DCエンターテイメント社長ジェフ・ジョンズが退任発表
One year ago today we Rebirthed the comics. Today the @WonderWomanFilm premiere! #HopeAndOptimism @jimlee FTW pic.twitter.com/pLfDEXaRGi
— Geoff Johns (@geoffjohns) May 26, 2017
バットマンやスーパーマンなどが有名なアメリカの老舗コミックレーベル、DCコミック。それを運営するDCエンターテイメントの社長ジェフ・ジョンズ(画像:左)が退任を発表し、話題になっています。 DCコミックにとって欠かせない作家でもあったジョンズが退任することによって、どんな影響があるのでしょうか?
ジェフ・ジョンズの生い立ちと経歴を紹介
1973年、ジョンズはアメリカはミシガン州に生まれました。幼いころ祖母の屋根裏で見つけたコミックがきっかけでスーパーヒーローの世界に夢中になります。 ミシガン州立大学でシナリオ制作や映画製作を学んだ彼は、卒業後ロサンゼルスに渡ります。そして1978年の『スーパーマン』で知られる映画監督リチャード・ドナーの事務所に直接電話をかけ、研修生になったそうです。優秀だったジョンズは、脚本コピーの仕事から約2ヶ月でドナーのプロダクションアシスタントにまで成長しました。 ドナーの元で働くジョンズは、DCコミックのスタッフと出会います。自身のコミック熱が再び燃え上がった彼は、DCコミックのオフィスを訪れました。そこで新しいコミックのアイデアを出す機会を与えられたジョンズは、編集者にアイデアを気に入られ、コミック作家としての道を歩むことになります。 その後「グリーンランタン」、「アクアマン」、「フラッシュ」などの作品制作に関わり、2010年にはDCエンターテイメントのCCO(チーフ・クリエイティブ・オフィサー)に指名されます。そしてDCコミックに欠かせない作家となったジョンズは、2016年同社社長に就任したのです。
新会社マッド・ゴースト・プロダクションについて
DC社長の任を降り、よりクリエイティブな活動に注力することを望んだジョンズ。そんな思いのもと、彼が立ち上げた会社がマッド・ゴースト・プロダクションです。 新会社の目的は、DCコミックの既存のキャラクターを使ってより映画、TVそしてコミックの展開を活発化させることです。また、ジョンズの才能の元、新キャラクター開発にも力を入れていく予定です。 新会社の元、ジョンズはすでにいくつかの企画に携わっています。映画企画はもちろんのこと、他にも配信サービス向けの『タイタンズ』ドラマ企画や、新しいコミックブランドの立ち上げなど様々なプロジェクトが進行しています。
ジョンズの後を継ぐのはジム・リー
ジョンズの後を継いで、DCエンターテイメントの新しい社長及びCCOになるのはジム・リーです。リーはDCコミックのアーティスト兼編集者。ジョンズとは、2011年にDCが手がけた新しいコミックシリーズ「NEW 52」の元、『ジャスティス・リーグ』を共同で制作しました。 ジョンズの退任に対して、リーは“彼はさらにDCキャラクターのストーリー発展に時間を費やせる。彼の自作が待ち遠しい”とコメントしています。どうやら今後のジョンズとDCエンターテイメントの関係性も良いものになりそうです。
今後のDC映画はどうなる?
退任後、ジョンズが関わるDCの実写映画として、2011年の『グリーン・ランタン』のリブート版『グリーン・ランタン・コープス(原題)』が進行中です。彼が手がけた人気コミック原作の映画化に際し、ジョンズは脚本とプロデューサーを担当します。 その他2019年11月に公開される『ワンダーウーマン』の続編の脚本・プロデュースに携わっている他、新シリーズとして、ジョンズのグラフィックノベルが原作の『シャザム!』の公開を2019年4月に予定しています。 実写映画の興行面では、マーベルコミックに遅れをとっているDCコミック。ジョンズを筆頭にクリエイティブに磨きをかけることで、体制逆転は叶うのでしょうか?
ジョンズ退任は吉と出るか?
前任ダイアン・ネルソンの22年という任期と比べ、わずか2年という短期間で社長を降りてしまったジェフ・ジョンズ。彼は、会社経営よりも、制作活動に心血を注ぎたいという根っからのクリエイター気質なのでしょう。 彼がクリエイティブ業務に専念することによって、DCユニバースが活性化し、より良い方向に向かうことをファンは願うばかりです。