映画『口に関するアンケート』ネタバレあらすじを解説!なぜ小さいのかについても考察
モキュメンタリー小説の人気作家・背筋氏の『口に関するアンケート』が、2026年に映画化決定。主演は板垣李光人、監督は「呪怨」シリーズの清水崇という、超豪華なタッグが実現しました。 この記事では、『口に関するアンケート』の原作をネタバレありで解説!さらに、映画のあらすじやキャストも紹介します。
映画『口に関するアンケート』あらすじ【ネタバレなし】
主人公の村井翔太(板垣李光人)は、仲間を誘ってある霊園へ肝試しに向かいます。しかしその翌日、グループの一人である杏(吉川愛)が謎の失踪を遂げてしまいました。 残された手がかりは、霊園へ向かった5人の学生たちによるインタビュー記録のみ。彼らは暗闇で何を目撃したのか?そして、タイトルにある「口に関するアンケート」が意味するものとは……? 原作・背筋(『近畿地方のある場所について』)× 監督・清水崇(「呪怨」「村」シリーズ)という、新進気鋭のホラー作家とJホラーの巨匠による最強タッグが贈る、2026年注目のホラー作品です。
『口に関するアンケート』全編ネタバレ解説
録音された5人の音声データ
1人目は、大学生の村井翔太です。翔太は3人の友だちと、肝試しで霊園に向かった話を語ります。1人ずつ正門から入って「呪われた木」を通り、車まで戻る肝試しを行い、その翌日から杏という女子がいなくなったのです。そして1ヶ月後、杏はその木で首吊り自殺をしていました。 2人目は、オカルト研究部の川瀬健です。翔太のグループよりも後に同じ霊園に向かい、木の下でセミの鳴き声を発する、首の長い女性を見たと語りました。 3人目は杏の彼氏・伊藤竜也、4人目は原美玲です。2人とも翔太のグループで、竜也は先に行った翔太と2人きりで話すため、木を通らずショートカットしたと明かします。 そして美玲は、杏から「元カレの翔太が『寄りをもどしたい』というLINEを送ってきた」と相談を受けたと証言。さらに肝試し中に蝉の鳴き声を聞き、木に向かうと杏が爪から血を吹き出しながら木を登ろうとしていた、と告白しました。 最後は、2人目の健と同行した堀田颯斗です。木の下で首の長い女性を見て、警察に通報した流れを解説します。
杏と5人の大学生はどうなった?
再び、それぞれ追加の音声データが記されます。 颯斗は木について取材を行っており、その真相を明らかにしました。その昔、仏様のように扱われていた木が、ネット掲示板から「呪いたい人を念じれば叶う」=「呪いの木」になり、SNS普及時には「木自体が呪われている」=「呪われた木」、と誤った情報が拡散されたそう。 そして翔太は、杏を奪った竜也に死んでほしかったためにネットで呪いを検索し、「呪いの木」の情報を見て、肝試しを計画したと告白。木に向かって「次に通る人を殺してください」と念じ、さらにセミの死骸を見て咄嗟に「あんな風に、殺してください」と付け加えたのです。 しかし、翔太はショートカットをしたために、杏が呪われて……。そして、翔太は音声の最後に「もうみんなには聞こえてないみたいだし」「じゃあ死にますね」と残して、データが終了します。
アンケートで全容が明らかに
最後には「口に関するアンケート」が付いていました。 内容は「口は災いのもとだと思いますか?」や「他の人に伝えようと思いますか?」という口にまつわる質問から始まり、徐々に「音読中にセミの鳴き声を聞きましたか?」や「音声データは、何に記録されたと思いますか?」という具体的な内容に。 そして、最後の問7。「大学生5人が霊園の大木の下でロープを首にかけた状態で、あの日のことを語り合い、自分が話し終えて許されると、一人ずつ台を蹴って自ら命を絶った光景をイメージしましたか」という、5人の最期を示す問いが投げかけられるのです。
【考察①】「口は災いのもと」の意味とは?
美玲の2度目のインタビューで「勝手に人が意味をくっつけて、良くも悪くもしちゃう」と語っています。霊園の木も、本来お寺の有り難い木だったものが、霊園となった際に「呪いの木」と言い伝えられてしまい、SNSの普及で「呪われた木」で広まってしまった、まさに「口は災いのもと」だったのです。 そしてまた、インタビューで話す学生たちもその伝聞やインターネットの情報を鵜呑みにして、木に集っていきます。そして、スマートフォンの話した内容は読者へと引き継がれていきーー。
【考察②】5人を集めたのは杏ではなく「呪われた木」?
最後に5人が集まった理由は、作中では語られていません。 あくまで推察ですが、杏は呪われた瞬間に「なぜ私がこんな目に遭わなければいけないのか」その真実を知りたい、と願ったとも考えられます。なぜなら、元彼の翔太、喧嘩中の竜也、そして2人をもてあそんでいると感じて、杏の相談を冷たくあしらった美玲、同行者全員に呪う可能性があったからです。 その願いを聞き入れた「呪われた木」が3人に加え、死ぬ前の杏を目撃して「呪われた木」の真実を探ったオカルト部2人も集めて、真実を語った者から自死するように仕向けたのではないでしょうか。
『口に関するアンケート』主演キャストは板垣李光人

主人公の村井翔太は、とある霊園に肝試しに行こうと誘う大学生です。元カノの杏、杏の現在の彼氏である竜也、そして杏に誘われた美玲とともに肝試しに向かいます。 演じるのは、俳優・板垣李光人です。本作が実写映画での単独初主演となります。これまで『約束のネバーランド』(2020年)や『なのに、千輝くんが甘すぎる。』(2023年)、『はたらく細胞』(2024年)など、漫画の実写化作品には数多く出演してきました。
『口に関するアンケート』小さすぎると話題の理由は?

ポプラ社は、通常よりも小さいサイズで発売した2つの理由を明かしています。 1つは、本作が60ページの短編小説である点。小さい方が普段読書をしない層も手軽に楽しめるためです。そして、2つ目は、コミックのように貸し借りができる点。本作の「口は災いのもと」というテーマも関係しているのかもしれません。 また、当初原作はWEB連載予定だったものの、社内で「怖くて面白い」と評判を呼び、アンケート形式という設定を最大限に活かすため書籍化された経緯もありました。
映画『口に関するアンケート』は2026年公開予定!

板垣李光人主演の映画『口に関するアンケート』は、2026年公開予定です! Jホラーを牽引する映画監督・清水崇がどのように映像化するのでしょうか。原作は60ページと1時間たらずで読める短編ホラーのため、興味のある方はぜひ読んでみてください。
