漫画『娘がいじめをしていました』最終回の結末までネタバレあらすじ解説！SNS拡散の犯人は？無料でrawやpdfで読める？

ある日突然、愛しい我が子がいじめの被害者・加害者になった時、親は子どものためにいったい何ができるのでしょうか？そんないじめ当事者たちの葛藤を赤裸々に描いた漫画『娘がいじめをしていました』。 この記事では気になる本作のあらすじを、結末までネタバレ込みで解説していきます。作品の配信状況、見どころや読者レビューも紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。

娘の同級生の母親からかかってきた1本の電話で、娘がいじめをしていることを知った加奈子。早急に被害者児童の家に向かい謝罪を受け入れてもらうも、かつていじめを受けていた身として我が子への不信感を募らせていました。 一方娘が学校でいじめられていたと知った千春は、苦しむ娘の姿を見て加害者への憎しみに心を支配されていきます。 そして両家族間のいじめ問題は次第に周囲を巻き込み、思いもよらない事態へ発展していき……。

愛の母親。中学時代にいじめの被害に遭い、今でも心に傷を負っています。

愛の父親。自分の子育てに自信があり、娘のいじめ話も最初は半信半疑でした。

小学5年生の娘。小春をいじめていましたが、親には嘘をついて隠していました。

小春の母親。いじめで不登校になった小春を辛抱強く見守ろうとします。

小春の父親。娘のいじめをただの子どもの喧嘩だと言い、どこか人ごとな態度です。

小学5年生の娘。幼い頃は仲良しだった愛にいじめられ、登校拒否になりました。

小学生の娘を持つ赤木加奈子。5年生に上がった娘の愛はすっかり手がかからなくなり、彼女を取り巻く人間関係も複雑化していました。学校での話は加奈子の知らないことだらけでちょっと寂しい気持ちに。しかし、親があまり首を突っ込むのは良くないと思いあまり詮索せずにいたのです。 テレビでいじめのニュースを見た加奈子は、何とはなしに学校でいじめは起きていないかと質問。「みんな仲良いよ」と笑顔で答える娘に安堵し、うちの子に限っていじめに関わることはないと思っていましたが……。 ある日、加奈子は愛が同級生の馬場小春をいじめていると知ります。小春は自分が嫌がらせをされていることを両親に告白。数日後に怪我をして帰ってきた娘を見て母親が学校と赤木家に連絡をしたのです。電話でこの話を聞いた加奈子は反射的に謝罪し、愛からも詳しく話を聞くことにしました。 それとなく学校の様子や小春との関係を聞いてみると愛はヘラヘラしながら普通だよと応えます。しかし電話が来た以上何もないわけはありません。その後夫を含む3人で家族会議をした結果、愛が悪気なく小春をいじめていることが判明したのです。 自身も中学時代にいじめを受けていた身として、普段と何ら変わりのない娘の笑顔は到底受け入れられるものではありませんでした。そして次第にいじめ加害者として我が子に対して嫌悪感を抱くようになります。 後日加奈子たちは謝罪をするため馬場家へ。小春の母・千春から昔は仲の良かった愛からいじめられ、小春が深く傷付いていることを告げられます。そして厳しい言葉を受けながらも、謝罪を受け入れてもらうのでした。

加奈子が一番許せなかったのは、再三「いじめなんてないよね？」と確認したにも関わらず愛が平然と嘘をついていたことでした。娘の姿が自分をいじめていたクラスメイトと重なり、彼女の感情が爆発してしまったのです。 夫は「もう同じことは繰り返さないだろ」と愛がちゃんと謝罪したことを評価していましたが、加奈子はいじめた側が謝罪したところですんなり許せるわけがない事を知っていました。しかし、この時はまだ「私たちは大丈夫」と根拠のない気持ちにすがるしかなく……。

