2023年8月28日更新

人気ジャンプ漫画の実写映画興行収入ランキングTOP10!気になる評価を正直レビュー

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ジャンプ漫画の実写映画興行収入ランキングNO.1は?

『約束のネバーランド』板垣李光人、浜辺美波、城桧吏
(C)白井カイウ・出水ぽすか/集英社 (C)2020 映画「約束のネバーランド」製作委員会

人気タイトルを世に送り出し、その多くが国内外で実写化されてきた週刊少年ジャンプ。2023年8月31日からはNetflixで実写ドラマ「ワンピース」の配信が予定され、その他にも『僕のヒーローアカデミア』や『NARUTO-ナルト-』、『DEATH NOTE』などもNetflixでの実写化が予定されています。 漫画の実写化は一般的に「コケる」と言われ、ファンの間で賛否を呼ぶことも多いですが、ジャンプ漫画を原作とした作品はどうなのでしょうか?今回は日本で実写映画化されたジャンプ作品を対象に、各作品の興行収入を基準としたランキングにまとめ、評価された点、評価されなかった点について、正直なレビューを調査しました。 ※シリーズ化されたタイトルは、全作品の興行収入から割り出した平均値でランキング付けしています。また漫画を原作として実写映画化された作品を扱っています。『ROOKIES -卒業-』は実写ドラマの続編的立ち位置のため、ランキングからは除外しています。

10位:『ニセコイ』(5億3000万円)

『ニセコイ』はヤクザの組長の一人息子である主人公・一条楽が、組みの抗争を避けるためにギャングの娘である桐崎千棘と“偽の恋人”になるというラブコメディ。2018年4月時点で累計発行部数1200万部を突破している人気作品です。 本作を実写化した映画『ニセコイ』は2018年12月21日に公開されましたが、その興行収入は5億3000万円と振るわない結果に。 原作ファンからは「ストーリーが中途半端」「キャラクターのビジュアルをどうしても原作と比較してしまった」などの批判的な意見が多く見られました。また、「コメディパートがあまり笑えない」というような意見も挙がっていました。 原作ファンではない映画のみを観た人や、キャストのファンからは「面白かった」「楽しかった」という意見が挙がっているものの、原作ファンの支持を得ることができなかったことが、興行的に振るわなかった原因ではないでしょうか。

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9位:『BLEACH』(5億4100万円)

BLEACH
(C)久保帯人/集英社 (C)2018 映画「BLEACH」製作委員会

全世界シリーズ累計発行部数1億2000万部を突破した、久保帯人による人気作『BLEACH』。全74巻、全698話の長編作品で、序盤の「死神代行篇」が実写化されました。 8巻分の内容を尺内に収めるため、井上織姫、茶渡泰虎らのエピソードがごっそり削られており、一部では賛否を呼んでいます。主人公の黒崎一護と朽木ルキアの関係を軸としたエピソードの取捨選択は、「さすが脚色センスに定評ありの佐藤信介監督」という声がある一方で、「終盤は急展開すぎる」と指摘する声も。 主演の福士蒼汰は地毛をオレンジに染め、声もアニメで一護を演じた森田成一に寄せるなどの役作りが評価され、キャスト陣の再現度はおおむね好評です。 ストーリー進行上、仕方がないのですが、一護の「斬魄刀」の卍解シーンがなかったり、サブキャラの魅力が伝わりきらなかったりと、物足りない部分もありました。もし続編が制作されることがあれば、評価も変動するのかもしれません。

8位:『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』(9億2000万円)

『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』キャラクタービジュアル
(C)2017 映画「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」製作委員会 (C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社

荒木飛呂彦の『ジョジョの奇妙な冒険』は、主人公や舞台設定を変えながら、30年以上にわたり連載が続いている一大超大作。特徴的な擬音や奇抜すぎる服装、「スタンド」能力によるバトルなど独自設定が飛び交う世界観から、実写化は不可能とされていました。 主な舞台が海外なのも不安要素でしたが、実写化された「第4部」の舞台・杜王町は、荒木の出身地の宮城県仙台市がモデルです。それなら日本人キャストでも可能では?と、原作ファンも期待をしていましたが……。 ビジュアルは原作に寄せられましたが、許せないキャラ改変や脚色があったようで、「改悪レベル」という批判の声が上がりました。スタンドバトルもCGは素晴らしいと評価されたものの、「ジョジョ」ならではの機転、勇気による逆転というトリッキーさがないと指摘されています。 カルト的人気を誇る作品だけに、「第5部」の主人公風に言えば“暗闇の荒野に!!進むべき道を切り開く”覚悟の実写化だったのかもしれません。2017年の「第1章」公開後に続編の音沙汰がないのは、ファンの期待に応えられなかった、ということなのでしょうか。

