2017年7月6日更新

暴力シーンの合間にほのぼのゲーム!?個性派共演『凶悪』撮影秘話

2013年9月21日公開の社会派サスペンス映画『凶悪』。原作はノンフィクションベストセラー小説『凶悪 -ある死刑囚の告発-』(新潮文庫)で、実在の殺人事件の真相を暴く衝撃的な内容が話題を集めています。ここでは異色キャストが集まった撮影の舞台裏を紹介します。

映画『凶悪』とは?

スクープ雑誌社の元に死刑囚から届いた一通の手紙から雑誌記者が闇に埋もれていた殺人事件を暴き出し首謀者逮捕に至るまでを描いた社会派サスペンスで、原作は実際に起きた殺人事件をベースにしています。メガホンを取ったのは若松孝二監督の弟子・白石和彌監督、キャストには事件を告白する死刑囚をピエール瀧、“先生”と呼ばれる事件の首謀者をリリー・フランキー、事件の真相を追う雑誌記者を山田孝之という異色の面々が揃い、注目を集めています。

ピエール瀧、出演を迷う

実在の事件のため、ピエール瀧は出演を迷っていたそう。同じくリリー・フランキーにも迷いはあったものの、出演の決め手はやはり台本の面白さでした。瀧が電話で迷っているとリリーに伝えると、「いいじゃない、やろうよ」と。ふたりの“共犯関係”はここから始まった!?

事件の深みにはまっていく雑誌記者、山田孝之の役作りとは

山田孝之が演じた雑誌記者・藤井は、「死刑囚なんて会いたくもない」というところから始まり、事件を追ううちに当事者以上に事件に執着していく、ある意味で異常な感情の動きをします。山田は台本の中で藤井の気持ちが大きく変化している箇所に線を引いていったところ最終的に全部で11段階になったようで、台本にそんな風に線を引いたのは初めてだったそうです。

“先生”ことリリー・フランキー、「どうぶつの森」を楽しむ

首謀者として事件を動かす“先生”木村を演じたリリー・フランキー。実行犯である須藤の凶悪さが目立つ一方で、“先生”の苛烈さの描写も凄まじい。大笑いしながら暴力を加えるシーンは、初めから決めていたわけではなく、自然と楽しくなってしまって出来たとのこと。そんな殺伐とした現場でリリーと瀧がハマっていたのは、ほのぼのゲーム『どうぶつの森』。山田は『どうぶつの森』には参加できませんでしたが、瀧が『モンハン』を買わせることに成功したそうです。

監督が一番凶悪!?

『凶悪』は、社会派監督として知られる故若松孝二監督に長年にわたって師事し、その遺志を受け継いだ白石和彌監督の作品。表現の規制も厳しくなり、この度の『凶悪』のような社会の裏をのぞかせる作品は昨今あまり多くはありません。作品へのアプローチも生半可な覚悟ではできませんが、監督はどんなに残酷なシーンでも手ごたえのある映像が撮れれば満足そうな笑みを浮かべていたとか。