2018年9月13日更新

「赤毛のアン」を演じる、期待の新星!エラ・バレンタインの魅力を紹介

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赤毛のアン
(c) 2015 GABLES PRODUCTIONS INC. ALL RIGHTS RESERVED.

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日本人に愛され続けてきた「赤毛のアン」の歴史

赤毛のアン
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海外の方から驚くほど日本人に愛されている「赤毛のアン」。この小説が村岡花子により翻訳され1952年に出版された経緯は、2014年のNHK連続テレビ小説『花子とアン』で描かれたのでご存知の方も多いでしょう。 そして1979年に高畑勲が監督、作画に宮崎駿が参加(『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年)を監督するため、シリーズ途中で降板)して制作されたアニメ番組、世界名作劇場『赤毛のアン』が放送されると、その人気は不動のものになりました。

無論「赤毛のアン」は海外でも映画・TVドラマとして何度も映像化されています。しかし日本の映画ファンにとってもっとも人気があるのは、カナダで1985年に放送(アメリカでは1986年放送)され、海外では映画として公開された、アンをミーガン・フォローズが演じた作品でしょう。 この作品が日本で1989年劇場公開されるや続編が待ち望まれるヒット作となり、多くの日本人観光客が舞台となったプリンス・エドワード島を訪れ、現地の方々を驚かせる社会現象となりました。

新たなアンにふさわしい演技派子役、エラ・バレンタイン

赤毛のアン
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そんな「赤毛のアン」が2016年新たにカナダで3部作のテレビシリーズとして製作され、日本でその第1作が『赤毛のアン』(2017年)として劇場公開されるや、多くのアンを愛する方々の注目を集めました。そしてこの作品で愛すべき主人公、アンを演じたのがエラ・バレンタインです。

アンという大役をまかされたエラ・バレンタインが、優れた子役である事は誰もが認めるでしょう。しかし彼女は『赤毛のアン』とまったく異なるジャンルの映画で、名優を相手に引けを取らない演技を見せている事をご存知でしょうか?そんな彼女の熱演が楽しめる、意外な2本の作品を紹介させて頂きます。

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シチェーション・バトル映画、『スタンドオフ』で二大スターと共演

まず紹介するのが宣伝で“エクストリーム・シチェーション・バトル”と紹介されている映画『スタンドオフ』(2016年)。どんなお話かと説明すると、交通事故で両親を亡くした少女(エラ・バレンタイン)がお墓参りに来たところ、“たまたま”殺し屋(ローレンス・フィッシュバーン)の犯行現場を目撃する事に。 殺し屋に追われて彼女が“たまたま”逃げ込んだ家は、事故で一人息子を亡くし傷心の元軍人(トーマス・ジェーン)が孤独に暮らしている一軒家だったのです……。 いわゆるB級映画が好きな人でも言葉を失ってしまう、間違いなく“エクストリーム”な展開ですが……しかしこの少女が逃げ込んだ家で、1階にいる殺し屋と2階にいる元軍人と少女が密室状態で睨み合い、様々な駆け引きを繰り広げる展開が、この映画のミソとなっているのです。

かくのごとく映画に用意された特殊かつ非日常的な設定が、リアルなものに出来るか否かは明らかに出演者の演技力にかかっていると断言して良いでしょう。 普段イメージされる役柄と異なる、凶悪かつ一癖ある殺し屋を演じるローレンス・フィッシュバーンと、スティーヴン・キング原作の映画『ミスト』と同様、苦悩しながらも少女を守るために様々な決断を強いられるトーマス・ジェーン。この2人の対決が本作の見所になっています。 そしてカギとなる少女を演じているのがエラ・バレンタイン。両親を失った過去をにじませながら、トーマス・ジェーンと徐々に心を通わせてゆく姿を、そして状況の変化と共に様々な局面に遭遇する少女の姿を熱演し、この特殊な状況下での対決を実に緊迫感のあるものにしているのです。

本作のクライマックスは幼いエラ・バレンタインが銃を手に取り、直接ローレンス・フィッシュバーンと対決、という展開になるのですが……ここで一捻りあるのがシチェーション映画ならではの変化球技。このストーリーの妙と彼女の熱演に注目してぜひご覧ください。

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シチュエーション・ホラー『ザ・モンスター』での熱演!

