京都アニメーション制作『甘城ブリリアントパーク』
市内でも微妙と噂の「甘城ブリリアントパーク」通称「甘ブリ」。そこは名前とは裏腹にまばらな入場客、やる気のなさが見てわかるスタッフ、整備不良のアトラクション、とさびれまくったテーマパークでした。その再建を突然頼まれた主人公・可児江西也に突きつけられたのは、25万人の来園者を3ヶ月で達成すること!という、今の甘ブリでは不可能としか思えない目標でした。
実は甘ブリを運営しているのは魔法の国「メープルランド」の住人。甘ブリはメープルランドにとって畑のような存在で、人々が楽しいという気持ちから作られる「アニムス」を集めるための場所でした。しかし経営不振により、アニムスを集めるどころか甘城ブリリアントパーク消滅の危機にまで陥っていたのです。
原作は『フルメタル・パニック』で知られる賀東招二のライトノベル、アニメ『甘城ブリリアントパーク』を彩った声優たちをご紹介いたします。
可児江西也/内山昂輝
眉目秀麗・成績優秀・運動神経抜群、と【自分が認める】主人公の可児江西也(かにえせいや)。実際にその通りなのですが、そのナルシストさや傲慢な態度でいわゆる残念イケメンとなっています。クラスに転校してきた美少女・いすずに連れられやってきた「甘ブリ」で総支配人・魔法の国の王女ラティファに出会い、支配人代行としてパークの再建を任されます。
本来は勤勉な性格をしており、自らの学校生活を犠牲にしてまでパーク再建のために身を削り働き、困難やスタッフとの齟齬を乗り越えながらぐんぐんと客足を伸ばす手腕を見せました。
主人公・西也を演じたのは内山昂輝、1990年8月16日生まれ埼玉県出身の男性声優であり、劇団ひまわりに所属している俳優です。多くの少年役を演じており、ゲーム『キングダム・ハーツⅡ』のロクサス役を演じたスクウェア・エニックスでは、所属クリエイターの野村哲也からその声質を気に入られています。
『機動戦士ガンダムUC RE:0096』バナージ・リンクス役、『SHOW BY ROCK!!』アイオーン役、『ハイキュー!!』月島蛍役など多数の代表作があり、これからもその活躍を期待されています。
千斗いすず/加隈亜衣
西也のクラスに転入してきたいすずは、メープルランドの近衛兵でした。ラティファに代わって甘ブリを再建するために派遣されましたが、「人を楽しませ喜ばせること」の認識が足らず、かえって業績を落としてしまいます。ラティファの命で西也を支配人代行にした後は、秘書役として西也のサポートを務めます。
西也の働きの成果に喜びながら、一方でキャストに対してマスケット銃で脅すという感情的な行動を起こしてしまう自分にふがいなさを感じることも。
いすずを演じた加隈亜衣は、1988年9月9日生まれ福岡県出身の女性声優です。高校卒業後に就職していましたが、小学生の頃に憧れた声優の夢を諦めきれず、上京後マウスプロモーション付属養成所へ通い、2012年『パパのいうことを聞きなさい!』のおねえさん役でアニメデビューを果たしました。
『げんしけん 二代目』波戸賢二郎(女声)役、『精霊使いの剣舞』テルミヌス・エスト役、『12歳。〜ちっちゃなムネのトキメキ〜』綾瀬花日役などアニメ作品のほか、多数のゲームにも出演しています。
ラティファ・フルーランザ/藤井ゆきよ
甘城ブリリアントパークの総支配人で、メープルランドの第一王女。王女の身でありながら人間界で甘ブリに直接関わっているのは、ラティファにかけられた呪いのせいでした。呪いの正体は「アニムス欠乏」であり、通常のメープルランド住人よりもたくさんのアニムスを必要としていたのです。
西也やキャストたちの関係を円滑にするため、自らすき焼きパーティなどを計画しフォローに心を砕きます。甘ブリ再建のリミットは、対立する「甘城企画」に迫られたパーク閉園までのものでしたが、呪いにより悪化するラティファの体調にも関わっていました。
ラティファを演じた藤井ゆきよは、1985年5月8日生まれ神奈川県出身の声優であり女優です。元々は舞台照明技術者として働いていましたが、女優になりたいと決意、モデル事務所での活動を経て現在に至ります。
『ログ・ホライズン2』てとら役、『ルパン三世』レベッカ・ロッセリーニ役、『最弱無敗の神装機竜』クルルシファー・エインフォルク役などで出演しています。
モッフル/川澄綾子
着ぐるみのような格好をしていますが、これが生来の姿。メープルランドの住人であり、甘ブリで働くキャスト陣のリーダー的存在です。お菓子の妖精であり、甘ブリでは「モッフルのお菓子ハウス」を任されています。
やや好戦的で「パチモン」という言葉には過敏、時にはその一言を投げつけてきたゲストにパンチをお見舞いすることもあります。原作者である賀東招二の前作『フルメタル・パニック』で登場した「ポン太くん」にそっくりなことから、「パチモン」と評されてしまうようです。
モッフルを演じた川澄綾子は、1976年3月30日生まれ東京都出身の女性声優です。ピアノも得意としており、野田恵役として主役を演じた『のだめカンタービレ』では、2007年2月に開催された「のだめオーケストラコンサート」で弾き語りも披露しています。
川澄綾子といえばセイバー!といえるほど、『Fate/stay night』をはじめ多岐にわたる『Fate』シリーズにセイバーことアルトリア・ペンドラゴン役で出演しています。また、『Fate』シリーズに特徴的な「アルトリア顔」と呼ばれるセイバーによく似たキャラクターをほぼすべて川澄が演じています。
他にも代表作は多く、『ジョジョの奇妙な冒険』エリナ・ペンドルトン(エリナ・ジョースター)役では娘時代から老年まで、『頭文字D』茂木なつき役、『ゲートキーパーズ』生沢ルリ子役、『.hack//G.U.』アトリ役など、実力も実績も幅広いものとなっています。
マカロン/白石涼子
メープルランドの住人でキャスト、羊のような見た目の音楽の妖精です。甘ブリでは「マカロンのミュージックシアター」を任されています。
音楽の妖精だからか芸術家気質なところがあり、気が乗らないと仕事を休むことも多々あります。お酒好きで、ティラミーと共によく居酒屋で飲んだくれています。
マカロンを演じた白石涼子は、1982年9月7日生まれ奈良県出身の女性声優です。『ハヤテのごとく!』では原作者の畑健二郎から希望されて主役の綾崎ハヤテ役を演じるなど、少年役からお姉さん役まで、魅力的なハスキーボイスで活躍しています。
『閃乱カグラ』日影役、『憑物語』影縫余弦役、『京騒戯画』吽役などのほか、洋画の吹き替えもしており、マイリー・サイラスやク・ヘソンなどを担当しています。
ティラミー/野中藍
メープルランドの住人でキャスト、ピンクでふわふわした可愛らしい見た目のお花の妖精です。甘ブリでは「ティラミーのフラワーアドベンチャー」を任されています。
実はかなりの女性好きで、幼女以外の若い女性や妖艶な熟女などに目がありません。
ティラミーを演じた野中藍は、1981年6月8日生まれ福岡県出身の女性声優です。歌手としても活動しており、2010年までにシングル7枚、アルバム4枚を発売しています。
キワモノ演技に定評があり、『さよなら絶望先生』風浦可符香(P.N)役をはじめ『魔法少女まどか☆マギカ』佐倉杏子役など、新房昭之監督のシャフト作品によく出演しています。初主演の『宇宙のステルヴィア』片瀬志麻役は、野中本人もお気に入りだそうです。