福山雅治とジョン・ウーが強力タッグ!映画『追補 MANHUNT』
西村寿行による長編小説『君よ憤怒の河を渉れ』の2度目の映画化作品が『追補 MANHUNT』です。1度目は高倉健主演による1976年の作品。今回は香港・中国の合作映画として、日本円に換算して約44億円の巨費を投じて制作されました。 監督を務めたのは、『男たちの挽歌』『レッドクリフ』など世界的に活躍する名匠のジョン・ウー。そして日本から福山雅治、中国からチャン・ハンユーがW主演で主要キャストを演じる他、日中韓の人気スターや制作スタッフが顔を揃える国際色豊かな作品です。 2016年の初夏から秋にかけて大阪や九州を中心にオール日本ロケを敢行。公開はいよいよ2018年に決定しました。ここでは、あらすじやキャストなど、明らかになった作品情報をまとめてみます。
映画『追補 MANHUNT』のあらすじは?
誠実で正義感に溢れた国際弁護士の杜秋(ドゥー・チウ)が、弁護を担当していた製薬会社のパーティーに出席した後、突然何者かの策略で罠にはめられ、女性殺害の容疑をかけられてしまいます。 無実を証明しようと警察から逃走した杜秋を追跡するのが刑事の矢村聡。 ところが、矢村は捜査を続けるうち、殺人容疑の状況証拠に疑問を抱き始め、杜秋が本当に罠にかけられていることを悟るのでした。 やがて2人は協力して真相追及に乗り出すことに……。そしてついに、ある事件を裏で隠蔽しようと画策していた製薬会社の闇の存在に気づくのです。
W主演で主人公の2人を演じる福山雅治とチャン・ハンユー
矢村聡/福山雅治
杜秋とともに真相追及することになる敏腕警部の矢村聡を演じるのは福山雅治です。ジョン・ウー監督とは一度アサヒスーパードライのCMで共演したことがあり、矢村の人間味を強調するため福山のキャスティングをウー監督自身が熱望したようです。 歌手としても俳優としても押しも押されもしない大スターの福山雅治は、日本のみならず中華圏でも絶大なる人気を誇ります。 事実、俳優としては2013年、是枝裕和監督による『そして父になる』に主演し、第66回カンヌ国際映画祭審査員賞など国際的にも高い評価を受けました。本作に先駆け、2017年9月には再び是枝監督と組んだ映画『三度目の殺人』が公開予定です。役所広司や広瀬すずらと共演する法廷サスペンスもので、福山は主人公の弁護士・重盛を演じています。
杜秋/チャン・ハンユー
無実の罪をきせられる国際弁護士の杜秋を演じるのは中国の人気俳優であるチャン・ハンユーです。ジョン・ウーは、杜秋の剛毅なイメージにぴったりの役者だと語っています。 チャン・ハンユー(張涵予)は、1964年12月19日生まれで北京市出身。当初は声優として吹き替えなどを中心に活動していましたが、90年代終わりから、俳優として映画やドラマに出演するようになります。 とは言っても、しばらくはほとんど無名だったチャン・ハンユーとって大きな飛躍となったのが、2007年の大作映画『戦場のレクイエム』で主人公に抜擢されたことです。中国国内における映画の大ヒットと共に、一躍人気俳優の仲間入りを果たしました。2016年にはマット・デイモン主演の大作『グレートウォール』にも出演しています。
国際色豊かなその他のキャスト
美人女性殺し屋の役柄で登場するのは韓国の人気女優であるハ・ジウォンです。日本でも連続ドラマ『ファン・ジニ』や『シークレット・ガーデン』のヒロイン役、映画『私の愛、私のそばに』のイ・ジス役などで、多くのファンを抱えています。 また、杜秋の前に現れる謎の美女・真由美役には、中国のトップスターであるチーウェイ(戚薇)が扮しています。歌手としても活躍しており、2014年には韓国のアイドルグループTAKEのメンバーだったイ・スンヒョンと結婚し話題になりました。 その他、日本からのキャストとして、國村隼、桜庭ななみ、池内博之、竹中直人、TAO、倉田保昭らが名を連ねています。
世界的名匠として活躍するジョン・ウー監督
本作の監督を務めるジョン・ウーは、1946年5月1日生まれの広州市出身です。1973年、香港の映画会社ゴールデン・ハーベストに移ってからは、「香港ノワール」とも呼ばれる数々の傑作アクション映画を生み出しました。 とりわけ、1986年に監督した『男たちの挽歌』に始まる一連のシリーズは大ヒットを記録し、その手腕が認められてハリウッドに進出します。1993年の映画『ハード・ターゲット』でデビュー後は、拠点をアメリカに置きました。
超大作『レッドクリフ』で久しぶりにアジアに帰還!
ハリウッドでは、ジョン・トラボルタとニコラス・ケージ主演の『フェイス/オフ』や大ヒット映画の続編『ミッション:インポッシブル2』など大作を次々と手掛けます。 2008年には久しぶりにアジアに戻り、中国映画過去最高の製作費と話題になった超大作『レッドクリフ』の監督を務め上げました。 三国志を題材にした一大巨編であり、2008年に前編『レッドクリフ Part I』が、翌年に後編『レッドクリフ Part II -未来への最終決戦-』が2部作で公開されました。
原作は高倉健主演で1976年に一度映画化され、中国で大ヒット!
映画『追補 MANHUNT』の原作は、西村寿行による長編小説『君よ憤怒の河を渉れ』です。1976年には高倉健主演・佐藤純彌監督で一度映画化されており、とりわけ1979年に公開された中国では大ヒットを記録しました。 高倉健が演じたのは無実の罪を背負う杜丘検事、矢村警部には原田芳雄、真由美役には中野良子が扮しています。中国では本作と同じく『追補』のタイトルで公開され、高倉や中野の人気とともに一大ブームを巻き起こします。 ジョン・ウーも例外ではなく、高倉健、また映画『君よ憤怒の河を渉れ』の大ファンだったようで、一緒に仕事をするのが叶わなくなった今、本作のオファーを喜んで受けたと語っています。
映画『追補 MANHUNT』の公開は2018年!
撮影は、2016年6月に大阪でクランクインしたあと、11月にクランクアップしました。 中国における公開日は2018年2月16日に決定。日本での公開日は未定です。 また、『追補 MANHUNT』というのは原題であり、日本でもそのままのタイトルで公開されるのか、あるいは新たな邦題がつけられるのかも明らかになっていません。 ジョン・ウーと福山雅治の強力タッグでどんな作品に仕上がっているのか、期待しつつ続報を待ちましょう。