赤木家が謝罪にやってきて以来、小春は学校に行けなくなっていました。最初の頃は静かに見守っていた千春も、不登校の期間が長くなるにつれ焦燥感を隠せなくなっていきます。千春は娘が勉強に遅れないように仕事を早く上がって一緒に勉強をするようにしていました。 そんな中、職場でフリースクールの話を聞いた千春は学校に行けなくなった小春を通わせようと考え、夜帰ってきた夫と話し合いますが……。「ちょっと甘やかし過ぎなんじゃないの」「そもそも君が電話してことを大きくしたんでしょ」と他人事のような返事が返ってきたことで言い争いになってしまいます。 千春はどれだけサポートしても普通に学校にいけない小春にも苛立つようになり、謝罪を受け入れたとはいえ平穏をぶち壊した愛への憎しみは増していく一方。そして思わずばったり出会った娘の同級生の母親に、いじめのことを一切合切話してしまうのでした。 相談を聞いて共感してもらえたことで少し気持ちがスッキリした千春。帰宅すると家にいた小春が急に「9月から頑張って学校に行きたい」と言い、保健室登校の話に。生徒が下校した後に教室に入る練習をすることになります。娘に普通に学校へ行って欲しい千春としては願ってもみない展開でした。 しかし、いざ登校日を迎えた小春は足がすくんで結局学校には行けなかったのです。そんな娘の様子を見た千春は、いじめの加害者側が謝っただけでは済まない、終わらないんだとまたイライラしてしまいます。 一方赤木家では新たな問題が発生。なんと匿名の告発によって、いじめの加害者として愛の顔写真がSNSに流出してしまいました。「#拡散希望　同級生をいじめて不登校にさせたクズ」という一文とともに愛の写真が投稿されていることに加奈子が気づいたのです。 薄っすらと千春を疑いつつもまずは投稿を消さなくてはと慌てる加奈子。そんな中、ずぶ濡れになった愛が帰宅。彼女が言うには、誰かが間違えて傘を持って行ってしまったので土砂降りの中傘もささずに帰ってきたとのことで……。

自分の娘がいじめっ子として晒されていることに気づきパニックに陥る加奈子。いじめ問題が周囲に知れ渡ったのと同時に想像を遥かに超えた凄惨ないじめの内容を知り、愛に対して完全に心を閉ざしてしまいます。 それまでは加害者側の心境に寄り添おうと努力していたものの、もはや愛を全く信じることができなくなり……。彼女が小春の代わりにいじめられるようになったと知ってもなお、加奈子の心が動くことはありませんでした。 同じころ千春もいじめの実態をより詳しく知ることになります。彼女も想像以上の酷いいじめ内容を目の当たりにし、謝罪だけでは足りないと憤ります。そして娘を追い詰めた愛とその一家を徹底的に糾弾することを決意しました。 学校に対して適切な処理をするように要求したところ、彼女の便乗するように他の保護者たちも集結。一緒に訴えると申し出てきて事態はさらに大きくなっていくのでした。 そんな折、SNSで顔・名前・学校が広まってしまった愛が、第三者から危害を加えられるという事件が発生します。

加奈子が愛の加害行為をはっきり認識したのは、運動会の準備について話し合う保護者会の日。議論自体はスムーズに終わり、解散になった時に担任の先生を呼び止める女性がいたのです。彼女は千春がいじめについて相談した清水でした。 清水は「小春ちゃんのいじめについて把握していますか」と勢いよく先生に迫り……。周囲の目を気にして話を止めようとする先生を批判しつつ、ネットに公開されているいじめ動画の件についても話題に出します。一方、当事者である加奈子は騒然とした教室をひっそりと抜け出しました。 加奈子がSNSで娘の名前を検索すると、拡散希望のついたいじめの証拠動画が上がっていました。その動画に映っていたのは「今日の動画はー、いきなり死んだことになっていたドッキリ！」と言いながら小春の机に花瓶を置き、愛が小春の反応を他のクラスメイトと笑いものにするという悪質ないじめでした。 それはかつて加奈子自身が中学生の頃に受けていたのと全く同じもの。まさかこんなにはっきりと愛がいじめを行っているとは思わなかった加奈子は失望感から愛に平手打ちをし、彼女と関わることを徹底的に避け始めます。その矢先に愛が事故に遭ったと聞いた加奈子は……。

加奈子は自分が愛を守らなかったせいで彼女が被害に遭ったのだと後悔します。幸いにも愛の怪我はかすり傷程度で済んでおり、脳にも異常はないとのことでした。警察の話によると彼女は下校途中に後ろから近付いてきた原付バイクに蹴り飛ばされたようで、容疑者は確保されたとのことでした。 担任の先生も学校から駆けつけ、自分の罪を反省している愛を守ると言います。先生が愛が次のいじめのターゲットにされていることを知っているのか疑問に思う加奈子。泣いて謝る愛としっかりと向き合う覚悟を決めます。 それから赤木家はついに住所を特定され家や夫の職場にまで嫌がらせをされるように。そんな中、愛は小春に手紙を書いたから届けて欲しいと加奈子に訴えます。見たくもないいじめっ子からの手紙は更に傷つけるのではないか……。そう思いつつも、涙ながらに懇願する娘を見て小春の家に向かうことにします。 千春はのこのこと加奈子がやってきたことに腹を立て、手紙のことを聞いて更に激昂。しかしその手紙を破ることはできず、げた箱の上に放置しました。 それから加奈子は学校からいじめの件で保護者会に参加するよう求められ1人で学校へと乗り込みます。彼女が他の保護者たちから一斉に非難されている中で、千春は自分のやり方が正しかったのか自問していました。 そしてうちは無関係だと暗に主張する保護者たちを見て、やってきたことは無意味だったと自覚。もっと小春の気持ちを聞くべきだったと気が付くのでした。 それから数ヶ月後、匿名の嫌がらせが続いていた赤木家は引っ越しを選択。涙を流しながら小春から貰った手紙を読む愛を見ながら、加奈子は愛の罪を一緒に背負っていこうと静かに決意するのでした。

