2018年7月6日更新

女VS男の世紀のテニス対決!『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』の注目ポイント!【ネタバレあり】

バトル・オブ・ザ・セクシーズ エマ・ストーン

1973年に行われた、現役女子テニス王者VS元男子テニス王者の一戦を描く『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』が2018年7月6日に公開されます。男女格差という現在でも通じるテーマを取り上げた、本作の見どころやポイントを解説します。

エマ・ストーン主演最新作『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』とは

『ラ・ラ・ランド』でアカデミー主演女優賞を獲得したエマ・ストーンの主演作『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』が、間もなく公開されます。 1970年代に、全米女子テニスのチャンピオンのビリー・ジーン・キング(ストーン)が、男子テニス選手との賃金格差を是正すべく、男性主導の全米テニス協会に問題提起。それに端を発した、元男子世界チャンピオンのボビー・リッグス(スティーブ・カレル)との、性差を超えたテニス試合に挑みます。 今から45年前に起こった出来事を描く実録ドラマとして話題の、本作の見どころや周辺エピソードを解説します。 キャストやあらすじについての詳細は、以下の記事をご覧ください。

主人公ビリー・ジーン・キングの功績と苦悩が描かれる

主人公となる女子テニスプレイヤーのビリー・ジーン・キング。大学時代の同級生だった夫ラリーに支えられ、ウィンブルドンなどの四大テニス大会で幾度となく優勝を手にした伝説の人物です。 ビリーは同士たちと共に女子テニス協会を立ち上げ、テニス界に存在する男女選手の格差是正を求めていきますが、その一方で、美容師マリリンとの間に芽生えたLGBT(同性愛)の感情に戸惑いを覚えます。本作ではそんな彼女の功績と苦悩を追っていきます。 ちなみに、ビリー役のエマ・ストーンはスポーツの経験が全くありませんでしたが、役作りに際しダンスの経験を活かしてテニスのフットワークや基本動作を習得。ウェイトトレーニングで約7キロ増量し、実在のテニスプレイヤーと遜色ないボディを手に入れました。試合のいくつかのシーンでは、実際にストーンが演じています。

ビリー・ジーン・キングとボビー・リッグスは表裏一体の存在?

かたや、ビリー・ジーンと対決する男子テニスプレイヤーのボビー・リッグス。彼は「男性優位主義のブタ」を自称し、名ボクサーのモハメド・アリばりの“口撃”や(ボビーはアリの大ファン)、ド派手なパフォーマンスでビリーを事あるごとに挑発します。 しかしボビーは、プライベートにおける生活基盤を資産家の妻プリシラ(エリザベス・シュー)に依存しており、さらには自身のギャンブル癖が原因で冷め切っていた彼女の愛情を欲しています。つまり彼にとってビリーとの対決は、男性らしさ・夫らしさを取り戻すための意味合いもあったのです。 女性代表のビリー・ジーンと男性代表のボビー。相対する者同士でありながら、性のアイデンティティの悩みを持つ者同士でもあるという対比構造が、ドラマに深みを与えています。

ビリー・ジーン・キングが本当に倒すべき相手とは

ビリー・ジーンが男女格差是正に出るきっかけとなるのが、優勝賞金の額。彼女は、女子の賞金が男子の8分の1しかないことに憤り、当時の全米テニス協会の責任者ジャック・クレイマー(ビル・プルマン)に抗議します。しかしジャックは、「男子の試合の方が面白い」「男子の試合の方が客が入る」と聞く耳を持ちません。 あからさまな偏見に満ちた理由ですが、実はこうした考えは1970年代には当たり前に存在し、ジャック自身もそれが偏見とは思っていないというあたりに、男女格差の根深さがあります。 本作の監督にして夫婦でもあるヴァレリー・ファリスとジョナサン・デイトンが、「ボビー・リッグスを単なる敵役として描きたくなかった」としているように、ビリー・ジーンが真に闘うべき相手は別にいるのです。

脇を固めるキャラクターたちにも注目!

ビリー・ジーンやボビー・リッグス以外の登場人物にも注目です。 ビリーが恋に落ちる女性マリリン(アンドレア・ライズボロー)。現在よりもLGBTへの理解度が低かった1970年代において、自由奔放な振る舞いで彼女に接します。そんな妻ビリーの気持ちに気づいてしまう、夫ラリー(オースティン・ストウェル)を加えた三角関係の行方も気になるところです。 そのほか、自身も同性愛者として、セクシャリティに悩むビリーを支えるデザイナーのテッド・ティンリング(アラン・カミング)や、夫ボビーを優しく見守る妻のプリシラといった、脇を固める人物たちにも目が離せません。

世紀の対決を終えたビリー・ジーンのその後は?【ネタバレあり】

ボビー・リッグスとの“世紀の対戦”後も、ビリー・ジーンはウィンブルドンや全米オープンといった主要テニス大会で活躍し、1983年に現役引退するまで延べ39回の優勝歴を数えました。引退後は、自身が同性愛者であることをカミングアウトしています。 なお、本作に登場するマリリンと同棲生活を始め、夫のラリーとは離婚することに。しかし、2人はその後も友人関係を続け、ラリーが再婚後にもうけた子どものゴッドマザー(後見人)となっています。

『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』が「#MeToo」運動やギャラ格差問題の火付け役に?

バトル・オブ・ザ・セクシーズ エマ・ストーン

アメリカでは2017年9月に公開された『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』。その翌月に、女優たちが過去に受けたセクシャルハラスメントや性的暴行をSNSで告白する、いわゆる「#MeToo」運動が発生。加えて、男優と女優のギャラ格差事情といった、ハリウッドが内包していた性差問題が次々と明るみになりました。 そのため、本作が一連のムーブメントの火付け役になったのでは?という見方もされましたが、バレリーとジョナサン両監督は、作品の企画自体はヒラリー・クリントンとドナルド・トランプによる大統領選挙戦から着想を得たと明かしています。 したがって、本作で描かれる45年前のテニス界に起こった出来事と、現在のハリウッドに起こったムーブメントが合致することになるとは、監督たちも予想だにしなかったそうです。

7月6日公開の『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』は今観るべき映画!

映画『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』は、日本では2018年7月6日から公開されます。 諸外国よりかなり遅れての劇場公開となりましたが、監督のバレリーとジョナサンは、「『#MeToo』運動や性差問題が浸透したタイミングで日本公開されるのは、実に喜ばしいこと」と語っています。 女性はもちろん、男性も今観るべき作品なのは間違いありません!