2017年11月4日更新

映画『アメリカン・ビューティー』のあらすじからネタバレまでとことん紹介

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American Beauty

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美しくも儚いアカデミー賞受賞映画『アメリカン・ビューティー』

1999年に公開された映画『アメリカン・ビューティー』。監督には2012年の映画『007 スカイフォール』等で知られるサム・メンデスが起用されました。 映画は現代アメリカ社会が抱える闇を描いたもので、アカデミー賞作品賞を受賞。今回はそんな名作のあらすじからネタバレまでとことん紹介します。

映画『アメリカン・ビューティー』あらすじ【ネタバレ注意】

広告代理店勤めの中年男性レスター・バーナム(ケヴィン・スペイシー)は誰の目から見ても幸せそうな家庭を築いていました。しかし実は妻のキャロライン・バーナム (アネット・ベニング)との関係は冷え切っていて、反抗期を迎えた娘のジェーン・バーナム(ソーラ・バーチ)からは冷たい態度をとられているのでした。 ある日、レスターはキャロラインと共に娘のチアガール姿を見に行きます。そこで彼はジェーンの友人アンジェラ・ヘイズ(ミーナ・スヴァーリ)を見かけます。彼は美しいアンジェラに恋をしてしまいます。そんな中、近所に元海軍大佐のフランク・フィッツ(クリス・クーパー)の家族が引っ越してきました。 フランクは元海軍大佐というだけあり、昔ながらの厳格な男でゲイは大嫌い。そんなフランクの息子リッキー・フィッツ(ウェス・ベントリー)とジェーンは恋におちていきます。実はリッキーはドラッグの売人をしていて、レスターは彼の客となってしまうのです。 ある日帰宅すると、想いを寄せるアンジェラが家に泊まりに来ていました。ジェーンとアンジェラの会話を盗み聞きしていたレスターは、アンジェラがレスターがムキムキなら彼と寝てもいいと言ったのを聞くのです。その後彼は裸になって筋トレに励むことに。そしてその様子をリッキーが撮影していました。 ある日レスターとキャロラインは喧嘩をします。この喧嘩をきっかけに彼の中で何かが変わるのです。リッキーとジェーンは順調に交際を続けます。一方レスターは誰にも相談することなく会社を辞めて自分のやりたいことを始めることに。彼はアンジェラと関係を持つために筋トレにも励んでいました。 ある日フランクが息子のリッキーの後をつけると彼がレスターと一緒にいるところを目撃。彼はリッキーとレスターが性行為を行っていると勘違いし、息子がゲイであると誤解してしまいます。フランクに殴られたリッキーはジェーンと駆け落ちを決意。アンジェラはジェーンを止めますが、逆に彼女を怒らせてしまい深く傷つきます。 傷ついたアンジェラを慰めたレスターは彼女と関係を持つ寸前。しかし処女であることを告白された彼は一気に冷めてしまい、彼女を抱くことはしませんでした。アンジェラからジェーンのことを聞いたレスターは父親としての自覚を取り戻すのです。 彼が家族の写真を見つめていると、突然の銃声。リッキーと関係を持っていると勘違いしたフランクがレスターを射殺したのでした。レスターは幸せそうに微笑みながら息を引き取ります。

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『アメリカン・ビューティー』出演のキャスト

レスター・バーナム/ケヴィン・スペイシー

今作で娘の友人に恋する中年男性レスターを演じるのはケヴィン・スペイシー。彼は1959年7月26日ニュージャージー州出身の俳優です。デビュー作品は1986年の映画『心みだれて』での地下鉄泥棒役。 その後1991年に舞台『ロスト・イン・ヨーカーズ』に出演し、演劇界のアカデミー賞と言われるトニー賞を受賞します。そして1995年の映画『セブン』では、冷酷な殺人鬼ジョン・ドゥを演じ注目を浴びました。さらに1999年に公開された『アメリカン・ビューティー』ではアカデミー賞主演男優賞を受賞するのです。 その後も立て続けに話題作に出演し2006年の映画『スーパーマン リターンズ』ではレックス・ルーサーを演じ、高い評価を得ました。そして現在はネットフリックスの人気ドラマ『ハウス・オブ・カード/野望の階段』のフランク・アンダーウッド役が絶大な支持を得ています。

キャロライン・バーナム/アネット・ベニング

レスターの妻キャロラインを演じたアネット・ベニングは1958年5月29日カンザス州出身の女優。彼女は舞台女優としてキャリアをスタートさせ、1987年にはブロードウェイの舞台に出演したことでトニー賞にノミネートされました。 映画女優に転身した彼女は数々の話題作に出演します。今作『アメリカン・ビューティー』ではアカデミー賞主演女優賞にノミネートされました。 2004年の映画『華麗なる恋の舞台で』では主役のジュリア・ランバートを好演し、再びアカデミー賞主演女優賞にノミネート。惜しくもアカデミー賞受賞とはなりませんでしたが、ゴールデングローブ賞主演女優賞は受賞しています。

