2018年5月14日更新

恋人たちの破局・離婚を描いた映画8選【ネタバレ注意】

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出会いがあれば別れもある……

恋人との日々や結婚生活はうまくいっていれば幸せです。しかし全てが順調にはなかなかいかないもの。誰もが愛しい人との別れを1度は経験したことがあるでしょう。 そんな恋人同士の別れや破局を描いた作品達を紹介します。本文中には作品の結末についての記載もありますので、注意してくださいね!

夫婦の結婚から破局までをリアルに描く『ブルーバレンタイン』(2011年)

『ブルーバレンタイン』ライアン・ゴズリング、ミシェル・ウィリアムズ
©︎ OPTIMUM RELEASING/zetaimage

監督であるデレク・シアンフランスの実体験に基づいた、リアルな夫婦の描写が話題となった作品です。 本作で描かれるのは結婚7年目で一人娘もいるディーンとシンディの夫婦。2人の関係は、お互いに不満を募らせておりうまく言っていない状態です。それでも、出会った当初は深く愛しあっていました。劇中ではそんな幸せだった頃の描写と、現在の壊れかけた関係の2人の様子が交互に展開されていきます。 夫ディーンを演じたのは、『ラ・ラ・ランド』でジャズピアニスト役を見事に演じたライアン・ゴズリング。妻シンディは『グレイテスト・ショーマン』で主人公の妻チャリティを演じたミシェル・ウィリアムズが演じています。 ラストシーンで夫婦は破局を迎えますが、その後に幸せだった結婚式の様子が映し出されます。その落差に思わず胸が締め付けられ、トラウマ映画になってしまう人もいるようです……カップルや夫婦での鑑賞はあまりオススメできないかもしれません。

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失恋した女性の新しい旅立ち『マイ・ブルーベリー・ナイツ』(2008年)

『マイ・ブルーベリー・ナイツ』ナタリー・ポートマン
© THE WEINSTEIN COMPANY/zetaimage

『恋する惑星』や『ブエノスアイレス』で香港映画のイメージを一新したウォン・カーウァイ監督の初の英語映画。主演がグラミー賞受賞歌手のノラ・ジョーンズということも話題になった作品です。 ジョーンズ演じるエリザベスは、彼氏の心変わりにより失恋してしまいます。彼女の心を慰めるのは、向かいのカフェで毎晩売れ残っているブルーベリーパイ。売れ残りのパイに自分を重ね、どうして自分ではダメだったのかとエリザベスは自問自答します。 そんな彼女に対し、ジュード・ロウ演じるカフェオーナーのジェレミーは売れ残ったのは“ただ選ばれなかっただけ”だと言います。エリザベスは別れの原因が自分にあると思っていますが、そうではなくただ運命の選択肢から外れただけなのです。 エリザベスは自分を癒すために旅にでます。そして帰ってきた時、再びジェレミーの待つカフェへ足を運ぶのです。失恋から始まるストーリーですが、新しい恋を見つけられるそうな前向きな気持ちになれる作品です。

葬式をきっかけにした出会いと別れ『永遠の僕たち』(2011年)

映画だけでなく、ミュージックビデオの制作や小説の執筆など幅広く活躍するガス・ヴァン・サント監督のファンタジー映画です。 主人公イーノックは赤の他人の葬式に参列するという、不思議な趣味を持っていました。しかも、第2次世界大戦で戦死した日本の特攻兵の幽霊ヒロシだけが唯一の友達という相当な変わりもの。ある日も他人の葬儀に参列したことがきっかけで、アナベルという少女と出会います。 2人は恋人同士となりますが、アナベルの体はガンに侵されていました。余命いくばくもない彼女はイーノックに自分の葬儀を計画したいと語ります。そして迎えたアナベル最後の日、彼女は正装したヒロシ迎えられ旅立つのでした。 イーノック役は俳優デニス・ホッパーの息子ヘンリー・ホッパーが、アナベル役はティム・バートン監督の『アリス・イン・ワンダーランド』でアリス役を演じたミア・ワシコウスカが演じています。幽霊のヒロシ役に加瀬亮がキャスティングされたことも話題になりました。 アメリカ映画に特攻兵の幽霊というキャラクターは意外な感じがします。しかし特攻兵として命を落としたヒロシもまた、愛する人たちとの別れを経験しています。だからこそ、恋人と死別してしまう少年のパートナーとして、特攻兵という設定が選ばれたのかもしれませんね。

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息子の親権を巡って裁判沙汰に『クレイマー、クレイマー』(1980年)

『クレイマー、クレイマー』ダスティン・ホフマン、ジャスティン・ヘンリー
© COLUMBIA/zetaimage

主演はダスティン・ホフマン、その妻役にメリル・ストリープと名優コンビが出演する1980年日本公開の作品です。離婚がテーマの映画といったらこれ!という人も多いのではないでしょうか。 主人公はテッドとジョアンナのクレイマー夫妻。2人の間には5歳の息子ビリーがいますが、夫のテッドは家事育児の全てを妻ジョアンナに押し付けていました。ジョアンナは自分も仕事をしたいと夫に相談しますが、テッドは聞く耳を持ちません。 怒ったジョアンナはテッドが仕事中に家出してしまいます。息子と2人きりの暮らしに、改めて家事と子育ての大変さを知るテッド。そして1年半が過ぎ、ジョアンナとは離婚が成立していました。しかし、手に職をつけてキャリアウーマンとなった彼女がビリーの養育権を取り戻そうと裁判を申し立てたのです。そしてクレイマー対クレイマーの裁判が始まるのでした……。 子はかすがい、と言いますが本作ではその子供がきっかけで争いが生じてしまいます。しかし息子の幸せを思った時、別れてはしまいますが夫婦はお互いを尊重する気持ちは取り戻すのです。やはり、子はかすがいということなのでしょう。

