2017年11月16日更新

ドラマ『白い巨塔』のキャストが豪華すぎたので振り返ってみた!【2003年放送】

過去何度も映像化されてきた『白い巨塔』。最も新しい2003年の連続ドラマは、重厚な人間ドラマの面白さはもちろん、彼らを演じた豪華すぎるキャストが話題になりました。キャストの点からドラマを総括します。

高視聴率ドラマ『白い巨塔』のキャストが豪華すぎた!

フジテレビ系列で、第一部が2003年10月9日から12月11日まで、第二部が2004年1月8日から3月18日まで放送され、全話高視聴率を記録したばかりか、社会的にも大きな話題を呼んだ連続ドラマが『白い巨塔』です。 大阪にある国立浪速大学第一外科を主な舞台に、熾烈な教授職争い、派閥同士の確執、医療現場の腐敗や汚職を余すところなく描いた社会派ストーリーであり、重厚な人間ドラマが展開します。中心になるのは、全くタイプの異なる財前五郎と里見脩二という二人の医師。二人が医師として、ひとりの人間としてどのような道を歩むのか、大河ドラマ的面白さも本作の醍醐味です。

原作は山崎豊子のベストセラー小説

原作は、言わずと知れた山崎豊子による傑作ベストセラー小説です。1963年から1965年まで、続編が1967年から1968年まで、週刊誌の連載小説として発表され、連載時から大変な反響を巻き起こしました。

『白い巨塔』は過去、何度も映像化されている

記憶に新しい2003-2004年のドラマ以前にも、『白い巨塔』は何度か映像化されています。 まず、週刊誌で最初の連載が終わった直後の1966年に田宮二郎主演で映画化。翌年には、佐藤慶主演でテレビドラマ化され、1978年には、再び田宮二郎を主演に迎えて全31話の大作で連続ドラマが放送されています。 1990年、全2話のスペシャルドラマとして放送された際の主演は村上弘明。そして、2003年、いよいよ本格的に大型連続ドラマ化が再び実現します。 ここでは、2003年のドラマ版に関し、その驚くほどの豪華キャストの観点からまとめてみます。

メインキャスト

唐沢寿明(財前五郎)

財前五郎は本作の主人公であり、国立浪速大学病院第一外科助教授の立場で物語は始まります。専門は食道外科で、オペの技術はほとんど天才的。その実力と持ち前の上昇志向で権力闘争を生き抜き、見事教授に上り詰めます。ところが医療裁判に巻き込まれ、また自身が肺ガンを患っていることも判明し、ゆっくり名誉と地位が崩れていきます。 したたかに渡り歩く自信家でありながら、心の奥にある人間らしさを匂わせる複雑な主人公を、唐沢寿明が見事に演じ切りました。田宮二郎のイメージが強すぎる財前五郎に新しい魅力を付け加えたと高く評価されました。

江口洋介(里見脩二)

財前五郎と並ぶ、物語のもう一人の主人公とも言える存在が、里見脩二です。浪速大学病院第一内科の助教授でしたが、財前とは全く対照的に上昇志向がなく、正義感や道徳心が強いのが里見です。 反組織で、患者第一の姿勢は、財前や上層部と対立し、やがて浪速大学を離れて、民間の千成病院内科医長の道を歩むことになります。 ライバルでありながら、実は財前の一番の理解者でもある里見を演じた、江口洋介の優しさが、深刻なドラマの救いでした。

石坂浩二(東貞蔵)

東貞蔵は、名誉ある浪速大学病院第一外科教授です。退任後、近畿労共病院院長に就任するもの、財前が第一外科教授の後継者となることを望まず、様々な邪魔と策略を仕掛けます。元々師弟関係にあったはずの東と財前の対立は、物語の大黒柱のひとつでもあります。 名優・石坂浩二が、東のいやらしさとしつこさをさすがの演技力で演じ、圧倒されました。

伊武雅刀(鵜飼良一)

第一内科教授から、ついに浪速大学病院のトップである学長に上り詰めるのが鵜飼良一です。権力と金を崇拝し、したたかな計算から財前の教授就任に味方します。医師としても腹黒く、本作の黒い登場人物の代表です。多様な顔があり、どすの効いた伊武雅刀は、まさにはまり役でした。

西田敏行(財前又一)

財前五郎の義父であり、財前マタニティクリニック院長をつとめています。自身の莫大な財力を惜しみなく裏金につぎ込み、五郎を教授にするため尽力します。それでいて、又一が決して憎めないのは、何より演じた西田敏行の魅力に他なりません。