つづいて紹介する映画は『ザ・モンスター』。自動車で旅するホワイトトラッシュな母娘2人を、何の説明も無く突然出現したモンスターが襲う!これまたB級映画が好きな方でも思わず「?」、となってしまう展開のホラー映画ですが、本作のまだ幼い娘役としてエラ・バレンタインが出演しています。

事故で動かなくなった車を執拗に襲う正体不明(本当に説明が全くありません……)のモンスター。身動きがとれなくなった母娘の運命は!?というこれまた密室要素の強いシチュエーションホラー。しかも『スタンドオフ』より主要な登場人物が少ない、いかにもB級映画的な展開……。 こういったホラー映画が成功するか否かも、役者がどこまでこの状況をリアルに演じる事が出来るかにかかっている、と言って異論は無いでしょう。

本作で怪物に追い詰められるエラ・バレンタインの演技は迫真のもの。また怪物に襲われる以前、決して良好ではなかった母娘の関係……母親の行動に色々と問題があったためですが……そういった現代的な背景をリアルに描きながら、危機に遭遇してから現れてくる本当の母娘の絆、2人の演技は単なる恐怖描写に収まらず、そこまで深みのあるものを見せてくれているのです。 母親役を演じているのは巨匠エリア・カザンの孫、ゾーイ・カザン。後にアメリカで大ヒットして話題を呼んだ、『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』(2018年)の主演女優としてブレイクしました。母娘を演じた実力ある2人の熱演のおかげで、B級ホラー映画である『ザ・モンスター』は実に見応えのある作品に仕上がっているのです。

本作に登場するモンスターに対する説明が全く無いと強調してきましたが、これは狼か怪物に襲われる貧しい母娘を描いた「本当は残酷なグリム童話」的なおとぎ語を、現代のアメリカに舞台を移した寓話とみるべき映画であると解釈しています。そのような視点で見るとラストシーンのエラ・バレンタインの姿が、より悲しくも美しい姿に見えるのではないでしょうか。

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そして最新作『赤毛のアン 初恋』『赤毛のアン 卒業』が連続公開

赤毛のアン 卒業
(c) 2017 GABLES 23 PRODUCTIONS INC.ALL RIGHTS RESERVD.

そして2018年秋に、ファン待望の続編2本が連続公開されます。なお先に公開された作品を含めたこの3作品は、小説「赤毛のアン」(本作の後に「アン・ブックス」と呼ばれる多くの続編が書かれています)を3部作として忠実に映像化したものであり、アニメ番組の世界名作劇場『赤毛のアン』と同じ内容の物語とお考えいただければ良いと思います。

今回まず公開されるのが『赤毛のアン 初恋』。後にアンの伴侶となるギルバートとの交流を中心に描いた作品です。そして次いで公開されるのが『赤毛のアン 卒業』。アンが恩人との別れを経験しながらも、人生の大きな決断をする…小説「赤毛のアン」の世界が、プリンス・エドワード島を舞台に忠実に描かれた作品なのです。

アンを養育するマシュウ・マリラ老兄妹を演じるのは、名優マーティン・シーンとベテラン女優のサラ・ボッツフォード。この老兄妹は共に訳あって家庭を持てず、結果アンを引き取る事になるのですが……未婚・高齢化が問題となっている現在の日本では、この2人の視点で「赤毛のアン」の物語を、家族のあり方を考える映画として見るのも良いかと思います。

赤毛のアン
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今回の映画3部作が原作に忠実な作品であることは、製作を著者L・M・モンゴメリの孫であり、その著作の権利保全と活用に努めているケイト・マクドナルド・バトラーが製作総指揮を行っている事からもお判りいただけるでしょう。 ちなみに同じ「赤毛のアン」を原作とした新しい作品で、現在Netflixで視聴可能なドラマ『アンという名の少女』(2017年)は、アンの物語に現代的な社会問題と、それを抱えた登場人物を追加した独自色のあるTVシリーズになっています。興味を持たれた方はこちらもあわせてご覧ください。

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今後のエラ・バレンタインの活躍にも注目を!

赤毛のアン 卒業
(c) 2017 GABLES 23 PRODUCTIONS INC.ALL RIGHTS RESERVD.

原作に忠実に作られた『赤毛のアン』『赤毛のアン 初恋』『赤毛のアン 卒業』3部作で、アンを演じたエラ・バレンタイン。彼女の演技は「赤毛のアン」の世界を見事に映像化したと、製作者であるL・M・モンゴメリの孫からお墨付きを頂いたものなのです。もう一度プリンス・エドワード島を舞台としたあの世界を、美しい映像で体験したい方はぜひ映画館のスクリーンでご覧ください。 そして若くして様々な役を経験している演技派女優、エラ・バレンタイン。彼女の今後の活躍を期待しつつ、新たな出演作の公開を楽しみに待ちましょう。