漫画『皆様には人権がございません』ネタバレ感想！原作小説最終回の結末も解説【rawは危険】

人間を人権のある「人間」と人権のない「ヒト」に分類する――そんな世にも恐ろしい「人権適正使用法」が施行されて数年経った世界。ヒトは家畜として扱われ、ペットや食用に利用されるためショーウィンドウに並べられていました。 そんな中、主人公のトールは人権適性結果で「適性なし」という結果を受け取ってしまいます。こうしてヒトとして回収され、収容所に連れてこられてしまった彼は、世界の残酷さを目の当たりにすることに……。 果たしてトールやその仲間たちは、想像を絶する地獄を無事生き延びることができるのでしょうか。

収容所へ運ぶ車の中で、春木美亜とその幼馴染の森樹と親しくなったトール。目的地へ到着すると、そこにはトールたちと同じように家畜認定された人たちが大勢集まっていました。 そして人間ではなくなった者たちは、収容所の管理者によって分別されていくことに。その中で「P」や「W」というアルファベットで仕分けされることを知ったトール。そこで友人の桔平から受けたアドバイスをもとに行動すると、「G」という役職が与えられるのでした。 Gの使命は、裏カジノで命を懸けて殺し合いをすること。負ければ死ぬ可能性がありますが、勝った場合は賞金がもらえ……。

それぞれのコードで仕分けされた家畜たちの行く末を知ったトール。翌日、ついに命を懸けた戦いがスタートします。トールの相手となったのは、輸送車の中で喧嘩になった筋肉ムキムキの啓二。 一方の樹は、丁寧な口調の男・俊太郎と戦うことになります。しかし俊太郎の本性は非常に残忍で、不意を突かれて鉄パイプでボコボコにされた樹。そして顔の原型がないまま、会場の外へ連れていかれます。 その頃、試合の様子を見ていたトールは、残酷すぎるヒトの扱いに怒りを感じていました。ところが試合では冷静さを取り戻し、斧を持った啓二に対して傘で辛勝し……。

試合終了直後、トールのもとに桔平が面会にやってきます。行動理念が好奇心の桔平によって、トールは国の真実を暴くことに。そして無事に収容所の出口に到着しますが、外には職員たちが待ち構えていました。 さらに国の重要ポストである桔平の父親も登場し、トールは連れ戻されることに。しかし桔平と再会を約束し、力尽きるまで戦うことを誓うのでした。

収容所に集められたヒトはそれぞれの特性に合わせて、5種類のコードに振り分けられます。それぞれのコードの特性や意味は以下の通りです！

『皆様には人権がございません』の原作である小説版はすでに完結しています。結論から書くと本作はハッピーエンドを迎えました。 トールは仲間たちとともに、「家畜解放」を実現するため主導者として尽力してきました。そしてラストでは多くの人の心に訴えかける演説をし、自分たちの夢を叶えるための舞台を整えます。 その後はトールに推された美亜がリーダーとなり、平和な世の中を作り上げるために奮闘することに。まだまだ課題は多いでしょうが、希望が感じられる幕引きとなりました。

人権のある者とない者に分けられ、人権がないと見なされたヒトは、家畜として人間に良いように扱われてしまうという恐ろしい物語世界です。 人権の基準について政府が明らかにしておらず、17歳の判定日に人権適性があるかないか一方的に結果が送られてくるという社会のあり方には非常にゾッとさせられます。 まさか自分は大丈夫だろう、そんな思いを抱えながら結果を開き、主人公が家畜と判定される場面には共感と恐怖で思わず冷や汗が流れます。

家畜として認定されてしまった主人公たち。彼らは、収容された後様々なグループに分けられていきます。ペット、家畜の餌、奴隷、そして、裏カジノの賭け対象。 主人公たちは人権のある金持ちたちを楽しませる裏カジノで、自らの命を賭けて戦うことになります。 人権もちの人間たちからなんとか解放されるために日々策略を練り、必死に生きようと抵抗する彼らの姿は、応援したいという気持ちにさせられるのです。

『皆様には人権がございません』の原作者は、『小悪魔教師サイコ』で知られる三石メガネです。『小悪魔教師サイコ』も原作小説とコミカライズ版が配信されており、両方を読み比べる楽しみがあります。 本作はサイコパスな美人教師を主人公とした作品で、ゾッとしたりハラハラしたり、ダークな展開が味わえるのが魅力。スカッとする要素もあって読みごたえたっぷりです！こちらも『皆様には人権がございません』と合わせて楽しんでみてくださいね。

この記事では『皆様には人権がございません』のあらすじや結末ネタバレを紹介してきました。 ダークな世界観と手に汗握る展開が魅力の本作。原作小説のほかイラストノベルや漫画にもなっているので、それぞれを見比べながら楽しんでみてはいかがでしょうか？