ドニー・イェン、『ローグ・ワン』でアジア人初のメインキャストに抜擢されたアクションスターに迫る!【出演映画】
世界的アクションスター、ドニー・イェン
ドニー・イェンは武道家・アクション俳優として活躍しています。4歳の時に武道の師範であった母から中国武術と太極拳を習い始めました。11歳でマサチューセッツ州ボストンへ移住。 やがて彼は様々な武術へ興味を持ち始め、16歳で北京武術アカデミーへ入学するとジェット・リーの師匠として知られているウー・ビンへ師事しました。
3年間、そこで技術を向上させたイェンは、ジャッキー・チェンをスターダムへと導いた映画監督ユエン・ウーピンと出会います。彼に才能を見出されスタントして香港映画に出演すると、『ドラゴン酔太極拳』で俳優デビューを果たします。
その後ツイ・ハーク監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』ではジェット・リーの強敵として香港映画史に残る名アクションシーンを演じ注目を浴びました。
『ローグ・ワン』でメイン・キャストに抜擢
2016年12月16日に公開される『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』でドニー・イェンはアジア人として初めてメインキャストに抜擢され、衛星ジェダ出身の僧侶チアルート・イムウェを演じます。 『ローグワン』は『スター・ウォーズ』シリーズのアナザーストーリーです。
シリーズで最初に公開された『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』でレイア姫がR2-D2に渡した、帝国軍の宇宙要塞“デススター”の設計図。反乱軍はいかにして、帝国軍から盗み出したのかが描かれます。 チアルート・イムウェは盲目の武術の達人です。強靭な精神力と敵を一網打尽にする攻撃力を兼ね備え、ジェダイの存在とフォース、思想を信じています。
『スター・ウォーズ 反乱者たち』のケイナン・ジャラスを演じるという噂
Kanan learning not to rely on his eyes paid off. #StarWarsRebels pic.twitter.com/0Y12THaST2
— Star Wars (@starwars) November 20, 2016
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』でドニー・イェンが演じるのは3DCGアニメのテレビシリーズ『スター・ウォーズ 反乱者たち』のケイナン・ジャラスではないかとの噂があります。
『スター・ウォーズ 反乱者たち』は、『エピソード4/新たなる希望』の約5年前から始まり反乱同盟軍が結成されるまでを、主人公の少年エズラ・ブリッジャーとジェダイの生き残りであるケイナン・ジャラス、そして彼らの仲間達を中心に描かれています。
Happy birthday to @RealFPJr, the voice of #StarWarsRebels' Kanan Jarrus! pic.twitter.com/uDtoTTFRgv
— Star Wars (@starwars) March 8, 2017
ケイナン・ジャラスは帝国軍との戦いで失明しています。 『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の舞台は、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の少し前。2人とも盲目で武術に長けている、そして2つの物語が同時期に設定されていることから、このような推測がされたようです。
しかしドニー・イェンが演じるのはチアルート・イムウェであると公式に発表されています。制作サイドは「『ローグワン』はジェダイの物語ではない」としていますし、アニメシリーズと映画のリンクは観客を混乱させるという意見もあります。 ケイナン・ジャラスは人気のキャラクターだけに、映画『ローグワン』への登場を期待する声は根強く、どうなるのか注目です。
『イップ・マン 序章』で香港アカデミー賞の主演男優賞にノミネート
2011年に公開された『イップ・マン 序章』でドニー・イェンは香港アカデミー賞の主演男優賞にノミネートされました。 ブルース・リーの師として知られるイップ・マンの生涯を描いたアクション映画は世界中で大ヒットし、ドニー・イェンの演技も高く評価されました。
『イップ・マン 序章』の人気を受けて、『イップ・マン 葉問』(2011年公開)、『イップ・マン3』(2016年全米公開)が製作されました。
尊敬する人物はブルース・リー
自身と同じく中国からアメリカへ渡ったブルース・リーを尊敬する人物だとドニー・イェンは語っています。ブルース・リーは中国出身のハリウッド俳優の先駆者であり、アクション俳優としての実力だけでなく、生き方にも影響を受けたそうです。 ブルース・リーの娘であるシャノン・リーとハグを交わしたときには、彼女を通して亡きブルース・リーの存在を感じて魂が震えたとも語っています。
『ローグワン』の出演は家族のため!?子煩悩な一面も
実はドニー・イェンは『ローグワン』への出演依頼を一度は断ったそうです。それは「5か月も家族と離れてロンドンで撮影をするなんて耐えられなかったから」と語っています。 ですがその後、3人の子供たちに『ローグ・ワン』へ出演するかもしれないと話し、どう思うか尋ねると子供達は大喜びしました。その様子を見てオファーを受けることを決めたそうです。
ついにチャイニーズシアターに手形を刻む!
