【ネタバレ】映画『サユリ』あらすじを原作と比較してネタバレ!不文律ガン無視の革新的ホラーが実写化

「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!」シリーズの白石晃士監督×『ミスミソウ』作者の押切蓮介がタッグを組んだ「サユリ」(2024)。 前半の不気味な雰囲気から一転、後半は認知症のばあちゃんがーー。誰も結末を予想できない新たなホラージャンルが誕生しました。 この記事では『サユリ』のあらすじをネタバレありで詳しく紹介!原作との違いやキャストもまとめて解説します。
映画『サユリ』概要
タイトル | 『サユリ』 |
---|---|
原作 | 『サユリ 完全版』 |
公開日 | 2024年8月23日(日本) |
監督 | 白石晃士 |
キャスト | 根岸季衣 , 南出凌嘉 , 近藤華 , 梶原善 , 占部房子 , きたろう , 森田想 , 猪股怜生 |
一戸建てに引っ越してきた神木家は、奇怪な現象の数々に悩まされていました。その原因は、かつてこの場所で亡くなった少女「サユリ」の仕業だったのです。サユリは神木家の命を奪っていき、残るは長男・則雄(南出凌嘉)と祖母・春枝(根岸季衣)だけになってしまいます。 絶体絶命のピンチに認知症だったはずの祖母・春枝が大覚醒!「アレを地獄送りにしてやる」と怒りをあらわにする春枝と、謎の幽霊・サユリの壮絶なデスバトルが幕を開けました。
映画『サユリ』王道ホラーの予感?前半あらすじ

「サユリ、元通りの家族に戻りましょう」母の呼びかけに対して、引きこもりの女性・サユリはバールを手にしてーー。 その10年後、神木一家は中古のマイホームを手に入れました。新生活に喜ぶ家族でしたが、少女の笑い声や急に点灯するテレビなど、不可解な出来事が度々起こります。長男・則雄は、学校の同級生・住田から少女の霊がついていると伝えられました。 ある朝、父・昭雄が長女・径子の部屋で心筋梗塞により死亡。さらに数日後、祖父・章造も庭の一箇所を掘りながら、心不全で亡くなったのです。 死の連鎖は終わりません。次男・俊が3階から飛び降り自殺し、長女・径子も自分の首にナイフを突き刺し死亡。母・正子までも首吊り、と一夜で3名が自殺してしまいます。
【ネタバレあり】映画『サユリ』後半あらすじ

太極拳ババァvs巨漢幽霊?
茫然自失の則雄を救ったのは、もう1人の生き残りである認知症の祖母・春枝でした。なぜかファンキーなばあちゃんに戻った春枝は「さっきのあれを地獄送りにしてやるんじゃ!」と復讐を誓います。 霊に対抗する力は生命力だと言う春枝は食事、睡眠、そして太極拳の特訓を則雄に課しました。さらに目の前に霊が現れると、命が乗っかった言葉を浴びせろと指示する春枝。則雄は「元気ハツラツ!おま◯こまんまん!」と叫び、霊を撃退しました。 祖父・章造が掘っていた穴から頭蓋骨と学生証が見つかり、霊の正体がこの家で殺された「サユリ」だと判明します。春枝はサユリを殺した実の家族を見つけ、拉致。しかし家に帰るとサユリは暴走中で、則雄を助けに来た住田がサユリに捕らえられていたのです。
サユリの正体は?過去に隠された秘密をネタバレ
サユリは幼い頃、父親から性的虐待を受けていました。醜くなれば被害にあわないと思ったサユリは引きこもり、不潔な生活を送るようになったのです。 冒頭のシーンは、そんなサユリの鬱憤が爆発した瞬間でした。しかしサユリは家族に捕らえられ、逆に首を絞められ殺害されます。 現代に戻り父・妹を殺害し、母を失明させ復讐を終えたサユリでしたが、住田を返しません。サユリの触手攻撃を太極拳でかわした則雄は「住田とヤりたい!」と生命力が詰まった欲望を叫び、住田の救出に成功。 醜い姿のサユリはあどけない少女の姿に戻り、消えていきました。
映画『サユリ』原作との違いは?
大筋の内容は原作通りですが、大きな改変が3つありました。 1つ目は「サユリの設定」です。原作では父親の性的暴行という描写はなく、単に引きこもりの少女となっています。そのため、自ら醜くなる流れもないため、巨体幽霊は登場しません。 2つ目は「下ネタ」です。「おま◯こまんまん!」や「住田とヤりたい!」と言った下ネタはありません。ちなみに原作では「サユリ」に生命力を示すシーンで、ばあちゃんがラーメンにこしょうをぶっかけて思いっきりむせる、という映画に負けない迷シーンが描かれています。 そして3つ目が「太極拳」です。太極拳の訓練シーンはないため、ばあちゃんが1人で戦います。なぜかよく野球バットを握っており、映画よりも戦闘狂感が強めです。
映画『サユリ』監督が「幽霊」の概念をガン無視!

