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テリー・ギリアムの新作ドン・キホーテ映画、訴えられる。裁判所の判決は?

2018年5月11日更新

テリー・ギリアム監督の新作映画『The Man Who Killed Don Quixote(ドン・キホーテを殺した男)』は2018年度のカンヌ国際映画祭で上映される予定でしたが、あるプロデューサーから上映中止を求められ、裁判に。一体何があったのでしょうか?

テリー・ギリアムの新作映画『The Man Who Killed Don Quixote』をめぐる訴訟問題とは?

テリー・ギリアム
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『未来世紀ブラジル』や『Dr.パルナサスの鏡』などで知られる鬼才・テリー・ギリアム監督の最新作『The Man Who Killed Don Quixote』が完成し、2018年のカンヌ国際映画祭の閉幕作品としての上映が決定していました。しかし、土壇場になって突如、ひとりのプロデューサーが上映中止を主張。裁判にまで発展することに。 一体このプロデューサーの主張とはどのようなものだったのか、『The Man Who Killed Don Quixote』とはどのような映画なのか。そして、気になる裁判の行方は?そこには、壮絶なドラマが秘められていました。

映画『The Man Who Killed Don Quixote』とは?

映画『The Man Who Killed Don Quixote(ドン・キホーテを殺した男)』はその名前の通り、スペインの文学者・ミゲル・デ・セルバンテスが17世紀に著した小説『ドン・キホーテ』をモチーフに制作された映画です。 テリー・ギリアム監督は長年に渡ってこの企画に強い関心を抱き続けており、1998年にプロジェクトを始動。2000年の9月にジョニー・デップとジャン・ロシュフォールを主演に迎え、スペインで撮影が開始されました。

しかし、撮影期間中にロケ地を鉄砲水が襲ったり、ドン・キホーテ役のジャン・ロシュフォールが椎間板ヘルニアになって降板してしまうなどの不運が重なり、同年11月に制作が中止に。この制作中止に至る過程は『ロスト・イン・ラ・マンチャ』というドキュメンタリー映画にまとめられています。 その後、ギリアム監督は17年の間に実に8度も映画化に挑戦し、その度に失敗。しかし、それでも執念で制作を続け、今回とうとう完成にこぎつけたのです!

今回起こった訴訟問題とは?

しかし、2018年度のカンヌ国際映画祭での上映を目前に控えて、ポルトガルのプロデューサー・パウロ・ブランコが本作に対して突然、不服を訴えました。 実はブランコは、以前ギリアムが同作を再撮影した時にプロデューサーだった人物。彼は、この映画の権利は未だに自分の会社にあり、今回完成した映画は権利を侵害していて違法だ、と主張したのです。 本作の製作陣はこの主張を「バカげたもの」として相手にしないつもりでしたが、結局裁判にまで持ち込まれることになったのです。

裁判の結果は?

裁判はフランス・パリの裁判所で行われることに。判決は2018年6月15日に下されることになり、そのため、5月中に行われるカンヌ国際映画祭での上映は絶望視されました。 しかし、当初の予定より早い5月9日に判決が言い渡されました。その内容は、この映画の上映を認めるというもの。ブランコの主張は退けられ、ギリアム側の勝利に終わったのです。 ギリアム監督は過度のストレスのためか、軽度の心臓発作に見舞われたそうですが、「数日の休息と神への祈りのおかげで」奇跡的に回復。5月19日のカンヌでの上映に出席する意向も述べました。 度重なる不運に見舞われ、19年の時間をかけたものの、ギリアムの執念で完成された『The Man Who Killed Don Quixote』。本作の日本公開はまだまだ未定ですが、ぜひスクリーンで見てみたいものですね!