【ネタバレ】映画『近畿地方のある場所について』が原作と違いすぎる?ラストを徹底考察!
小説投稿サイト「カクヨム」発の大ヒットホラー小説『近畿地方のある場所について』が、2025年に実写映画として公開されることが決定しました! 本記事では映画の基本情報や原作小説のネタバレありの解説、考察などをまとめていきます。
タップできる目次
- 【ネタバレなし】映画『近畿地方のある場所について』あらすじ
- 映画『近畿地方のある場所について』怖すぎるラストまでネタバレ
- 【ネタバレ考察】3種類の怪異の正体を解説
- 原作と違いすぎる?映画で登場した謎を考察&解説
- 原作『近畿地方のある場所について』結末までのあらすじを解説
- 映画『近畿地方のある場所について』ネタバレ感想
- 【解説】近畿地方のある場所とはどこ?実話なの?
- 【キャスト】映画『近畿地方のある場所について』の登場人物を解説
- 映画『近畿地方のある場所について』監督・スタッフ解説
- 原作『近畿地方のある場所について』の感想・評価
- 主題歌は椎名林檎の「白日のもと」に決定!
- 見どころはモキュメンタリー形式でリアルな物語
- ジャパンプレミアの場所が謎解きに?
- ◾︎映画『近畿地方のある場所について』のネタバレ考察をチェック!
【ネタバレなし】映画『近畿地方のある場所について』あらすじ
とあるホラー雑誌の新人編集者が、行方不明になりました。 共に企画を進めていた知人のフリーライターは、彼が消息を絶つ以前に過去の途方もない数のオカルト記事やインタビューを読み漁っていたことを知ります。 記事の内容はいわゆる都市伝説や眉唾物の怪談話、実際に起こった不可解な失踪・死亡事件など様々。一見何の関連性もないように思われましたが、読み進めていくうちに「とある場所」の存在が浮かび上がってきました。 そして全ての情報が繋がったとき、「とある場所」に隠された恐怖の正体が明らかになっていき……。
映画『近畿地方のある場所について』怖すぎるラストまでネタバレ
【起】前半モキュメンタリーが最恐
1984年 | 少女失踪、目に穴の空いた少女の目撃談 |
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1991年 | 日本アニメ昔話「まさるさま」放送 |
1999年 | 「島国ニッポン クイズ大作戦!!」で団地の遊び「ましらさま」放送 |
2002年 | 林間学校での集団ヒステリー |
2003年 | 「イッツテレビ最先端」放送 |
2013年 | ツーリングVlogの山回の配信 |
2014年 | 団地の家族の映像収録 |
2015年 | ニコ生主が「首吊り屋敷」配信 |
2018年 | 埼玉で一家行方不明事件 |
あるときオカルト雑誌の編集長・佐山が、次号の特集記事の原稿を持ったまま失踪します。編集部員の小沢(赤楚衛二)は、ライターの瀬野(菅野美穂)とともに彼が残した資料をもとに特集原稿を復元することになります。 2人は1984年に発生した少女の失踪事件と、あるワイドショーの映像、そしてオカルト界では有名な、とある中学校の林間学校での集団ヒステリー事件の記録映像を見ます。 一見関連のなさそうな資料でしたが、2013年のあるバイカーのVlogには、人形だらけの祠と集団ヒステリー事件で生徒たちが聞いたのと同じ「声」が記録されていました。 そのほか心霊スポット「首吊り屋敷」へのニコ生凸ライブ配信や、「見たら死ぬ動画」を見た友人・佐藤が失踪したという大学生・目黒の証言が出てきます。首吊り屋敷の室内と佐藤のアパートの玄関には、同じ図柄の御札が貼られていました。 かつて首吊り屋敷があったのは近畿地方。また御札の出どころを探ると、近畿地方を中心に各地に分布していることがわかります。
【承】次々とつながっていく資料と関係者の失踪・死亡
2014年のとある家族のホームビデオには、「見たら死ぬ動画」に映っていた団地が。さらにそこで、子どもたちが鬼役に捕まると“みがわり”を捧げる「ましらさま」という鬼ごっこに興じる様子も映っていました。 その後も次々とつながっていく資料と関係者の失踪や死亡。そんななか、2人は目黒から“みがわり”のペットが死につづけているという近況と、「赤い女」の目撃情報を聞かされます。 最後の資料は、テレビで放送された「まさるさま」というアニメでした。その話では、まさるという青年が“神”から食べた者を操ることができる黒い柿を授かり、「柿を使って嫁を娶れ」と言われます。しかし彼は周囲に気味悪がられ、衰弱死してしまいます。ところがまさるが死んだ後も嫁を求める声が聞こえつづけたため、人々は祠を建てて「まさるさま」として彼を祀りました。 近畿地方のある場所に、なにかがあると確信する2人。 その後、一家失踪事件が起こった手芸店で怪奇現象に遭遇していた小沢は、偶然佐山のメモを見た後、「見つけてくれてありがとう」と言い残し、姿を消してしまいました。
