タップできる目次
- 英国王ジョージ6世の闘いを描いた映画『英国王のスピーチ』
- 1. 『英国王のスピーチ』が長い間製作されなかった理由
- 2. ジョージ6世とエドワード8世の年齢差
- 3. 史実との相違点
- 4. 監督トム・フーパーはオックスフォード大学出身!?
- 5. 『英国王のスピーチ』の収益は?
- 6. 『英国王のスピーチ』はレイティング判定騒動?!
- 7. 『英国王のスピーチ』の撮影現場はどこ?!
- 8. ジョージ6世の死因は?!
- 9. 英国王役にはポール・ベタニーが予定されていた?!
- 10. 英国王のスピーチの実際の長さは?!
- 11. 最高齢のアカデミー賞受賞者は?!
- 12. コリン・ファースは「イングランド人」初の英国王だった?!
- 13. 『英国王のスピーチ』はオーストラリア初のアカデミー賞受賞作品だった?!
英国王ジョージ6世の闘いを描いた映画『英国王のスピーチ』
トム・フーパー監督、コリン・ファース主演の『英国王のスピーチ』は、2011年アカデミー賞4部門に加えてゴールデングローブ賞を受賞したイギリス歴史ドラマの傑作。
吃音という障害を抱えていた若きジョージ6世が、後に親友となるセラピストのライオネル・ローグや周囲の助力を得て、自らの英国王としての戴冠式のスピーチに挑むまでの苦難に満ちた道のりが描かれました。
1. 『英国王のスピーチ』が長い間製作されなかった理由
『英国王のスピーチ』脚本家デヴィッド・サイドラーが英国王ジョージ6世について調べているとき、ジョージ6世のセラピスト、ライオネル・ローグの息子が付けていた日記を見つけました。
デヴィッド・サイドラーは『英国王のスピーチ』製作のためにこの日記を利用しようとしましたが、それには英国王室の許可を取らなければいけなかったのです。
ジョージ6世の妻、エリザベス女王は許可を出すに当たり、自らの存命中には映画を製作しないことを条件としました。
"夫の記憶は、まだ私の中に鮮明に残っていて、辛すぎるのです"、とエリザベス女王はデヴィッド・サイドラーに語りました。引用:mirror.co.uk
2. ジョージ6世とエドワード8世の年齢差
オーストラリア人俳優のガイ・ピアースは、『英国王のスピーチ』でジョージ6世の兄エドワード8世を演じました。
しかしガイ・ピアースの実年齢は、ジョージ6世を演じたイギリス人俳優コリン・ファースよりも実際には7歳年下です。
3. 史実との相違点
ローグは『英国王のスピーチ』の中で、父親が醸造業を営んでいたと語りました。しかし実際にはローグの父親は醸造業者ではなく、事務員でした。
またローグはジョージ6世の前で下品な言葉遣いをしたことは一度もなく、国王を「バーティ」という愛称で呼んだという事実もありません。
さらに1939年に行なわれたジョージ6世のスピーチについて、映画の中では国王はローグの尽力に対してはどのように感謝の気持ちを表すべきかわからないという旨を述べました。
しかし史実においては、国王はこのスピーチが行われるよりも2年前の時点でローグに対して自らの謝意を表していました。すでに1937年にはジョージ6世は、イギリスの騎士団勲章であるロイヤル・ヴィクトリア勲章をローグに授与していたのです。
4. 監督トム・フーパーはオックスフォード大学出身!?
『英国王のスピーチ』の監督トム・フーパーは、オックスフォード大学に在学中、女優のケイト・ベッキンセイル、エミリー・モーティマーが参加していた劇プロダクションの監督を務めたことがあります。
ほかには、イギリスのテレビドラマ『イーストエンダーズ』(イギリス放送1998年-2000年)などの作品も手掛けていました。
5. 『英国王のスピーチ』の収益は?
『英国王のスピーチ』の予算は、約1000万ポンド(約13億円)でした。
しかし『英国王のスピーチ』は映画館での公開だけで、2016年現在までにおいて1億ポンド(約130億円)以上の売り上げを記録しています。
6. 『英国王のスピーチ』はレイティング判定騒動?!
当初、英国のレイティング委員会により、『英国王のスピーチ』には15歳未満鑑賞不可という判定が下されていました。
これは、下品な言葉が使われるシーンが映画の中に含まれていたことを考慮しての判断でした。
しかし、後にこの委員会の判定は批判され、結果的に大人同伴に限り12歳以下の子どもの鑑賞も可能ということになりました。
7. 『英国王のスピーチ』の撮影現場はどこ?!
映画の中に登場するウエストミンスター寺院の撮影は、実はイーリー大聖堂を用いて行なわれていました。
またバッキンガム宮殿内の風景は、実際にはヴィクトリア朝時代にヨーク公の命により建てられた大邸宅ランカスター・ハウスを用いて撮影されていました。
これらの建物を映画撮影のために1日レンタルしただけで、2万ポンド(約260万円)かかったと言われています。
8. ジョージ6世の死因は?!
ジョージ6世がスピーチの練習の最中にタバコを吸っていると、“そうやって肺にタバコの煙を送っていては死んでしまう”とローグに忠告されるシーンが映画の中にありました。
ジョージ6世は存命中、しばしば1日に20から25本のタバコを吸うことがあったそうです。国王は肺がんの手術による合併症のために1952年2月6日、56歳のときに亡くなりました。
9. 英国王役にはポール・ベタニーが予定されていた?!
『英国王のスピーチ』においてジョージ6世役を演じる俳優として、当初イギリス人俳優のポール・ベタニーが念頭に置かれて脚本が製作されていました。
しかし、ポール・ベタニーは家族と過ごす時間を優先するためにこの役を辞退。後にポール・ベタニーはこの判断を後悔していると語っています。
ポール・ベタニーの代役としてジョージ6世を演じたコリン・ファースは、この映画でオスカー賞を受賞しています。
10. 英国王のスピーチの実際の長さは?!
映画の中で行われたジョージ6世のスピーチは、実際に行われたスピーチの原稿の3分の2程度の長さでした。このオリジナルのスピーチ原稿の文字数は407文字。一方、映画版のスピーチ原稿の文字数は269字です。
映画版のスピーチでは実際のスピーチ原稿にある4つの文が削除され、またより短い文章になるようにさらに4つの文に対して修正が加えられました。
11. 最高齢のアカデミー賞受賞者は?!
デヴィッド・サイドラーは73歳の時、『英国王のスピーチ』の脚本を書いたことで2011年第83回アカデミー賞(脚本賞)を受賞しました。
デヴィッド・サイドラーは、アカデミー賞において脚本賞を得た最高齢の脚本家となりました。
12. コリン・ファースは「イングランド人」初の英国王だった?!
現在におけるイギリス王室は、イングランド系の流れを汲んでいると言われています。
しかし、映画『英国王のスピーチ』のなかに登場する英国王たちを演じたのは、実はイングランド人ではなく、アイルランド出身の俳優マイケル・ガンボン(ジョージ5世役)、オーストラリア出身の俳優ガイ・ピアース(エドワード8世役)でした。
映画の中で英国王を演じたイングランド人は、ジョージ6世を演じたコリン・ファースだけです。
13. 『英国王のスピーチ』はオーストラリア初のアカデミー賞受賞作品だった?!
『英国王のスピーチ』は、イギリスとオーストラリアが共同制作した映画作品です。
実は、オーストラリア映画がアカデミー賞において作品賞を受賞したのは、これが初めてのことでした。