2020年5月15日更新

写真家・カメラが印象的なおすすめ映画9選【写真がキーアイテムになる作品も紹介】

『ビル・カニンガム&ニューヨーク』
©FIRST THOUGHT FILMS/zetaimage

写真家が主人公の映画や、カメラや写真が印象的に登場する作品を紹介。有名写真家のドキュメンタリーから写真が映し出す恋愛模様まで、映画の中に切り取られた写真の人物や風景が心に残る、おすすめの映画をお届けします。

目次

写真家が主人公のおすすめ映画を紹介!写真が印象的な作品も

人物や風景を現実から切り取る芸術「写真」と写真家の人生。この記事ではそんな写真家たちを描いたおすすめの作品を紹介していきます。写真がつなぐ恋、写真が写した青春や過酷な現実などが描かれ、写真に興味がある人にはどれも必見の作品です。 実在の写真家の人生を追ったドキュメンタリーやドラマも見逃せません。さらに最後には、写真が印象的に登場する作品もお届け。劇中で重要な枠割を担う写真について、それぞれ解説しています。

『東京公園』(2011年)

三浦春馬が写真家志望の青年を好演!女性たちとの微妙な関係性を描く

「東京バンドワゴン」シリーズで知られる小路幸也の同名小説をもとに、青山真治監督が三浦春馬主演で映画化したヒューマンドラマ。写真家志望の大学生・光司を主人公に、彼を取り巻く女性たちとの微妙な関係性を描いています。 光司は公園で家族写真を撮り続けている写真家志望の大学生。いつものように公園で写真を撮っている光司に、初島という歯科医が妻を尾行して写真を撮ってほしいと依頼してきます。 この奇妙な依頼から、光司は彼を取り巻く二人の女性、親友ヒロの元カノ・美優(榮倉奈々)と義理の姉・美咲(小西真奈美)との微妙な関係が、徐々に変化していく様子を描いた情緒的な作品です。三浦春馬が繊細な感情を表現する役柄に初挑戦し、好演しています。

『ただ、君を愛してる』(2006年)

映画『恋愛寫眞』のコラボ企画小説を玉木宏・宮崎あおい主演で映画化

「いま、会いにゆきます」で知られる恋愛小説の旗手・市川拓司原作の小説「恋愛寫眞 もうひとつの物語」の映画化で、玉木宏と宮崎あおいが主演を務めました。原作は映画『恋愛寫眞』のコラボ企画として執筆された小説です。 大学の入学式で出会い、写真を通して交流していた誠人と静流。しかしその頃、誠人は同級生のみゆきに想いを寄せており、静流は突然誠人の前から姿を消します。出会いから6年経ち、静流からの手紙を手に、誠人はクリスマスのニューヨークで成長した彼女との再会を待っていました。 玉木宏が主人公の瀬川誠人、宮崎あおいが誠人に恋する里中静流を演じました。写真が趣味の誠人に合わせてカメラを手にするようになる静流の一途さ、二人で毎日のように写真撮影のため森に出かける様子など、心をキュッと掴まれるような愛おしく切ない恋愛を描いています。

『女写真家ソフィー』(2000年製作)

夫と若い男の間で揺れる女性カメラマンのサスペンス・ラブストーリー

ポーランド出身のアンジェイ・ズラウスキー監督によるサスペンス・ラブストーリー。主人公の女性カメラマン・クレリアを、監督と公私ともに長年のパートナーであるソフィー・マルソーが演じました。17世紀末のフランス文学「クレーヴの奥方」を現代に翻案した作品です。 女性カメラマンとしてキャリアを築いていたクレリアは、35歳の誠実な編集者クレーヴと出会い、結婚を申し込まれます。結婚を承諾した彼女でしたが、仕事で知り合った突撃取材を得意とする若いカメラマン・ネモに惹かれてていき……。 専門である芸術的な写真を諦め、母のために稼げる大衆紙のカメラマンとなったクレリア。そんな彼女が生真面目な夫と情熱的な若いカメラマンの間で揺れ動く姿を官能的に描いています。日本では「第8回フランス映画祭横浜2000」でフランス語原題の『フィデリテ』(誠実・貞節の意)のタイトルで上映されました。

『I love ペッカー』(1999年)