運命を信じる男と信じない女『(500日)のサマー』(2010年)

500日のサマー
©︎Fox Searchlight/Photofest/zetaimage

ミュージックビデオを多く手がけたマーク・ウェブ監督の初の長編映画です。経歴を生かしたテンポの良い演出が評価され、ゴールデングローブ賞作品賞をはじめ多数の映画賞を受賞しています。 主人公トム役には子役からスタートし、『G.I.ジョー』などで知られるジョゼフ・ゴードン=レヴィット。彼を振り回す小悪魔的なヒロインのサマー役を、歌手としても活躍するズーイー・デシャネルが演じています。 主人公トムは地味で冴えない青年でした。ロマンティックな恋に憧れながらも出会いがなかった彼ですが、ある日彼の職場に新しく秘書としてやってきたサマーに一目惚れしてしまいます。ロックバンド、ザ・スミスが好きという共通点をきっかけに、関係を深くしていくトムとサマー。 運命の恋を主張するトムに対し、サマーは運命など信じないと言い真剣な交際を拒否します。しかもサマーは最後にあっさりトムを捨て、他の男性と結婚してしまいます。その理由は信じていなかった運命をその男性には感じたというトムにとっては痛烈なもの……。 意外と恋愛に幻想を抱いているのは、男性が多いのかもしれません。思わずトムに対して、強く生きろ!と励ましたくなってしまいます。

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幸せの為に離婚が必要⁉『バツイチは恋のはじまり』(2014年)

自ら進んで、破局や離婚したいという人はいませんよね。しかし本作のヒロイン、イザベルはある理由から離婚をするためにあれよこれよと手を尽くします。 その理由とは彼女の家に代々伝わるジンクスです。最初の結婚はかならず失敗する、という恐ろしいジンクスを前に、イザベルは恋人ピエールとの結婚に踏み切れずにいました。そして、ピエールと幸せな結婚をするために、他の人と1度結婚して即離婚しようというとんでもない計画を思いつくのです。 イザベル役を演じたのはドイツを代表する女優ダイアン・クルーガー。イザベルが1度目の結婚相手に選んだちょっとイケてないダメ男ジャン=イヴは、フランスでコメディアンとして人気のダニー・ブーンが演じました。 ケニアやモスクワなど世界各国を舞台に、結婚、そして離婚しようと奮闘するイザベル。離婚というテーマを扱いながら、それをコミカルに描いています。

死別を定められた運命『わたしを離さないで』(2011年)

2017年ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロ原作のSF作品です。日本でも舞台化やテレビドラマ化等されていますが、2010年マーク・ロマネク監督によりイギリスで映画版が制作されました。 キャシー、ルース、トミーの3人は幼い頃からヘールシャムという寄宿学校で一緒に暮らしていました。そこでは“保護官”と呼ばれる先生が授業を行い、なぜか頻繁に健康診断が行われています。実は彼らはみんなある人物のクローンで、本体が病気になった時の臓器提供者となる存在でした。 学校を卒業した3人はコテージと呼ばれる場所で共同生活を始めます。やがてルースとトミーは恋仲になりキャシーは孤立してしまいます。提供手術を3回ほど繰り返すと、提供者の命は終わり“終了”となります。そのうちルースは“終了”し、その際キャシーとトミーが一緒になり、真実の恋をしているものだけに与えられる“提供猶予”を受けて欲しいと言い残します。 しかし“提供猶予”は噂に過ぎず、トミーも提供したことで“終了”を迎えます。1人残されたキャシーもまた、提供手術を控えているのでした。 クローンだって恋をし、別れを経験した時は悲しみます。命の重さに違いがあるのか、そんなことを考えさせられる作品です。

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死んだ恋人が蘇ったけど⁉︎『ライフ・アフター・ベス』(2015年)

『ライフ・アフター・ベス』
(c)A24/Photofest/zetaimage

もし恋人と死別してしまったら、とてつもない悲しみに襲われますね。しかしそんな恋人がゾンビとなって帰ってきたらどうでしょう……? 主人公ザックは、彼女ベスから別れ話を持ちかけられていました。しかもその後ベスは毒ヘビに噛まれ、急逝してしまいます。落胆するザックですが、彼女の家に行くとなぜかベスの姿が……なんと彼女は蘇り、墓から戻ってきていたのです。 死んだはずの恋人の復活にザックは大喜び。彼女をあちこち連れまわしますが、ベスはだんだんと人間らしさを失っていきます。性欲が増すだけならいいものの、記憶が混濁していき、ついには人間を食べ始め完全なるゾンビに。ザックも幼馴染みのエリカの方に心が揺れていきます。 ザック役は『アメイジング・スパイダーマン2』で主人公ピーターの親友ハリーを演じたデイン・ハーンです。ベス役のオーブリー・プラザはコメディアンでもあるので、だんだんと理性を失っていく役柄を見事に熱演しています。 本作でザックは結局自分でベスを銃で撃って別れを遂げ、生者であるエリカを選びます。ゾンビになっても愛しい恋人と、生きている女性。あなただったらどちらを選びますか?

別れは人を強くする!

なるべく経験したくはない恋人との別れですが、どうしても避けられない瞬間はやってきます。 今回紹介した映画で描かれる別れの原因は様々です。いつか来るべき時に備えて予習するもよし、自分の経験に重ね合わせて浸るもよしです。後者の場合、傷口をえぐり過ぎないようにお気をつけください……。