2023年3月1日更新

『最高の離婚』あらすじ・キャスト相関図!ドラマ好きに刺さる魅力をネタバレ解説

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2013年にフジテレビ系で放送されたドラマ『最高の離婚』。2組のアラサーカップルを通して家族のあり方や結婚観をコメディタッチで描き話題となった作品です。人気を受けスペシャルドラマも放送されました。 2年前に結婚した濱崎光生と結夏は、性格の違いから噛み合わない結婚生活を送っています。そんな頃、光生は元彼女の上原灯里と偶然再会し、灯里の夫・諒とも交流するようになり、複雑な人間模様が繰り広げられ……というのが連続ドラマのあらすじ。 結婚生活においての「あるある」ネタに共感の声が盛り上がった『最高の離婚』。そのキャスト情報やなぜ面白かったのかという魅力を紐解いていきます。

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『最高の離婚』の相関図

『最高の離婚』 相関図

濱崎光生役/永山瑛太

瑛太

自動販売機設置会社に勤める濱崎光生。妻の結夏とは、ほぼ成り行きで結婚しました。大雑把な結夏に不満を感じながらも結婚生活を送っています。 人付き合いが苦手で、名字を「はまざき」と読み間違えられる度に「はまさき」と訂正するという、理屈っぽくて神経質な性格。かなりめんどくさそうな男です。 そんな濱崎光生を演じたのは、東京都出身(出生は新潟)、1982年12月13日生まれの永山瑛太(旧芸名:瑛太)でした。 モデル活動を経て、俳優の道へ。ドラマ『WATER BOYS』(2001年)で頭脳派の生徒会長を演じ注目され、以降も多くの話題作に出演し演技を磨きます。今作では神経質な変わり者の夫になりきり高い評価を受け、「ザテレビジョンドラマアカデミー賞 主演男優賞」ほか複数の賞を受賞しました。 また現在放送中のドラマ『リコカツ』でも離婚をテーマにしたドラマに出演、北川景子とW主演を飾っています。

濱崎結夏役/尾野真千子

光生の実家のクリーニング店を継いでいる結夏。よく言えばおおらかですが、夫の光生からすれば大雑把でがさつです。離婚届は、結夏が半ば強引に提出しました。 濱崎結夏を務めたのは、奈良県出身、1981年11月4日生まれの尾野真千子(おの まちこ)です。中学3年の時、地元で河瀬直美監督にスカウトされ『萌の朱雀』で主演デビュー。 高校卒業を機に本格的に女優業をスタートさせます。不遇の時代を経て、映画『クライマーズ・ハイ』玉置千鶴子役で広く認知され、NHK『カーネーション』では主役・小原糸子役を痛快に演じ、誰もが認める実力派女優となりました。 『最高の離婚』でもそのダイナミックで高い演技力が評価され、「放送文化基金賞 演技賞」に輝いています。

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上原灯里役/真木よう子

真木よう子
©︎ciatr

アロママッサージ店を経営する上原灯里。光生の元彼女であり、腰を痛めた光生が灯里の店を訪れ再会しました。デリカシーのない発言をする光生とは、最悪の思い出があるようです。 そんな上原灯里は、千葉県出身、1982年10月15日生まれの真木よう子(まき ようこ)が務めました。2001年からドラマや映画に出演。映画『ベロニカは死ぬことにした』では大胆な濡れ場に挑戦し、抜群のスタイルを披露しています。 ドラマ『SP』ではクールなアクションを見せ、重い過去を背負うヒロインを見事に演じ切った映画『さよなら渓谷』では、国内の主演女優賞を総なめにしました。 『最高の離婚』での灯里は青森県出身という設定であり、感情的に自分の気持ちをぶつける際に思わず方言になってしまうシーンが印象的です。 現在放送中のドラマ『ネメシス』にも20年前の事件の鍵を握る姉妹として1人2役で出演しており、演技力の高さを見せつけています。

上原諒役/綾野剛

綾野剛

美術大学で講師をしている灯里の夫・上原諒は、飄々としたモテ男です。口紅の付いた洗濯物を、こっそり結夏のクリーニング店に持って行っているのだとか。 どこか憎めない上原諒を務めたのは、岐阜県出身で1982年1月26日生まれの綾野剛(あやの ごう)です。俳優デビューは『仮面ライダー555』でした。 多くのドラマや映画に出演し俳優としてのキャリアを重ね、NHK『カーネーション』で尾野真千子と共演した頃から一気に知名度を上げます。『最高の離婚』での諒役は見事な人たらしぶりで、人付き合いの苦手な光生との対比も物語のよいアクセントとなりました。 現在放送中のドラマ『恋はDeepに』では石原さとみとW主演を飾っており、『最高の離婚』とは正反対なファンタジックなラブコメを盛り上げています。