天才写真家に祭り上げられた青年が起こす騒動を描いたコメディ

世紀のカルト作『ピンク・フラミンゴ』で著名なジョン・ウォータース監督・脚本による青春群像劇。意図せず「天才写真家」として有名になったカメラ好きの青年ペッカーが引き起こす騒動をコミカルに描いています。ペッカーをエドワード・ファーロング、その恋人シェリーをクリスティーナ・リッチが演じました。 アメリカ・ボルチモアのダイナーで働くカメラ好きの青年ペッカーは、恋人のシェリーなど周囲の人々や、町で見かける奇妙なものを撮影することを趣味にしていました。そんなある日、ダイナーに飾っていた1枚の写真がアートディーラーの目に留まり、ニューヨークで個展を開くことになり……。 本作はカルト・コメディの旗手ジョン・ウォータース監督の自伝的な作品として知られています。ペッカーの被写体は、万引きの常習犯である親友マットやゲイ好きの姉ティナなどいかにも変わった人々ばかり。目に留まった写真もストリッパーの局部を写したものという、さすがの変態ぶりです。

『ディーン、君がいた瞬間』(2015年)

ブレイク直前のジェームズ・ディーンを撮った写真家デニス・ストック

写真家デニス・ストックと俳優ジェームズ・ディーンの撮影旅行と、二人の友情を描いた青春ドラマ。U2やビョークなどを撮影したロック・フォトグラファーでもあるアントン・コービンが監督を務めました。デニス・ストックをロバート・パティンソン、ジェームズ・ディーンをデイン・デハーンが演じています。 1955年、ハリウッドのパーティでジェームズ・ディーンと出会ったデニス・ストックは、彼にスター性を見出します。ライフ誌に彼を被写体にしたフォト・エッセイを掲載するため密着取材をスタート。彼の故郷インディアナへの帰郷にも同行し、少しずつ心を通わせていきます。 1955年に映画『エデンの東』で鮮烈な主演デビューを飾り、同年9月に事故で夭折したジェームズ・ディーン。彼が最も輝いた瞬間を切り取り、デニスがファインダーから見たその実像に迫りました。エンドロールでは、ライフ誌に掲載されたデニスのフォト・エッセイ「MOODY NEW STAR (気難しい新星)」の写真を見ることができます。

『地雷を踏んだらサヨウナラ』(1999年)

カンボジア内戦下でアンコールワット撮影にすべてを賭けた写真家・一ノ瀬泰造の半生を描く

報道写真家・一ノ瀬泰造の壮絶な生き様を描いた青春伝記映画。本人が遺した書簡や写真をまとめた書籍「地雷を踏んだらサヨウナラ—一ノ瀬泰造写真・書簡集」を原作とし、浅野忠信が一ノ瀬泰造を演じました。 1972年、解放軍クメール・ルージュと政府軍の内戦が激化する中、25歳のフリーカメラマン・一ノ瀬泰造はカンボジアで戦場写真を撮り続けていました。解放軍の聖地アンコールワットに心を奪われた一ノ瀬は、危険を顧みず遺跡の撮影を目指して出発します。 タイトルの「地雷を踏んだらサヨウナラ」とは、アンコールワット撮影に命を賭けた一ノ瀬が親友に言った最後の言葉。彼はその後行方不明になってしまいましたが、映画ではひとつの可能性を結末に描いています。

『恋愛寫眞』(2003年)

本物の写真家を目指す青年を松田龍平が演じた青春恋愛映画

堤幸彦監督、松田龍平主演の青春映画で、東京とニューヨークを舞台に写真家としての成功を目指す青年・誠人と、元恋人・静流の愛の軌跡を追うラブ・ストーリー。誠人を松田龍平、静流を広末涼子が演じました。 理想と現実のギャップに悩む売れないカメラマン・誠人のもとに、死んだはずの元恋人・静流からエアメールが届きます。消印はニューヨーク。3年前、誠人の影響で静流がカメラを持ってから、才能を開花させた彼女に嫉妬したことで二人は別れていました。それでも今も静流を忘れてはいなかった誠人は、彼女の生死を確かめるためニューヨークへ向かいます。 写真がテーマであり、誠人と静流が写真を撮影するシーンが多い本作。静流の生死の謎を、彼女から送られた1枚の写真を手がかりに解いていくミステリーの要素もあります。映画『ただ、君を愛してる』は本作のアナザーストーリーで、主人公2人の名前と写真を撮るという設定が共通しています。

『プルーフ』(1991年製作)