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フランク・フィッツ大佐/クリス・クーパー

フランク・フィッツ大佐を演じたのはクリス・クーパー。彼は1951年7月9日生まれのミズーリ州出身の俳優です。彼もまたキャリアのスタートは舞台俳優としてです。映画にも出演するようになってからは徐々に知名度を上げてきます。 彼が注目を浴びた作品は今作『アメリカン・ビューティー』でした。本作出演後も、フランク大佐のような厳格な男や悪役を演じることが多かった彼ですが2002年の映画『アダプテーション』でそんなイメージを取り払います。彼はどこかだらしない男を熱演し、見事アカデミー賞助演男優賞を受賞するのです。 近年では2014年の映画『アメイジング・スパイダーマン2』にノーマン・オズボーン役で出演しています。

アンジェラ・ヘイズ/ミーナ・スヴァーリ

レスターが恋におちる女子高生アンジェラを演じたのはミーナ・スヴァーリ。彼女は1979年2月13日ロードアイランド州出身の女優です。 彼女が一躍注目を浴びることになった作品も『アメリカン・ビューティー』で、今作で英国アカデミー賞助演女優賞に見事ノミネートされました。 他にも1999年から公開された大ヒット青春コメディ映画『アメリカン・パイ』にヘザー役として出演。女優の他にもモデルやファッションデザイナーとしてマルチに活躍しています。

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タイトル『アメリカン・ビューティー』に隠された秘密とは?

映画タイトルにもなっている「アメリカン・ビューティー」とはバラの種類の名前です。映画内ではキャロラインがアメリカン・ビューティーを花瓶にさしていました。この花は大変美しい花なのですが、目に見えない根っこから腐敗させていく傾向がある花でもあります。 レスターの家族、フランクの家族はアメリカン・ビューティーのように一見すると郊外に家を持つ幸せな家族です。しかしよく見てみるとそれぞれのメンバーが家族をばらばらにするほどの悩みを持っていました。 映画は見た目だけが美しいが、根っこには闇を抱えているという家族が崩壊していく様子を描いています。タイトルはレスター家だけではなく、アメリカの多くの家族の真実の姿を暴いているのでした。

よく見てみると微妙に変化している女優たち!?

今作で監督を務めたサム・メンデスは撮影が進んでいる中、メインの少女2人の容姿を少しずつ変えていくことにしました。 ジェーン・バーナムを演じたソーラ・バーチには化粧をあまり行わないようにし、逆にアンジェラを演じたミーナ・スヴァーリには厚化粧を行うことにしたのです。 これは彼女らの変化を強調するために行われました。

“あの”シーンのリアクションは本物!?

劇中の印象に残るシーンと言えばレスター家がディナーをとっている際にレスターがアスパラガスが盛られたお皿を壁に投げつけるところでしょう。 仕事を辞めたことをキャロラインに伝えた彼ですが、彼女と口論になります。今までの不満が爆発したレスターの怒りは頂点に達しアスパラガスを壁に投げつけるという流れでした。 実は彼はアスパラガスを床に投げる予定だったのです。しかし彼を演じたケヴィン・スペイシーがアドリブで壁に投げつけていました。 もちろんその場にいた誰もが心の底から驚いたのは言うまでもありません。キャロラインとジェーンの固まったようなリアクションは本当に驚いたからだったのです。

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『アメリカン・ビューティー』のCiatrユーザーの感想・評価を紹介!【ネタバレ注意】

真っ赤なバラが印象的

dtanbe 登場人物がみんな少しイッちゃってるんだけど随所で抜けててクスッとする感じかな、でもと思ったらシリアス目だったり、妄想のシーンなんかは何故か真っ赤なバラが出てくるんだけど、その演出がシンボリックだったね。 ケビンスペイシーはハウスオブカードの印象が強かったから、若いなーと思った、一時期はハウスオブカードばかりみてたからね。

普通であることの難しさが問われる

southpumpkin 型にはめられたアメリカの一般家庭が内部分裂するお話。普通であることの難しさや普通であることの必要性などを問われます。主人公家族は不干渉による家庭崩壊、隣の家族は過干渉による家庭崩壊をします。まるでアメリカが抱える問題のすべてのしわ寄せが中流家庭にいっているということでしょうか。バラという象徴もなかなか印象的でした。 『007 スカイフォール』でシリーズに革命を起こしたサム・メンデス監督作品です。抽象化されたかのような映像美はとても印象的でした。あの綺麗な映像がなければ本作は単なるブラックコメディになっていたと思います。このバランス感覚が傑作と言われる所以なのでしょう。

アメリカ社会の闇をコミカルに描いた作品

Yukinaga_Furui 第72回アカデミー賞受賞作品。 最初に伝えときます。後味悪い作品です!!汗 平凡な核家族が崩壊する過程で、現代アメリカ社会の抱える闇を時にコミカルに描き出すというストーリー。 同性愛、マリファナ、夫婦関係、ありとあらゆる事をテーマに考えさせられる作品です!! 衝撃のラストでした!!汗