医師や看護師キャストも豪華

伊藤英明(柳原弘)

第一外科の医局員で、財前五郎の天才的なオペ技術を崇拝しているのが柳原弘です。大学病院内の権力闘争そのものとは無縁でしたが、ある患者の担当になったことで、次第に財前の絡む複雑で黒い人間関係に巻き込まれていきます。 純粋な気持ちによる尊敬から、次第に反発を強めていく医師へと変貌していく重要な役柄を、伊藤英明が熱演しました。

佐々木蔵之介(竹内雄太)

柳原弘と同期で、第一内科の医局員をつとめているのが竹内雄太です。のんびりした柳原とは対照的に、情報通のリアリストであり、正義感の強い助教授の里見とは相いれません。演じた佐々木蔵之介と伊藤英明の相違ぶりが印象的でした。

西田尚美(亀山君子)

亀山君子は、第一外科主任看護師から近畿労共病院に移りますが、その後も後半の展開の柱になる医療裁判において、証言台に立つに至る、カギとなる存在です。地味ながら重要な役柄を、西田尚美が熱演しました。

沢村一樹(菊川昇)

財前五郎と浪速大学第一外科の教授職を争うのが、沢村一樹演じる石川大学教授の菊川昇です。師弟関係にあった、東都大学教授の船尾悟による推薦の形ですが、その背後では、財前の教授就任を阻む東教授が糸を引いています。争いに敗れた菊川は、研究の道を究めるため、日本を旅立つことを選びます。

教授夫人会の人々

高畑淳子(東政子)

浪速大学教授夫人会である「くれない会」。東貞蔵教授の夫人にして、くれない会の副会長をつとめているのが東政子です。腹黒く、夫を陰で支えるばかりか、したたかに動きます。夫と対立する財前五郎を嫌悪し、くれない会を牛耳っています。 演じた高畑淳子のすさまじい怪演ぶりが、大変な話題になりました。

若村麻由美(財前杏子)

財前又一の娘にして、財前五郎の妻となったのが杏子です。恋愛結婚ではなく、いわば両者合意の上の政略結婚。教授夫人になりたいがため、五郎を支えます。現実的で、熱い東政子とは対照的な冷めた雰囲気が、若村麻由美の独壇場でした。

矢田亜希子(東佐枝子)

東貞藏と政子の一人娘で、大学院に通うお嬢様が佐枝子です。両親の姿ややり方に疑問を覚える一方、誠実な里見に惹かれていきます。そのこともあって、後半の裁判では、遺族の側に立つことを選ぶに至ります。矢田亜希子らしい、特別な存在のお嬢様ぶりが印象的でした。

医療ミスと戦う人々

上川隆也(関口仁)

後半の柱となる医療裁判で、遺族側の弁護士をつとめるのが、上川隆也扮する関口仁です。それまで医療裁判を多く担当し、医療現場の闇を知り尽くした冷めた立場から、弁護を担います。当初は借金返済が動機でしたが、里見らと接するうち、次第に真摯に向き合うようになっていきます。

かたせ梨乃(佐々木よし江)

財前五郎の誤診によって死に至った佐々木庸平の妻・よし江をかたせ梨乃が演じました。夫の死の真相を知ったことで立ち上がり、裁判を起こす勇気を持つに至る、ごく普通の主婦です。

及川光博(国平学文)

遺族側弁護士の関口に対し、病院側の弁護士を担うのが、国平学文です。役柄と同じく、役者としても上川隆也とは全くタイプの異なる及川光博が、独特の存在感で演じてみせました。

2003年版ドラマ『白い巨塔』にはこんなキャストも出演していた

黒木瞳(花森ケイ子)

高級クラブのママにして、財前五郎の愛人が花森ケイ子です。ママらしく、様々な人間関係を脇で傍観し、実は複雑に絡む人間関係を俯瞰しています。財前の上昇志向を見守りながら、どこか不思議な存在の美人ママを演じたのが、黒木瞳です。

木村多江(林田加奈子)

浪速大学病院に出入りする製薬会社の営業が林田加奈子です。院内で営業中に倒れ、癌を患っていることが判明します。物語の本筋とは直接関係ないサイド・ストーリーですが、ホスピスに転院後まもなく死を迎える哀しい存在です。里見に想いと寄せる加奈子を木村多江が熱演しました。