この世界を写真で写し取り、人を介してその真実を確かめる盲目の男

『キルトに綴る愛』で有名なオーストラリア出身のジョスリン・ムーアハウス監督が、脚本も務めたブラック・コメディ。「マトリックス」シリーズのエージェント・スミス役で知られるヒューゴ・ウィーヴィングが主演、ラッセル・クロウが助演を務めました。 マーティンは、写真撮影を趣味にしている盲目の男。彼の身の回りの世話をする家政婦セリアとは微妙な関係を保ちつつ、家具を頻繁に模様替えするといったちょっとした嫌がらせにも目をつぶっています。そんなある日、彼はが自分が撮った写真を詳細に言い表わしてくれる青年・アンディと出会いまました。 マーティンは、写真の場所を描写してもらった言葉を、その裏に点字シールで「証拠」として貼っています。それは、他人が彼に伝える「世界」が本当にその通りに存在していることを信じるための証。現実のみ写し取る写真を題材に、目に見えないものを信じることの難しさを語っています。

『ビル・カニンガム&ニューヨーク』(2013年)

ニューヨーク・タイムズ紙の名物フォトグラファー、ビル・カニンガムのドキュメンタリー

ニューヨーク・タイムズ紙で人気のファッション・コラム「ON THE STREET」を長年担当してきた名物フォトグラファー、ビル・カニンガムを追ったドキュメンタリー映画。監督・脚本・撮影をリチャード・プレスが務めました。 撮影時82歳だったビル・カニンガムの知られざる私生活や仕事ぶりを映し出しています。50年以上にもわたり、ニューヨークの街で毎日ストリートのファッション・トレンドを撮影し続け、ニューヨーカーたちに愛されていました。 リチャード・プレス監督は彼を撮影するのに8年がかりで交渉し、撮影・編集に2年を費やしたといいます。ビルに撮られることがニューヨーカーのステータスであり、『プラダを着た悪魔』の編集長ミランダのモデルとして知られる「ヴォーグ」編集長アナ・ウィンターにも“ビルのために着る”と言わせたほどの人物です。

劇中で写真が重要な役割を担う映画

ここからは、劇中で写真が重要な役割を担っている映画を紹介。写真が記憶をつなぎ、謎解きのキーアイテムとなる『メメント』、家族写真が物語の展開に大きく関わっている『リメンバー・ミー』と、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の3本を解説していきます。

『メメント』(2001年)

メメント、ガイ・ピアース
©IFC Films/zetaimage

クリストファー・ノーラン監督作『メメント』では、ポラロイド写真が重要なキーアイテムに。主人公レナードは妻を強姦されて殺され、自身も頭を強く打って新しい記憶が短時間しかもたなくなった男。復讐だけを生きがいに、事件の手かがりを体に刺青として残し、出会う人物をその場でポラロイド写真に撮ってメモしています。 人の記憶という曖昧なものと写真という事実しか写さないものを対比させ、時間軸を逆再生したこの作品は、新感覚サスペンスとして語り継がれる名作。小道具としてのポラロイド写真の使い方が実に見事で、レナードの記憶と写真が観る者を惑わせます。

『リメンバー・ミー』(2018年)

『リメンバー・ミー』
©2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

メキシコのお盆ともいえる「死者の日」をテーマにしたディズニー・ピクサーのアニメ『リメンバー・ミー』では、写真は先祖を迎える大事なお供物として登場。生者が死者を忘れないため、死者の日には祭壇に亡くなった家族や好きな人の写真を飾ります。 主人公ミゲルは家族を捨てて音楽家の道を歩んだ高祖父と同じように音楽家を目指していますが、曽祖母は彼を憎むあまり一族が音楽に触れることを禁じています。祭壇にある高祖父の写真も顔だけ千切られていました。しかしこの写真が、最後には家族の絆を示す大切なアイテムとなるのです。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)

バック・トゥ・ザ・フューチャー
©T.C.D / VISUAL Press Agency

発明家ドクが作ったデロリアン型タイムマシンで、両親が出会う1955年にタイムスリップしてしまった1985年のマーティ。父ジョージの事故がきっかけで恋に落ちるはずの両親が、マーティがジョージをかばったことで母ロレインはマーティに恋してしまいます。二人が結ばれないとマーティが生まれない! マーティが持ち歩いている兄弟の写真を見ると、なんと兄の頭部が消えていました。この作品ではこんな風に未来が変わりつつあることを、マーティが度々写真で確認するシーンが。マーティはいったいどうなってしまうのでしょうか!?

映画が映す世界の瞬間を切り取る写真とその魅力に引き込まれた人々

この記事で紹介してきた作品には、写真という媒体の魅力に心底引き込まれた人々が登場してきました。大半が写真家やカメラマンであり、現実の中に芸術を見出す彼ら自身の生き様も非常に魅力的です。 現実世界のある瞬間を切り取る写真という芸術に、改めて興味がわいてくるような作品も多かったのではないでしょうか。これを機会にカメラを手に取ってみるのも良いかもしれませんね。