ミシェル・ゴンドリーってどんな人?
ミシェル・ゴンドリーは、1963年5月8日にフランスのヴェルサイユで生まれたフランス人の映像監督、脚本家です。
彼は、80年代にパリの芸術学校でグラフィック映像スキルを磨くと共に「Oui Oui」というバンドを結成し、ドラムを叩く傍らPVの制作をして自身の独特な世界観を表現していました。
ミシェル・ゴンドリーの華麗なる経歴
MTVで彼のミュージックビデオを見たミュージシャンのビョークがミュージックビデオの制作を依頼。ミシェル・ゴンドリーが手掛けた「ヒューマン・ビヘイヴィアー」のPVが話題となりました。
次第に注目されだしたミシェルは、“GAP”や“スミノフ”、“エア・フランス”や“コカ・コーラ”など、様々なブランドやメーカーのCMを担当しました。
そんな活躍にハリウッドから注目されたミシェルは、映画『ヒューマンネイチュア』を制作し、当作品は2001年のカンヌ国際映画祭のオープニングを飾りました。
そして、2004年に監督・原案を務めた映画『エターナル・サンシャイン』では、アカデミー賞脚本賞を受賞。
多くの長編及び短編映画の監督や脚本を務めるだけでなく、様々なアーティストのミュージックビデオを担当し、そのクオリティの高さには定評があります。
ミシェル・ゴンドリーのおすすめ映画5選
アカデミー賞脚本賞受賞作品
2004年公開の『エターナル・サンシャイン』は、あるカップルの切ないラブストーリーを描いた作品です。
幻想的な脳内世界と残酷な現実世界を描き、それを脚本と映像で魅せた今作は、第77回アカデミー賞脚本賞や、第58回英国アカデミー賞編集賞・脚本賞など様々な賞に輝きました。
若者コンビが悪に立ち向かう
『グリーン・ホーネット』は、二人組のヒーローの活躍を描いた同名作品の映画版です。
蜂に刺されてショック死した父に代わって、急遽社長となった放蕩息子のブリット。彼は意識の変化により正義感に目覚め、日本人のエンジニアカトーと共に“グリーン・ホーネット”として、悪に立ち向かうというストーリーです。
幼馴染が繰り広げるどたばたコメディ
とあるレンタルビデオ店を舞台にした、コメディ映画『僕らのミライへ逆回転』。
ある日、マイクが店番をしていたら、お店にとって重要なお客さんが来ているというのに、とあるハプニングによってレンタルビデオが映らなくなってしまいます。
動揺したマイクは友人と共に、ハリウッド人気映画『ゴーストバスターズ』を、勝手にリメイクしようとします。
淡い幻想と厳しい現実のコントラストを描いた作品
『ムード・インディゴ うたかたの日々』は、ボリス・ヴィアン著書の青春小説『日々の泡』を原作にしたフランス映画です。
幸せいっぱいの結婚生活を過ごしていたコランとクロエ。ある日、クロエが“肺に睡蓮の花が咲く”という奇病にかかったことで、それから彼らの世界は一変していきます。
ミシェルの感性をもって、原作に沿いながら幻想、そして現実の儚さや残酷さが描かれています。
第61回カンヌ国際映画祭では「ある視点」部門に出品
2008年に公開された『TOKYO!』は、東京を舞台にした、3人の監督によるオムニバス映画です。
「インテリア・デザイン」、「メルド」、「シェイキング東京」の3つのエピソードが繰り広げられている今作。ミシェルは、駆け出しの映画監督と上京してきた男女が自分の存在価値を東京で見出すエピソード「インテリア・デザイン」を監督しました。
実話に基づきリアリティを追求した青春映画!
