2017年7月6日更新

東てる美・日活ロマンポルノのトップスターから大成した女優に迫る

日活ロマンポルノでデビューし、またたく間にトップ女優となった東てる美。『渡る世間は鬼ばかり』で小姑役を好演するなど、舞台やドラマで活躍し、様々な才能を持つ彼女についてまとめました。

東てる美プロフィール

 東てる美は1956年8月12日東京都出身の女優です。1974年に日活映画『生贄夫人』でデビューし、日活ロマンポルノのトップ女優として頭角を現します。その後は舞台やTVドラマ、歌手活動にも活躍の場を広げ、歌手としてはシングル2枚、アルバム2枚を発表しました。

 日活ロマンポルノ出身の東てる美には、実はヌードになることに対して強いこだわりがあります。

 「お金を払って私の裸を見に来て下さるファンに申し訳ない」 

と言いきる彼女は、舞台でヌードを披露することがあってもTVドラマではヌードになることを拒否しているのです。

2007年のTVドラマ、『特命係長 只野仁』に出演した時は激しいベッドシーンを演じましたが、その時もヌードは後ろ姿のみでした。1990年からは人気TVドラマ『渡る世間は鬼ばかり』に出演し、嫌味な小姑の邦子役を好演。このドラマは彼女の代表作になりました。

トップ女優まで上り詰めた日活ロマンポルノ時代

 東てる美は1974年に日活映画『生贄夫人』でデビューを飾りますが、そのきっかけは実父の知人が売れっ子女優の谷ナオミのマネージャーをしていたことでした。谷ナオミは、1960年代半ばから1970年代に活躍したSM映画の女王として名をはせた女優です。

当初東てる美は谷ナオミとコンビでSM映画に出演していました。その後東は1976年公開の『禁断・制服の悶え』の時期から徐々にアイドル的女優へシフトし、この作品は大ヒットとなりました。

その後も1978年公開の『生贄の女たち』や、1979年公開の『天使の欲望』もヒットし、東てる美は一躍日活ロマンポルノの大スターとなったのです。

21歳で監督デビューも!?

 1974年のデビューから、またたく間に大スターとなった東てる美。実は彼女は21歳の若さで監督デビューもしています。彼女の初監督作は『闇に白き獣たちの感触』。2016年現在までソフト化されておらず、詳細が不明なのが残念です。

彼女はこの作品で、監督だけでなく製作と原作、音楽も担当するというマルチな才能を発揮しています。テーマ曲『闇に白き獣たちの感触のテーマ』は本人が歌い、1978年9月にレコードが発売されました。女優にとどまらない彼女の活躍ぶりは、「日本のクリント・イーストウッド」と呼ぶ人もいたのだとか。

代表作『渡る世間は鬼ばかり』シリーズ

 橋田壽賀子脚本で、TBSで1990年から2015年まで全10シリーズ放送された人気ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』。東てる美はこのドラマの中で泉ピン子演じる小島五月(こじま さつき)の小姑・小島邦子(こじま くにこ)役を演じました。

姑のキミ(赤木春恵)や邦子の姉・久子は何かとさつきに文句を言いますが、邦子もその一員でした。自分の兄弟やその妻に嫌味ばかりの邦子はまさに憎まれ役でした。

このような強烈な個性を持つ邦子を演じる際の注意点として、東てる美は台詞の解釈などを難しく考えず、敢えてオーバーリアクションで堂々と演じるように心がけていたそうです。

  そんな東てる美が最も印象深かったのは第3シリーズのエピソード。離婚直後に邦子が妻子持ちの男・立石と不倫の恋に落ちた話です。まもなく立石はガンに罹るのですが、そんな彼を見捨てるのではなく献身的に看病します。この展開に演じながら東てる美自身が一番驚いたとコメントしています。

その後は野々下長太(大和田獏)と再婚し、義理の娘・加津(宇野なおみ)をいじめる性悪な継母を好演しました。