本作はホラー映画を30本以上撮ってきたJホラーを代表する監督・白石晃士がメガホンを取りました。 映画における「幽霊」のイメージといえば、青白く、今にも消えてしまいそうなか細い姿。また、幽霊側の攻撃は呪いや超常現象、人間側もお札やお祓いなどが一般的です。 しかしサユリは、どす黒い体にはっきりと見える巨体。また霊でありながら、バールを使うなど物理攻撃もお手の物です。そして対抗する春枝も太極拳で触手を破壊するという、まさかの「物理対物理」で決着を付けており、どの点でも普通の幽霊映画とは一線を画しています。
映画『サユリ』キャスト紹介
神木春枝(ばあちゃん)役/根岸季衣

神木春枝(ばあちゃん)を演じたのは、数々のヒット作に出演する根岸季衣。 つかこうへいの『ストリッパー物語』(1975)で主演に抜擢されると、『蒲田行進曲』(1982)など、つか作品に欠かせない女優となり、その後も名脇役としてさまざまな作品で活躍しています。 原作から大きくキャラが変わったばあちゃんになったため、舞台挨拶で原作者の押切に謝罪するも「最高でした」と、その演技力に太鼓判を押されました。
神木則雄(主人公)役/南出凌嘉

主人公の神木則雄を演じたのは、南出凌嘉です。 NHK連続テレビ小説『純と愛』(2012)でドラマデビューすると『あさが来た』(2015)、『らんまん』(2023)と、何度も国民的ドラマに出演を果たしています。久しぶりの映画主演となった南出は、舞台挨拶で本作を「ポジティブホラー」と命名しました。
住田 奈緒(学校の友達)役/近藤華
住田奈緒を演じたのは、2021年デビューの女優・近藤華です。 デビューからわずか2ヶ月で『三井のリハウス』のCMにてメインキャストに大抜擢。菅田将暉の楽曲『ギターウサギ』(2022)のMVでは、クリエイティブ・ディレクターを担当するなど、多方面に活躍の場を広げています。
映画『サユリ』実際の評価は?

一瞬たりとも気が抜けないホラー映画が見たい!という方にはおすすめしません。ジャンル分けは強いて言うなら「ホラー×アクション×コメディ」という新ジャンル。前半は純粋なホラー映画ですが、ばあちゃん覚醒から完全に笑かしに来ています。 また、白石監督ワールドにどっぷり浸かりたい方には大変おすすめです。怪奇現象に物理攻撃といえば「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!」シリーズのバットを思い出しますよね。
映画『サユリ』はホラーの常識を刷新する
押切蓮介の傑作ホラー漫画が、白石晃士監督の手で進化した映画『サユリ』(2024)。 「下ネタ」や「太極拳」などの改変に関して賛否両論ありますが、常識を打ち破る痛快ホラーを見たい方におすすめです。