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7位:『斉木楠雄のΨ難』(10.0億円)

超能力を持つ高校生・斉木楠雄の日常を描いた、麻生周一によるギャグ漫画『斉木楠雄のΨ難(さいなん)』。主人公が超能力者というトンデモ展開ですが、学園モノなので実写化は難しくないはずです。 基本1話完結型で描かれるため、学園祭のエピソードを軸に再構成して映画化されました。しかし、肝心のストーリーはあってないようなもの。「斉木楠雄」はそういうものと言えばそれまでですが、「映画と呼んでいいのか?」と疑問視する声もありました。 映画では「山崎賢人実写やりすぎじゃね?」と自虐ネタを入れてきたり、橋本環奈が渾身の変顔を披露したりと、体を張ったキャスト陣は見事でした。シュールすぎる笑い、ギャグの天丼と変顔の連続、チープなCGにも福田雄一監督のらしさが出ていました。 その一方で、本作はギャグがゴリ押しすぎて内輪の笑い感があった、という意見も。好意的な意見と批判的な意見、それぞれ半々といった印象です。

6位:『バクマン。』(17.6億円)

『バクマン。』
(C)2015映画「バクマン。」製作委員会

『DEATH NOTE』の黄金コンビ、原作の大場つぐみと作画の小畑健による漫画『バクマン。』。男子高校生2人がコンビを組み、人気漫画家を目指していくストーリーです。 原作からの大きな変更点は、メインヒロイン以外の女性キャラと最低限の大人をストーリーから排除し、大胆な脚色をしたこと。映画の尺に収める目的とは言え、漫画家同士の群像劇や恋愛模様が原作の魅力でもあるため、賛否を呼んでしまいました。 一方で、リアルに再現された編集部のセット、漫画的な表現をふんだんに盛り込み、プロジェクトマッピングも駆使した演出には評価が集まる結果に。発表時に「逆じゃないの?」と指摘された佐藤健、神木隆之介の配役に対する批判も、公開後は好意的に転じました。 本作でもっとも批判された点は、ライバルである新妻エイジ(染谷将太)のキャラクター像です。 原作では毒舌で子供っぽいけれど、どこか憎めない天才キャラだったエイジ。映画では他人の原稿に勝手に筆を入れるなど、ほとんど「ただの嫌な奴」として描かれました。このキャラ設定は、原作ファンもさすがに許容できなかったようです。

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5位:『約束のネバーランド』(20.3億円)

『約束のネバーランド』浜辺美波
(C)白井カイウ・出水ぽすか/集英社 (C)2020 映画「約束のネバーランド」製作委員会

『約束のネバーランド』は主人公のエマが、自身の生まれ育った孤児院が実は鬼と呼ばれる異形のための食用の子供を飼育する「食肉施設」施設であるということを知り、周りの子供たちと協力しながら脱出を試みるというダークファンタジー作品。コミックスは累計4200万部を突破している大ヒット作品です。 2020年12月18日に公開された同名の実写映画は、20.3億という興行収入を収め、おおむね肯定的な意見が多く見られました。 キャスティング・演技が原作のイメージ通りだったという声が多数。特にママを演じた北川景子、シスターを演じた渡辺直美の演技は圧巻。また、公開前にファンの多くが心配していた、当時20歳の浜辺美波が11歳の主人公・エマを演じるという点についても、映画版の物語を変更することで違和感を感じさせない作りになっていました。 一方で、ストーリーや世界観を再現することについては成功したものの、原作を超えるような描写や、実写ならではの新しさを感じられるシーンはそこまでない、といった意見も見られます。

4位:『暗殺教室』(1作目:27.7億円、2作目:35.1億円)

平均興行収入31.4億円

松井優征による同名漫画を、山田涼介(Hey! Say! JUMP)を主演に迎え、菅田将暉、橋本環奈ら若手キャストの共演で映画化した「暗殺教室」シリーズ。 評価された点は全21巻の内容を2部作で上手く収めたこと、実写化は不可能と言われた殺せんせーをCGで表現した、スタッフの苦労が見えたこと。山田涼介がカッコいい!との評価もありますが、原作が1番伝えたいことが欠如している、と厳しく批判する声もありました。 “人外の担任教師と殺そうとする生徒たち”が、そんな関係性にもかかわらず絆を育み、葛藤していくところも見どころの本作。映画はエンターテイメントを重視するあまり、センセーショナルな暗殺の部分ばかり強調され、本質を見失っていると指摘されているのです。 原作で28歳設定の烏丸先生に50代の椎名桔平を配役したことや、演出なども批判の的となり、興収と実際の評価があまり比例していない作品かもしれません。