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【キャスト】その他の登場人物

濱崎亜衣子役/八千草薫

濱崎亜衣子(はまさき あいこ)は光生の祖母で、彼の良き理解者です。以前は夫のクリーニング店を手伝っていましたが、現在は孫夫婦と一緒に「金魚CAFE」を営んでいます。プロレス好きなチャーミングなおばあちゃんです。 彼女を演じたのは、宝塚歌劇団出身の八千草薫。彼女は本作出演後も『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(2016年)や「やすらぎの郷」シリーズなどで活躍しましたが、2019年10月、88歳で惜しまれつつもこの世を去りました。

海野菜那役/芹那

光生が通う小牧歯科医院の歯科衛生士・海野菜那は、治療のたびに夫婦関係の愚痴をこぼす光生に対して、愚痴を聞き流しながらも次第に興味を抱くように。そして現代っ子らしく積極的にアプローチしていきます。 菜那を演じた芹那は本作以降、ドラマ『天魔さんがゆく』(2013年)や映画『アズミ・ハルコは行方不明』(2016年)などに出演しています。

初島淳之介役/窪田正孝

窪田正孝(金木研役/東京喰種)
©️ciatr

合コンで結夏の隣りに座った初島淳之介は、商業施設で清掃員のアルバイトをしている男性です。静岡県富士川出身で、結夏と出身地が近いことがわかり意気投合します。 そんな彼を演じたのは、本作以降さまざまなドラマ・映画で活躍している窪田正孝。映画「東京喰種」シリーズや、2020年のNHK朝ドラ『エール』への主演をはじめ、多くの作品に出演しています。

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瀬田智世役/市川美和子

市川美和子

瀬田智世(せた ともよ)の旧姓は「濱崎」。光生の姉です。夫ともに祖母が営む「金魚CAFE」をもり立てています。 智世を演じた市川実和子は本作出演後も活躍をつづけ、映画『まほろ駅前狂騒曲』(2014年)や『溺れるナイフ』(2016年)などに出演。2021年6月公開予定の映画『青葉家のテーブル』にも出演しています。

【脚本】坂元裕二による安定の面白さ

『最高の離婚』を語る上で、脚本の面白さは外せません。担当したのは坂元裕二で、オリジナルの書き下ろし作品です。 坂元裕二(さかもと ゆうじ)は、大阪府出身、1967年5月12日生まれ。19歳にして「フジテレビヤングシナリオ大賞」受賞し脚本家としてデビューしました。 その後手掛けた作品には、トレンディドラマの王道『東京ラブストーリー』や社会派の『Mother』、重厚なテーマの『それでも、生きてゆく』など、それぞれ異なる趣のヒット作が並びます。 人と人とのつながりを心に響くセリフとともに描き出す坂元の脚本は高く評価され、多くの受賞歴があり、『最高の離婚』も「ザテレビジョンドラマアカデミー賞脚本賞」を受賞しています。 現在放送中のドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』も秀逸なストーリーが多くの共感を呼び大反響です。

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【名言】心に刺さるセリフの数々

『最高の離婚』では、共感できるセリフ、深いセリフ、感心する例えなど、心に刺さる名セリフがたくさん登場し、視聴者の心を捕えました。いくつかピックアップしてみましょう。

深いおばあちゃんの言葉

「結婚すると女は男のダメな所を許し始め、男は女のダメな所を探し始める」 「缶詰が発明されたのは1810年、缶切りが発明されたのが1858年。おかしいけれど、そういうこともある。大事なものが、あとからおくれてくることもある。愛情だって、生活だって」 濱崎夫婦のよき理解者である光生(瑛太)の祖母(八千草薫)のあたたかいセリフです。

大縄跳び

周りにうまく溶け込めない自分を、光生(瑛太)は「大縄跳びにうまく入れない」と表現しました。

全国の主婦喝采

「外食したらお金払うでしょ、家で食べたら「ありがとうおいしかった」って言う、それがお金なの。言わなかったら食い逃げ」 夫婦喧嘩のシーンで結夏(尾野真千子)が光生(瑛太)に放ったセリフです。全国の妻の気持ちを代弁した拍手喝采の名言でした。

