漫画『この世は戦う価値がある』最新話まで全話ネタバレあらすじ＆感想！死を決意して自由になった女の人生の大決算

『この世は戦う価値がある』は人生に絶望した1人の女性が、過去にやり残したことを清算しながら自分の人生に意味があったのかを自問自答していくヒューマンドラマです。 この記事では『この世は戦う価値がある』のストーリーをネタバレ込みで最新話まで解説していきます。どん底から自分らしさを取り戻していく主人公の逆転劇に注目です！

25歳の伊藤紀理は他人から理不尽に仕事を押し付けられ、毎日寝る間もなく働く日々を過ごしていました。プライベートもモラハラ彼氏から性的DVを受けたり、お金を無心されたり、挙句の果てには浮気までされ踏んだり蹴ったり。 精神的にも肉体的にも限界を迎え自ら命を断とうと決心した紀理は、身辺整理中に郵便で届いていたドナーカードを見つけます。 死んだ後に必ず誰かの役に立てるというお守りを手に入れた彼女は、これまでの人生を捨て自由に生きることを決意。貸しを取り立て、借りを返し、奪われたものを奪い返す、人生の決算を始めたのでした。

彼氏と別れ、仕事も辞め、自由な人生を歩み始めた紀理は、ひょんなことから出会った酒屋の娘・ゆかと仲良くなります。普段は明るくしっかり者のゆかでしたが、心にある闇を抱えていました。 実はゆかの母親はひき逃げの事故で亡くなっていて、犯人が未だに捕まっていなかったのです。周囲から無責任な言葉を投げかけられ続け、孤独感に苦しんでいたゆか。 紀理はそんなゆかの姿を、幼くして亡くなってしまった弟の代わりに生きろと言われ続けた自分と重ねていました。そして人生でやり残したことリストを消化する協力をしてもらう代わりに、一緒にひき逃げ犯を見つけ出して殺そうと約束します。

依然人生の決算中の紀理は、借りたままになっていた物を全て持ち主に返すべく、かつての同級生たちの元を尋ねていました。当時流行っていたキャラものの下敷きやCDなど、順調に借り物を返し続け、ついに最後の1人に辿り着きます。 最後の1人は小学生のころよくケンカしていた男子・西野。彼は弟が入院してヤンチャ女子から周囲の顔色を伺ういい子ちゃんになっていった紀理を心配してくれていた1人でした。 そして誰も彼もが口をそろえて「変わったね～」と言う今の紀理を見て、西野だけは「昔のお前に戻った」と言ったのです。肝心の返し物はなぜか突き返されリスト消化できずでしたが、紀理は思いがけず1度失った友情をまた手にすることになりました。

公営ギャンブルを制覇するという決算リストのひとつを消化するべく、パチンコ店へとやってきた紀理。そこで謎の男・岳に気に入られ、一緒に次なる挑戦の場・競馬に行くことになります。 パチンコ同様、競馬もこんなものかと思っていた矢先。岳からぬるい掛け方を馬鹿にされ、ムキになった紀理は最終レースに50万円をつぎ込んでしまいます。 結果はまさかの大勝ち。しかし結果よりも、これまでの人生で感じたことのない命を削るような興奮を味わったという達成感を手にするのでした。 その後打ち上げとして飲みに行った紀理は、自分とは全く違う観点で他人を見ている岳に興味を惹かれ始めます。

時は遡り、西野が紀理と再会する少し前。自動車保険会社の営業として働く西野は小さいころからの夢だった「誰かを助ける人」になるべく、毎日ガムシャラに仕事をこなしていました。 しかし現実は甘くなく、夢に描いていた自分とのギャップに心が折れそうに。そんな時、西野の脳裏に小学生の頃の記憶が蘇ります。 当時弟のことで落ち込む紀理を元気づけたいという一心で大切なカードをあげた西野。結果的に望んだような紀理の笑顔は見れなかったものの、当時の恩師にはその思いやりの行動を褒められました。 そして先生から「始めたことは最後までな」と言われたことを思い出し、もう1度仕事と向き合い、自分にできる精一杯を尽くそうと決意したのです。

心身ともに追い詰められ限界を突破した主人公・紀理が見せた、衝撃的すぎるシフトチェンジの様子は、本作冒頭の大きな見どころのひとつ。人権無視な扱いをしてきた上司や彼氏を完膚なきまでに圧倒する逆転劇は痛快の一言に尽きます！ 1度全てを捨てる覚悟を決めた人間の強さをまざまざと見せつけられました。「まだまだ人生これからどうにでもなる！」と、読んでいる方も勇気をもらえますよ！