細谷佳正って?
細谷佳正は1982年2月10日、広島県尾道市出身の声優兼歌手。"ほそやん"の愛称で親しまれています。デビュー当初は海外ドラマや洋画の吹き替えを中心に活動していましたが、2007年のOVA『テニスの王子様』の白石蔵ノ介役で注目されてからはアニメの仕事も多くなりました。
2009年には、ライトノベルのOVA作品『電波的な彼女』の主人公・柔沢ジュウ役でアニメ初主演。その後は『黒子のバスケ』の日向順平役、『進撃の巨人』のライナー・ブラウン役、『ハイキュー!!』の東峰旭役など、人気アニメに次々と出演。今や実力派声優として欠かせない存在です。
ワープしたくて声優デビュー!?
学生時代は演劇部の部長をしていた細谷佳正。高校卒業後の進路演劇か声優かと悩んでいたところ、知人に『機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-』を観るよう勧められました。
そのアニメの中で、山寺宏一が演じたキャラ・北辰が、戦闘でピンチになり「また会おう」と高笑いと共に颯爽とワープします。それを見た細谷佳正は、「なんてかっこいいんだろう。僕もワープをしてみたい」と感激。同時に「舞台ではこんなかっこいいワープはできないだろう」と感じたことが声優の道に進むきっかけになりました。
細谷佳正はその後もインタビューなどで「ワープしたかったから声優になった」と繰り返し述べています。ちょっと不思議な動機ですが、彼にとっては決して受け狙いではなく純粋な希望なのだそうです。
なぜか部長キャラが多いほそやん
細谷佳正は『テニスの王子様』では、四天宝寺中学校テニス部部長の白石蔵ノ介を演じました。二年生の頃から部長をつとめている爽やか少年のキャラクターで、この役が彼の出世作となります。
一方『黒子のバスケ』では誠凛高校男子バスケットボール部で主将をつとめる日向順平役。3Pシュートの正確性が高く、チームの精神的要として存在感のあるキャラクターです。
このように、『テニスの王子様』『黒子のバスケ』ともになぜか部長役が多い細谷佳正。彼自身も高校時代に演劇部部長の経験があったようなので、それが役に反映されているのでしょう。
『宇宙戦艦ヤマト2199』で憧れの山寺宏一と共演
2013年にTVアニメとして放送された『宇宙戦艦ヤマト2199』。1974年に放送された『宇宙戦艦ヤマト』のリメイク版です。
西暦2191年。宇宙人のガミラス人と戦争を起こした地球は戦争で汚染され滅亡寸前。地球を救う汚染浄化システムを求めて、宇宙戦艦ヤマトが惑星イスカンダルまでの往復33万6千光年の旅をする壮大な物語です。
細谷佳正はこの作品で、自身が声優を目指すきっかけとなった憧れの山寺宏一と共演を果たしています。山寺宏一はアベルト・デスラー役、細谷は加藤三郎とモルド・ヴォックの二役。またこの作品にはヤマトと共にワープするシーンがあり、細谷佳正はデビュー当時からの夢も同時に叶えました。
歌手としても活躍!
細谷佳正は2010年に『テニスの王子様』のキャラクターソングアルバム『Medicine or...?』と『POISON』を二か月連続リリースしています。
『Medicine or...?』はオリコンで週間ランキングは初登場で10位にランクインし、続く『POISON』はさらにランクが上がって初登場6位の快挙に。結果『テニスの王子様』歴代キャラクターソング第一位となった細谷佳正。そのランキングの高さは、ストリートミュージシャンの経験もある彼の確かな歌唱力に裏付けされているのです。
天然すぎる細谷佳正
細谷佳正は天然キャラとしても知られています。
焼肉屋のメニューに書かれた「トロトロ塩レバー」を「占い占い塩レバー」と誤読したり、イベントにおいてはリハーサルの際、客席に投げ込んでプレゼントするためのサイン入りボールを絶対に人が取れないところに投げ込んでしまい無くしてしまったり、緊張のあまり自分の名前を名乗るのさえ忘れてしまったり……。
彼の少しほっこりする人となりに、好感が持てますね。
野球からラグビーまで!スポーツ少年(キャラ)なほそやん
出世作『テニスの王子様』もそうですが、スポーツ漫画のアニメ化作品に出演することが多い細谷佳正。
例を挙げるだけでもバレーボールアニメの『ハイキュー!』の東峰旭役や、ラグビーアニメ『ALL OUT!』赤山濯也役、野球アニメ『ダイヤのA』結城哲也と多彩なスポーツのラインナップばかり。やはり幅広い役柄をこなせる彼の実力が役に表れているのでしょう。
注目のアニメ『亜人』では主人公の親友・海斗役に
死ぬことがない人間に似た新生物「亜人」を巡る話題のアニメ『亜人』。劇場版は三部作として2015年6月から順次公開され、アニメは第一クールが2016年1月から4月まで放送。第二クールが2016年10月から放送予定です。
細谷佳正は、主人公の圭を常に気にかける親友の海斗役を演じました。
自分の正体が「亜人」であることがわかり、政府から追われる身となった圭。海斗は亜人の存在を差別することなく、むしろ圭の逃亡に協力することで、自ら逃亡ほう助の罪で投獄されてしまいます。
そんな友情に厚い海斗を熱演した細谷佳正。若手実力派声優のこれからに注目です。