【副題】秀逸なサブタイトルにも注目

第1話 「つらい。結婚って、長い長い拷問ですよ」
第2話 「あなたなんて死ねばいいのに」
第3話 「もう一つの夫婦の秘密と真実」
第4話 「いい加減に認めたら!?私はずっと前から気づいているよ!?あなたは私のことなんて好きじゃないの!あなたが好きなのは自分だけなの!」
第5話 「いや別にね、浮気ダメ絶対とか言いませんよ。男ならみんなそういう気持ちどこかにあるでしょう。僕だって、出来るもんなら浮気したい!」
第6話 「男が子供だから女はこうなるの。妻って結局、鬼嫁になるか泣く嫁になるかの二択しかないのよ。馬鹿馬鹿しい。夫婦なんて茶番だよ」
第7話 「お別れするのは自分で決めた事だけど少し寂しい気もします。でもまたあなたをこっそりみたくなった時は、あなたにちょっと話しかけたくなった時は…」
第8話 「街に出て、たまたま出会った人に自分から声かけて、誰でもいいから抱かれたいって、そういう人になっちゃうんじゃないかって…いいじゃない、一回寝てみよ?」
第9話 「離婚は最悪の結果じゃないと思います。何も愛情がないのに期待もしてないのに一緒にいるのが一番不幸ですよね。今度は最高の結婚をしてください。」
第10話 「あなたがその子の父親になればいいんじゃない!?それが、一番丸く収まるんじゃないかな!?責任っていうかさ、面倒見てあげるべきじゃないの?」
第11話 (最終話) 「正直つらいです。結婚って、拷問だと思っていましたが、違いました。結婚は、食物連鎖です。黙って食べられるのを待つだけ。あーつらい。四倍つらい」

『最高の離婚』の魅力のひとつに、センス溢れるサブタイトルも挙げられます。 第3話までは、「つらい。結婚って、長い長い拷問ですよ」(1話)や「あなたなんて死ねばいいのに」(2話)など、登場人物の心情を表した比較的短いフレーズでした。 第4話からは「いい加減に認めたら!?私はずっと前から気づいているよ!?あなたは私のことなんて好きじゃないの!あなたが好きなのは自分だけなの」(4話)と長文になったため、ラテ欄には収まりきらず、要約して「あなたが好きなのは自分だけ」と掲載されたそうです。

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【魅力】斬新な展開も大きな話題に

名言に彩られた『最高の離婚』は、斬新なストーリー展開でも大きな話題となりました。 例えば、噛み合わない濱崎夫妻がじわじわと離婚へ発展するのかと思いきや、序盤の1話から2話にかけてもう離婚が成立してしまいます。 そして光生(永山瑛太)が元同棲相手の灯里(真木よう子)に再会し、ほんのりと気持ちが浮かれる光生に対して、灯里は過去の光生のデリカシーのなさすぎる発言の数々に「死ねばいいと思っていた」と告白。期待する甘い展開は見事に裏切られました。 さらに、灯里と諒(綾野剛)の上原夫婦が実は婚姻届を提出していなかったことが発覚。2組のカップルはお互いに相手を交換しそうな雰囲気を醸しながら、光生や結夏にも新しい異性の影がちらつきます。 男女の本音を名言にのせて、くるくるとめまぐるしい展開を見せる『最高の離婚』。終盤で光生がアキバ系アイドルに夢中になることや、結夏がAV女優にスカウトされるなど、恋愛要素以外での予期せぬ展開にも目が離せないドラマです。

【主題歌】ユニークすぎるエンディング

『最高の離婚』のエンディングテーマは、桑田佳祐による『Yin Yang(イヤン)』。ノリがよくセクシーなこの曲に合わせて、インキャスト4人が毎回違うダンスを披露し、話題になりました。 ドラマのエンディング映像が毎回変わるのは珍しく、最後まで視聴者を飽きさせない工夫として取り入れられたようです。桑田佳祐本人もこのエンディングに登場しています。 クールを装いながらどこか滑稽で、視聴者の心をくすぐりました。

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『最高の離婚』は豪華キャストが集結した坂本裕二の傑作ドラマ

主演に永山瑛太、尾野真千子、真木よう子、綾野剛を迎え、大人気となったドラマ『最高の離婚』。彼ら以外にも実力派俳優が脇を固め、坂元裕二が脚本を手掛けた本作は、放送から何年も経ったにもかかわらず、視聴者から愛されつづけています。 意外な展開や斬新なエンディング映像も話題になった本作。間違いなく日本のテレビドラマ史に残る傑作といえるでしょう。