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3位:『デスノート』(1作目:28.5億円、2作目:52.0億円、スピンオフ:31.0億円、3作目:22億円)

平均興行収入33.3億円

邦画史上初の前・後編で公開された2部作が大ヒットし、シリーズ化もされた映画『デスノート』。原作が2006年に連載終了した後も、映画化、アニメ化、ゲーム化と幅広いメディアミックス展開が行われている人気作です。 “名前を書かれた人間は死ぬ”という「死神」のノートを巡って、登場人物たちの理想と信念がぶつかり合い、壮絶な頭脳戦を繰り広げる本作。自らの正義の下に悪を粛清するキラ(ライト)の心情、Lとの戦いが巧妙に描かれており、原作の良さを踏襲した脚本が称賛されました。 藤原竜也の芝居がかった演技も、騙し合いの世界観にマッチしており、L役の松山ケンイチや弥海砂役の戸田恵梨香の好演も話題に。不安視された「死神」の造形は、モーションキャプチャなどを駆使したフルCGで表現され、服や羽の細かな動きも見事でした。 Lの過去を描くスピンオフ、本編の10年後を描く第3作目「Light up the NEW world」は賛否両論で、原作・前作ファンが違和感を覚える展開も。特に第3作はメインキャストを一新し、新たな世界観の構築を模索しましたが、キラとL、弥海砂の再登場の方が注目される結果になりました。

2位:『銀魂』(1作目:38.4億円、2作目:37.0億円)

平均興行収入37.7億円

『銀魂2』
©空知英秋/集英社 ©2018映画『銀魂2(仮)』製作委員会

空知英秋原作の映画「銀魂」シリーズは、2018年と2019年に2年連続で公開され、週末オープニング成績で実写邦画第1位を記録した話題作です。 小栗旬、菅田将暉、橋本環奈らをはじめ日本を代表するキャストが集結。原作7割、オリジナル要素3割くらいの比率でほぼ忠実に実写化されました。シリアスはしっかり締めて、ギャグパートはとことんふざける“『銀魂』イズム”も感じられ、福田雄一監督の手腕が光ります。 また江戸の町で暴れまわる「万事屋」トリオ、「新選組」などの再現度は公開前から話題に。吉沢亮演じる沖田総悟、三浦春馬演じる伊東鴨太郎らは特に高評価でした。 女装する小栗、菅田は序の口で、「1000年に1度の美少女」こと橋本環奈による「鼻ほじ」、変顔シーンといった体当たりの演技も絶賛の嵐!「いい意味で裏切ってくれた」と原作ファンも満足しているよう。 他作品であれば「本当にいいの?」とハラハラするようなパロディも、原作にアニメにふざけ放題だった「銀魂」は、ファンも各権利元も寛容だったようですね。

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1位:『るろうに剣心』(1作目:30.1億円、2作目:52.2億円、3作目:43.5億円)

平均興行収入46.5億円

映画「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」
©和月伸宏/集英社 ©2020 映画「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」製作委員会

2021年に最終章2部作の公開が決定し、再注目を集める実写映画「るろうに剣心」シリーズ。和月伸宏による原作は「北海道編」が連載中で、根強い人気を誇っています。 主演の佐藤健が演じたのは、幕末に「人斬り抜刀斎」の異名で恐れられた緋村剣心。人斬りの顔と普段の優しい「流浪人」の顔、彼の2面性を見事に演じました。 本作は時代劇であることから映像にしやすく、実写化して欲しいと言われ続けた作品です。その一方で、俳優があの壮絶なアクションを演じられるのか、と不安視する声も。佐藤や神木隆之介らキャスト陣はアクションではほぼスタントを立てず、CGもほぼ使用せずに演じたそうで、役作りがすごすぎると絶賛されました。 脚本は原作を知らない人もわかりやすく、“ここは描いて欲しい”という部分もきちんと抽出されており、ファンも納得の仕上がりでした。原作への愛とリスペクトが感じられ、漫画原作の実写映画における1つの完成形だと、後々まで語り継がれる作品となりました。

続々と登場するハリウッド実写版!その評価はいかに?

ランキング上位を見てみると、キャラクターの再現度や原作エピソードの取捨選択などが、実写化成功の秘訣と言える結果になりました。原作ファンは原作に忠実かどうかよりも作品の核の部分がブレていないか、ということを重視して評価しているようです。 2023年8月31日から配信予定の実写ドラマ「ワンピース」を筆頭に、今後公開の海外でのジャンプ作品の実写作品は日本国内ではどのように評価されるのでしょうか?よく「コケる」と言われる実写版ではありますが、今回紹介したように中にはとても評価の高い作品もあるのが事実。 「どうせ実写版だから……」と食わず嫌いするのではなく、ぜひその目で確かめてみてくださいね!