2017年7月6日更新

美保純、日活ロマンポルノから『あまちゃん』まで渡り歩いた女優に注目

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美保純

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日活ロマンポルノから衝撃の女優デビューした美保純

美保純 『ソラニン』
(C)浅野いにお・小学館/「ソラニン」製作委員会/写真:太田好治

美保純のプロフィール

美保純は、1960年8月4日生まれで、静岡県静岡市(現葵区)出身です。血液型A型。映画鑑賞と人形のコレクションを趣味としています。 静岡精華学園高等学校中退後、静岡市内のデパートに勤務していましたが、1980年には「ディスコ・クィーン・コンテスト」で優勝します。上京し、広告代理店でアルバイトしているときにスカウトされ、デビューの足掛かりをつかみました。

衝撃の女優デビュー

翌1981年、日活ロマンポルノ『制服・処女のいたみ』のヒロイン役で衝撃のデビューを果たしました。 本名は曽根ちよ美ですが、静岡の名所、「三保の松原」から、映画監督の渡辺護が美保純と名づけました。

代表作「ピンクのカーテン」シリーズ

デビュー翌年の1982年には、同じく日活ロマンポルノの『ピンクのカーテン』に出演。本作で、見事ブルーリボン新人賞を受賞するなど、一躍注目を浴びます。 原作は、ジョージ秋山の同名漫画で、同じアパートに暮らす兄と妹の危うい関係を描いています。美保純は、主人公の野理子をキュートに、フレッシュな魅力で演じ、鮮烈な印象を残しました。

大ヒットし、シリーズ全3作が公開!

一作目の人気を受け、同年の秋には『ピンクのカーテン2』、翌1983年3月には『ピンクのカーテン3』と、立て続けにシリーズ三作が公開され、美保純の人気を決定づけました。 隣のお姉さん的な親しみやすいキャラクターとアイドル的ルックスで、本シリーズをきっかけに週刊誌のグラビアなどにも登場し、いよいよ幅広い人気を博していきます。1983年には、日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞しました。

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「男はつらいよ」シリーズで桂あけみ役を好演

日活ロマンポルノだけでなく、一般映画にも出演するようになり、『ピンクのカーテン』から一年後には、なんと国民的映画『男はつらいよ』で、太宰久雄扮するタコ社長の娘・桂あけみ役に抜擢されます。 シリーズ第33作『男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎』(1984年)から第39作『男はつらいよ 寅次郎物語』(1987年)まで連続してレギュラー出演し、栄えある寅さんファミリーの1人となりました。 36作目の『男はつらいよ 柴又より愛をこめて』と『キネマの天地』の演技で、1987年の日本アカデミー賞助演女優賞を受賞し、演技派女優としての地位を決定づけます。

バイプレイヤーとして様々な作品に出演

『ロケーション』(1984年)

ピンク映画のスチールカメラマン津田一郎の『ザ・ロケーション』を原作にしたコメディタッチの人間ドラマです。美保純初期の頃に出演した一般映画で、チーフ助監督に扮した竹中直人の一般映画デビュー作としても知られています。 西田敏行扮するピンク映画のカメラマン・小田辺の妻で主演女優の奈津子が自殺未遂し、仕方なく、ロケ現場として借りていた宿の掃除婦・笑子を主演女優の代役に選びます。笑子を演じた美保純は、まさにはまり役でした。

『春との旅』(2010年)

原作・脚本・監督が小林政広。仲代達矢と徳永えりが主人公の二人を演じたロードムービーです。北海道に暮らす頑固な祖父・忠男と、その世話する孫・春が、忠男の引取り先を探して親族を旅する物語です。 大滝秀治、菅井きん、小林薫、 田中裕子、淡島千景、戸田菜穂、香川照之ら豪華なキャストが勢揃いし名演技をみせる中、美保純は、柄本明扮する忠男の弟・道男の心優しき妻を堂々と演じ、少ない出番ながら強い印象を残しました。

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『捨てがたき人々』(2014年)

ジョージ秋山の漫画を原作に、大森南朋主演で映画化した人間ドラマです。お金も仕事もない怠け者の勇介が、故郷で顔にあざのある女・京子と出会います。二人は関係を持ち、なし崩し的に同棲を始めるのですが……。苦悩しながらも生きる意味や愛を求める姿を描きます。 『ピンクのカーテン』以来、久々のジョージ秋山作品で、美保純は京子の叔母・あかねを演じ、熟女のエロスをさすがの貫禄で演じています。

『月光』(2016年)

『風切羽』の小澤雅人監督が、性暴力被害に正面から取り組んだ問題作です。教え子・ユウの父親から性的暴行を受けたピアノ教師のカオリ。そしてユウも父親から性的虐待を受けており、二人は誰にも言えない苦悩を共有していきます。 『LOVEDEATH ラブデス』の佐藤乃莉と、『悪夢ちゃん』の石橋宇輪が二人を熱演。美保純は、カオリの母親役を好演しています。

朝ドラ『あまちゃん』で再び知名度が急上昇

2013年に放映され、国民的人気ドラマとなったNHKの朝ドラ『あまちゃん』。能年玲奈を一躍人気女優に仕立て上げたばかりか、宮藤官九郎の脚本で最後まで目の離せないストーリー展開が話題になったことは、記憶に新しいでしょう。 美保純が演じたのは、北三陸に暮らす現役海女の熊谷美寿々。渡辺えり、木野花、片桐はいりら個性的な海女仲間でも、独特の存在感を醸し出し、強い印象を残しました。過去、何度も駆け落ちしているという奔放な設定が、彼女の雰囲気にぴったりでした。 演技派女優・美保純の存在と知名度が、再び全国的に決定づけられた作品となりました。

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歯に衣着せぬ物言いでコメンテーターとしても活躍

個性派バイプレイヤー女優としての地位を着実に築いてきた一方、気取らない生き方や歯に衣着せぬ発言で、バラエティ番組などでもその独特の存在感を際立たせています。 親しみやすいキャラクターは、デビュー以来一貫しています。

東京MX『5時に夢中!』レギュラーとして活躍

2009年からは、東京MXテレビが夕方5時から放送し、マニア的人気を誇る『5時に夢中!』の水曜レギュラーコメンテーターをつとめています。 中村うさぎとコンビを組んでいた時期には、「うさじゅん」コンビと呼ばれ、歌をリリースほどの人気を博していました。 これからもマルチな活躍に期待です。