下校中の高校生で溢れ返るニューヨークのバスを舞台とした映画『ウィ・アンド・アイ』はミシェル・ゴンドリーにとって新境地の映画となっています。
クリエイティブでファンタジックな映像に定評があるミシェルですが、本作ではそのような表現は避けられているのです。自分の息子をモデルに若者のリアルな人間関係を描き出しています。
ミシェル・ゴンドリーのおすすめPV5選
ミシェルのキャリアがスタートしたきっかけ
アイスランド出身のミュージシャン、ビョークのアルバム『デビュー』の収録曲、「ヒューマン・ビヘイヴィアー」のPVです。ミシェルが、バンドのPV製作者から、プロの映像監督になるきっかけとなった作品。
以降も、「アーミー・オブ・ミー」や「ハイパーバラッド」など、5つの楽曲のPVを提供しています。
ダフト・パンクの大人気アルバム収録曲のPV
ダフト・パンクは、トーマ・バンガルテルとギ=マニュエル・ド・オメン=クリストによるフランス人ユニットです。
ミシェルは、全世界で220万枚を売り上げたアルバム『ホームワーク』収録のシングル楽曲、「アラウンド・ザ・ワールド」のPVを制作。1997年のMTVビデオミュージックアワード視聴者賞ヨーロッパ部門にノミネートされました。
ミシェルの真骨頂ともいえるPV作品
ケミカル・ブラザーズはイギリスのダンス・ミュージックユニットで、ミシェルは「スター・ギター」でPVの監督しています。
こちらのPVを実際に観ると、一見、ただ車窓の映像だけ映っている様にしか見えません。しかし、PVに映る映像と楽曲の音が見事に合致しており、感覚的にも面白いPVです。
特殊な技術で視覚的にも楽しめるPV
オーストラリア出身のミュージシャン、カイリー・ミノーグの楽曲、「カム・イントゥ・マイ・ワールド」のPVをミシェルが監督。
PVでは、カイリーをはじめ、登場する人物たちが楽曲が進むに連れて増えていくと言うユニークなものです。また、カイリーはこの楽曲で、第46回グラミー賞最優秀ダンス・レコーディング賞を受賞しています。
あの大人気女優も出演
ザ・ビートルズのメンバーであり、世界的に知られているミュージシャン、ポール・マッカートニー。
ミシェルは、彼のアルバム『追憶の彼方に〜メモリー・オールモスト・フル』の収録曲、「ダンス・トゥナイト」のPVを監督しています。このPVには人気女優ナタリー・ポートマンも出演しており、楽曲の音を巧みに用いたユニークな作りとなったPVです。
ミシェルゴンドリーのトリビア3選
クリエイティブな家系に育つ
ミシェルの祖父、Constant Martinは、1949年に“クラビオライン”という、初期のシンセサイザーを発明した人です。
また、父親はエンジニアで電気技師、母親はピアニストという、クリエイティブな家庭で育ちました。
監督になってからもドラムを披露
映像監督になる前は、元々自分のバンドでドラムを担当していたミシェル。彼は、アメリカ人ミュージシャン、カニエ・ウェストの楽曲「ダイヤモンズ・フロム・シエラレオネ」でも、ドラムを叩いています。
ミシェルは、本業が監督となってからも、自身のドラムの経験も大きく影響しているのか、その音楽への感性や感覚が高く評価されて多くのPVを手掛ける事が出来ているようです。ドラマーではない現在でも、十分にその音楽センスはあるようですね。
最新技術を駆使した映像製作
ミシェルは、自身が製作した映像において、多くの点で開拓者と言っても過言はないようです。例えば、ある物体から別の物体へと物事を変化させるコンピューターグラフィックの一種を初めてPVで使用しています。
また、映画『マトリックス』シリーズでも良く見られる、ひとりの人物を同時に様々な角度から撮影する手法は、これより先にミシェルがCMの監督をした際に使っています。
映画『グッバイ、サマー』が2016年9月公開!
2016年の9月10日、日本でミシェルの最新作『グッバイ、サマー』が公開されます。
今作は、14歳という多感で過敏な思春期に自身の生き方や今後に戸惑いを持った少年がひとりの転校生と出会い、夏休みに自分たちで作ったログハウスで旅をするというストーリーです。
独特な映像美はもちろん、自伝的な要素も込めて脚本もミシェルが手掛けており、等身大の青春そのものを描いた作品となっている様です。また今作には、『ムード・インディゴ うたかたの日々』にも出演したオドレイ・トトゥも登場します。
今後も、映像監督として、そして監督としても活躍するミシェルの作品が楽しみですね。