そんなドニー・イェンですが、現地時間の2016年11月30日、数々のハリウッドスターたちの手形・足型・サインが残されていることで有名なTCL・チャイニーズ・シアターに、その名を連ねることとなりました。 いよいよ本格的に世界的スターの仲間入りを果たしたんですね。
ちなみに、『スター・ウォーズ』シリーズにおいてハリウッド殿堂入りを果たしたのは、今回で7人目になるのだとか。すばらしい快挙を成し遂げられました。
ピアニストとしても活躍!?マルチな才能を発揮
幼少期には新聞社に勤める父親からピアノを習っていたというドニー・イェン。 中国出身でアジア全域で高い人気を誇る歌手ジェイ・チョウのコンサートで、スペシャルゲストとして演奏した経験もあるほどの腕前だそうです。
ドニー・イェン出演映画
『イップ・マン』シリーズにではブルース・リーの師を熱演
「イップ・マン」シリーズはブルース・リーの師範として知られる格闘家、葉問を描いた香港映画。2008年に公開されたシリーズ1作目『イップ・マン 序章』は第28回香港アカデミー賞の11部門で受賞、最優秀作品賞にも輝いた名作です。 1作目のヒットを受け、2010年に第二弾の『イップ・マン 葉問』、2015年に第三弾の『イップ・マン 継承』が製作、公開されています。 本シリーズにドニー・イェンは主人公の葉問役で出演していますが、葉問を演じるに際し相当な努力を行なっています。まずはより本人に近くために10キロの減量を実施。葉問が広めた詠春拳を一から稽古し、別作品の撮影で宿泊していたホテルにも木人樁というトレーニング用の木の人形を持ち込んで稽古を重ねたそうです。
業界人にもファンが多い『イップ・マン』シリーズ
「イップ・マン」シリーズは映画業界内でもファンが多い作品です。 アメリカの映画監督で、ベトナム戦争の現実を描いた1986年の『プラトーン』で知られるオリバー・ストーンもその一人。第四回北京国際映画祭に出席したストーンは、最も好きな映画は『イップ・マン 序章』だと語りました。 また、自身も詠春拳を実績していることで知られる俳優のロバート・ダウニー・Jrは、イェンがロサンゼルスを訪れた際食事に誘っています。残念ながら時間が合わず食事はできなかったそうですが、電話でのやり取りで『イップ・マン』シリーズが好きだとイェンに伝えたそうです。
シリーズ随一の名作!『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱』
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱』は、中国の清朝末期に存在した武術家、黄飛鴻を主人公とした香港映画シリーズの第二作。同シリーズは派手なアクションが人気で全5作まで製作されています。 イェンが出演した第二作はシリーズ中ナンバーワンと言われている作品です。政情が不安定な清王朝にカルト宗教集団「白蓮教」が現れ街を襲います。そこに革命家の孫文も登場し、ストーリーは展開していきます。 イェンが演じたのは清の提督ラン。ジェット・リー演じる黄飛鴻との激しいカンフー戦が見どころです。
猿の動きを観察して臨んだ『モンキー・マジック 孫悟空誕生』
言わずと知れた中国初のファンタジーストーリー、「西遊記」をベースに作られた映画『モンキー・マジック 孫悟空誕生』。2014年の旧正月に、中国国内でファミリー映画として公開されました。公開されるや否や、初日で約20億5000万円もの興行収入を記録。元旦に最も稼いだ映画として伝説になっています。 イェンが演じたは主人公の孫悟空。本物の猿の動きを演技に取り入れるため、イェンは撮影の1年前から動物園に通って猿を観察したそうです。そして、毎回6時間もかかったという特殊メイクを施し、完璧な孫悟空を演じました。
撮影中にイェンがブチ切れ?
本作の撮影中、天界の長である玉帝役として出演していたチョウ・ユンファが、現場でイェンがキレているのを見たと語り、インターネット上でイェンは実は性格が悪いという噂が流れました。 魔界を支配する牛魔王役だったアーロン・クォックも、イェンが激昂しているのを見たとコメントしましたが、しかしそれは彼のアクション監督としての責任感からだと言っています。 実際、イェンは自分のスタッフに対しては激しく怒ることもあったそうですが、俳優に対して理不尽にキレるようなことはなかったそうです。
香港カンフー映画をリスペクトした作品『カンフー・ジャングル』
中国返還後、本大陸の経済成長の影響を受けていった香港映画界。なかでも衰退してしまったアクション映画に対するリスペクトを今一度呼び起こそうと企画されたのが2014年公開の『カンフー・ジャングル』です。 本作でイェンは、試合中に対戦相手を殺害してしまい、服役中の武術の使い手はーハウ・モウを演じています。ハーハウは、所内である拳法の達人が殺害されたというニュースを見て、犯人がカンフーの達人であると直感。事件の捜査を担当するロク警部を呼び出し、事件解決の協力を呼びかけます。 主演を務めただけでなく、イェンは本作のアクション監督も兼任しています。また、彼以外のアクションシーンもトン・ワイやユン・ブンといった香港アクション界におけるベテラン選手がチームを作って担当したそうです。
人気ハチャメチャシリーズの第三弾『トリプルX:再起動』
『トリプルX:再起動』は2017年公開のアクション映画。ヴィン・ディーゼル主演で、派手なアクションやスタントシーンを盛り込んだハチャメチャ感が人気の『トリプルX』シリーズ第3弾です。 ディーゼル演じる主人公のザンダー・ケイジはエクストリームスポーツの専門家。毎回CIAなどから指令をうけ、様々な敵を相手に無理難題を引き受けます。本作で、ザンダーが課されたミッションは、何者かに奪われた全ての人工衛星を操作することができるコントローラー「パンドラの箱」を奪還すること。 イェンが演じたのは「パンドラの箱」を奪った4人組の一人であるジャンという男性。本作のプロデューサーも兼ねているディーゼルは、世界に向けて楽しめる映画にするため、グローバルなキャスティングにしたと語っており、イェンの他にもカナダやインド、タイなど世界各国の俳優を主要キャストに迎えています。 その中でイェンは、香港代表としてカンフーアクションだけでなく、バイクアクションも披露。映画の見所の一つとなっています。