いつの間にか動画を撮影した犯人探しに変わってしまった保護者会で「みんな自分を守ることしか考えていないんだ」と気づいた千春は、話を聞いてあげられなかったことを小春に謝罪します。 一方赤木家には、引越し当日に小春からの手紙が届いていました。手紙にははっきりと「許せない」という言葉があり、手紙を読んで大粒の涙を流す愛の姿を見て「世界中の誰も許してくれなくても、絶対にこの子を一人にはさせない」と加奈子は固く誓うのでした。

小春に対するいじめの内容は、愛が小春を無視して仲間はずれにするところから始まりました。孤立する小春に向かって「うざい」などの心ない言葉を吐き、彼女の心を傷つけます。 女子のいじめではよくあるパターンですが、いじめの傷は肉体に負った傷よりも心に負った傷の方が深いと言います。愛の言葉の暴力で、小春の心は深く傷ついたのではないでしょうか。 愛のいじめはさらに攻撃性を増し、小春にぶつかって彼女を転ばせるなど、肉体的ないじめへとエスカレートしていきます。作中では直接的に暴力をふるうシーンは描かれていないため、どこまでのいじめがあったのかは不明です。 SNSで拡散されたいじめの実態は、愛が話していた内容よりも酷かったようなので、かなり陰湿ないじめがあったのかもしれません。昔は仲良しだった友達にいじめられる小春の心中を思うと胸が痛みます。

愛がいじめの加害者であることをSNSで拡散した犯人は、作中で明かされていないため不明です。愛の母親は過去にいじめ被害に遭い、いじめを許せない気持ちがあったため、犯人を探して愛を守ろうとしなかったからです。 SNSで拡散されるまでの経緯を見ると、いじめ被害者の母親である千春が拡散させた可能性があります。千春は娘の不登校が長期化するにつれ、苛立ちと絶望感を抱くようになっていました。自分たちの家庭が、愛のいじめによって壊されたことを恨むようになるのです。 千春は、恨めしそうに愛の一家を思い出しながら、無言でスマホを見つめていました。その直後に、愛の写真がSNSで拡散されていることが発覚します。これらの流れを見ると、娘の人生を壊された千春が、愛をネット処刑にして復讐を果たしたのかもしれません。

一般的な勧善懲悪作品のようにいじめっ子に制裁を加えたら終わり、といかないのが現実世界。作中では1つのいじめから始まるいじめの連鎖や、当事者家族のその後の生活などが辛辣すぎるほどリアルに描かれていきます。 立場によって物語の見え方も変わるため、受け取り方は千差万別。正解の分からない問題提起に歯がゆさを感じつつも、きっと読み終わったあとに「もし自分だったらどうするだろう」と考え込んでしまうでしょう。

作者のしろやぎ秋吾は、SNS中心に活動するイラストレーター・漫画家。SNSのフォロワーから募集している体験談を漫画にしています。 主な代表作は、普通の人が日常生活で遭遇した怖い体験を描いた『フォロワーさんの本当にあった怖い話』、10代でいじめや虐待などの経験を乗り越えた体験談『10代の時のつらい経験、私たちはこう乗り越えました』などがあります。 読者のリアルな体験談を元に、日常のエピソードやいじめ、家庭問題などの社会問題を真っ向から捉えつつもゆるいタッチで描いた作風が特徴です。 上記の体験談や本記事で紹介した漫画『娘がいじめをしていました』はX(旧Twitter)やしろやぎの漫画おおめブログでも公開中。作者のいじめ体験に関するツイートや漫画を読んだ人のコメントと合わせて読むことで、より作品の世界観を楽しむことができます。 『お年寄りにキュンとした出来事』や『ちょっといい話』といった明るい内容の漫画もたくさんあるので、ホラーやドロドロとした体験談が苦手な人もぜひ1度覗いてみると面白いかもしれませんね。可愛らしくカラフルなイラストがより内容にマッチしていてとっても和みますよ！ 上で解説した作品の大半は無料で読めますが、Kindle版の電子書籍や単行本もAmazonで発売されています。シリーズをまとめて一気に読みたい、作者を直接応援したいというファンはこちらの購入も検討してみてはいかがでしょうか。