漫画『すべては子どものためだと思ってた』最終回まで全話ネタバレ！結末や無料で読む方法についても解説

この記事では、『娘がいじめをしていました』などのセミフィクション漫画が話題の作家・しろやぎ秋吾が描く『すべては子どものためだと思ってた』最終章までのネタバレを紹介します。 本記事内で本作をお得に読む方法も紹介していきますので、ぜひお得な方法で『すべては子どものためだと思ってた』をチェックしてみてくださいね。

未熟児で生まれた息子のこうたを心配する母親のくるみは、「こうたが外で遊んでいたら体調が悪くなった」という報告を受けて学校へ来ていました。 本人も教師たちもそれほど心配していなかったものの、大事を取ってこうたを早退させることにしたくるみ。周囲の子どもたちからこうたが下に見られていると感じた彼女は現状に不安を感じています。 楽観的にこうたの将来を見ている夫と対象的な感情を持っていたくるみは、育児ブログの影響でこうたに習い事をさせることに。 未熟児故に子供の頃から病院にかかりきりだったこうたへの負い目から“こうたが将来つらい思いをしないように、出来ることは何でもやる”と改めて決意するくるみでしたが……。

空手教室に通うようになって友達もでき、自分から宿題に取り組むなど前向きな変化を見せるようになったこうた。 ある日くるみはこうたの友人・かえでの母から“中学受験”というワードを耳にします。ネットのクチコミで公立中学の評判が良くないことを知り、いつも読んでいるブログでも中学受験に取り組んでいるというエントリを見た彼女は「こうたにも中学受験をさせよう」と思うように。 初めのうちは順調に成績を伸ばしていたこうたですが、徐々に成績が下がってきてしまいます。こうたの成績を伸ばそうと大好きだった空手教室もやめさせてしまったくるみは、ただ息子の成功を信じる他ありませんでした。 そして受験が終わり、合格者の受験番号が書かれた掲示板を見に行ったくるみとこうた。しかしそこにこうたの番号はなく……。

中学受験に失敗し、ふさぎ込むようになったこうた。くるみは「高校こそ私立に」と中学受験の失敗をバネに前進しようと情報収集に励んでいました。 さらに勉強の時間が増えたこうたにかつてのような元気はなく、そんな彼を心配するかえで。すでにこうたはくるみからのプレッシャーで押しつぶされそうになっていたのです。 こうたが小学生の頃は「まだみんなと遊びたい」と言っても体調を理由に帰宅させられていたのに、現在は具合が悪くても学校や塾を休ませてもらえません。 そんな生活に心身ともに疲弊しきったこうたは倒れてしまい、それでもまだ何が悪かったのか気づけずにいるくるみ。 そんな彼女の異常性に以前から辟易していた夫のけんじは、とうとうくるみのことを「毒親」と罵倒してしまい……。

けんじに言われた「毒親」という言葉で初めて自身の行いを振り返ったくるみ。子供の頃に優秀なきょうだいと比較され続けながら育った彼女は「私は自分の子供をちゃんと見ていてあげたい」と思いながらこうたに接していたつもりでした。 しかし彼女のそうした想いが刃となってこうたを追い詰めていたことに気づいたくるみは、ここでようやく自分がこうたにしてしまった事に気づくのでした。 教育について発信していた人気ブロガーの息子が事件を起こしてニュースに取り上げられ、こうたもこうなってしまっていたかもしれないと恐怖を感じたくるみはこうたに今までのことを謝ります。 もう高校受験もしなくていいという母親の言葉を信じられなくなっていたこうたは自室に引きこもるようになってしまい……。

くるみの過剰な教育の被害者は、こうただけではありませんでした。こうたの妹・こころもまた狂ってしまった母親の被害者だったのです。 こころは母親に見てほしいと手伝いを頑張っていましたが、母の目線はいつもこうたの方を向いていました。母の愛情を感じられずに寂しい思いもした彼女ですが、その分けんじが目を向けていてくれなければ今の彼女はありません。 くるみはこうたが引きこもってから“こうたの様子を見てあげて”とこころに頼みます。憔悴した弟の様子を見てなんとかしなければと感じた彼女は、こうたを連れて家を飛び出すのでした。2日後に発見された2人に“絶対に変わるから”と約束するくるみを見たこころは……。

この作品では体の弱い息子を心配するあまり、支配型の毒親となってしまったくるみの心情がリアルに描かれています。こうたの心情も丁寧に描かれているため、読んでいると胸が苦しくなってしまうワンシーンも。 本作では親と子両方の視点で「子どものための幸せ」について描かれていて、子どもにとっての幸せと親にとっての幸せはまるで違うものなのだと身をもって知らされます。くるみが子どもたちに接する姿から、他者の幸福について考えさせられる1冊となっていますよ。