通しながらも教師の教えの「お辞儀」を披露する場面に、この映画の深みを感じました。
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タイトル通り、4分間の演奏は鳥肌が立ちっぱなしだった。
彼女が奏でる音色には、まるで山猫のように飛んだり跳ねたりと、荒々しく奔放で、見ている先生がアワアワするぐらい大胆で自由だった。
そして、時折見せる繊細な一面ものぞかせながら、音が耳から耳へと伝わっていく。
そう、この演奏後に待ち構えている彼女の運命が分かっていたからこそ、私にはよりいっそう心に強く残ったのかもしれない。
老いたピアノ教師トラウデ・クリューガーは、ピアノの指導に刑務所を訪れた際に、殺人罪で服役しているジェニーと出会います。彼女はかつて将来を嘱望されていた天才ピアニストでした。トラウデはジェニーの才能を惜しく思い、コンクールでの優勝を目指し、反抗的なジェニーに特別レッスンを始めます。
次第に心を開き始めたジェニー。しかし、コンクールに向けて励むふたりへの妨害が起こります。その時、トラウデはジェニーのために大胆すぎる決断をするのでした。様々な困難を乗り越えての、衝撃と感動のラスト4分間は聴きのがせません。
監督・脚本は、クリス・クラウス。トラウデは実在の人物で、実際に刑務所でピアノを教えていた彼女をヒントに製作されたとか。そのトラウデ・クリューガーを演じたのは、『ラン・ローラ・ラン』のモニカ・ブライブトロイ。1200人の中から選ばれた新人ハンナー・ヘルツシュプルングがジェニーを務めました。ちなみに、4分間の演奏と主人公へのピアノ指導は、日本人ピアニストの白木加絵によるものだそうです。2007年ドイツアカデミー賞では8部門でノミネートされ、作品賞、主演女優賞を受賞。
7:異色の天才ピアニストの素顔【2011年】
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過去にもグールドの映画をみたことがあるが、こんなにたくさん動いている映像をみたのは初めてかも。変わった人、というイメージが大きかったけど、いろいろな発言をまとめて聞くとやっぱり天才だったんだなあ、と思う。実際には魅力ある人だったんじゃないだろうか。またゆっくりCDを聴きたい。(2011/12/27@京都シネマ)
カナダのピアニスト、グレン・グールド。1955年にバッハの『ゴルトベルク変奏曲』でレコードデビューすると、その斬新な解釈でクラシックのレコードとしては記録的なヒットとなりました。端麗な容姿に、真夏でも手袋とマフラー着用。極端に低い椅子に座り、歌いながら演奏するという独特のスタイルを貫き、50歳の若さでこの世を去った天才ピアニストです。
本作は、デビュー当時の恋人フランシス・バロー、ソプラノ歌手ロクソラーナ・ロスラックらから初めて語られた貴重なインタビューと、数々の資料を基に製作。伝説的な逸話の多いグレン・グールドですが、彼の“ひとりの人間”としての魅力を追ったドキュメンタリー作品です。監督は、ミシェル・オゼとピーター・レイモント。