【転】原作との差異が見え出す後半
瀬野に発見された小沢は、佐山の夜逃げを手伝った人物から彼の現在の住所を入手していました。佐山がいたのは富士山付近の一軒家。彼が瀬野に罵詈雑言を浴びせた後、「見つけてくださってありがとうございました」と言うと、佐山の妻が2階から転落。佐山も小沢にUSBメモリを託し、自死します。 USBメモリに入っていたのは、“やしろさま”を信仰する宗教団体のPV。そこには瀬野が映っていました。彼女は息子が何者かに殺され、宗教にすがっていた時期があったと告白。団体は奇妙な黒い石を御神体としていたと言います。 「まさるさま」に登場する“黒い柿”はこの黒い石のことであり、それが一連の事件の元凶ではないかと考えた2人は、石を破壊すべく「まさるさま」の絵本の作者を訪ねることに。 作者が暮らしていたのは「見ると死ぬ動画」に映っていた団地で、「ましらさま」遊びのことも知っていました。そして団地内で了(あきら)という男の子が縊死して以来遊び行われなくなったこと、息子の遺体を木から下ろそうとしていた母親・洋子の姿が忘れられないと語ります。 作者から御神体のある祠の場所を聞き出し、山へ向かう2人。トンネルで「赤い女」と「首の長い男の子」と遭遇しますが、瀬野は女を車で撥ね、そのまま祠へと向かいます。
【結】意外な黒幕が本性を表す
瀬野は「黒い石は“必要とされるところ”に出現する」、「首吊り屋敷にも黒い石が出現し、母子に奇妙な力を与えたのでは」と推察します。 2人は祠に到着しますが黒い石はなく、怒り狂った瀬野が鉄パイプで祠を破壊してしまいます。瀬野の石に対する異常な執着に困惑する小沢。すると山の中から「まさるさま」の声が聞こえてきました。声を辿っていくと、そこには水辺と巨木があり、瀬野の隣に黒い石が出現します。瀬野は亡き息子と再会すべく、佐山に石にまつわる事件を調査させていました。 佐山が調査をつづけることができなくなったため、なにも知らない小沢を“みがわり”にしようと、彼とともに調査を続行したのです。 すると2人の前に人でもサルでもない化物が現れました。捕らえられた小沢は黒い石に飲み込まれ、その後、赤ん坊の泣き声が聞こえてきます。 小沢が残した映像は、SNS上で拡散されました。瀬野は「取材中に姿を消した小沢くんの情報をお持ちの方は、ご連絡ください」と言います。「見てくださってありがとうございます」と言う瀬野が抱いていたおくるみの中からは、人ではない無数の触手がのびていました。
【ネタバレ考察】3種類の怪異の正体を解説
- 山へ誘う大きな怪物「ましらさま」/白い大きなサルとして祀られるようになった「まさる」
- 赤い服のジャンプする女/自殺した息子のために新興宗教に入信した母親
- 謎の男の子「あきらくん」/赤い服の女の息子
山へ誘う大きな怪物
山へ誘う大きな怪物「ましらさま」のルーツを辿ると、明治時代まで遡ります。とある村に住む・まさるは母の死後、奇行が目立つようになり近所の女性を殺害してしまいます。しかし村人によってまさるも死去。 まさるの祟りを恐れた村人は、5月3日を鎮魂の日として祭りを行うことにします。まさるはいつしか白くて大きなお猿さん、「ましらさま」として語られるようになるのです。 書籍ではまさるが祀られた祠は、100年前には既に建っていたと明かされます。そうなると女性を殺害したまさる自身も「山へ誘う何か」に誘導されていた可能性も。いや、そもそも本当にまさるが殺害したのでしょうかーー。
赤い服のジャンプする女
あらすじで紹介したように、赤い服のジャンプする女は新興宗教に所属していた女性であり、その息子・あきら(了)を自殺で亡くした母親だと推測できます。 この女の謎は「なぜ宗教に入信したのか」そして「ジャンプする理由」です。入院した理由は書かれていませんが、著者が掲載したあきらの顔写真には「唇顎口蓋裂」の跡や焦点が定まっていない目が映されており、息子の身を案じて入信した可能性が考えられます。 また「両手を上げてジャンプする」という不思議な行動ですが、これは小学校で流行った「ましらさまからお告げをもらう儀式」と同じ行動でした。あくまで推測ですが、新興宗教が祀っていたのは「ましらさま」だったのかもしれません。
謎の男の子あきらくん
謎の男の子・あきらくんは、「赤い服のジャンプする女」の息子です。命を喰らい続ける悪魔(アクマ)として描かれています。 自殺した理由は「ましろさん」の遊びに取り憑かれた少女が、身代わりとして差し出したから。そしてあきらの自殺から2年後に飛び降りた少女は、このときの少女だと考えられます。 赤い女が拡めた「了」のお札も、名前で使われる場合「あきら」と読めるため、あきらくんとの関連が濃厚です。「了」の前に登場した「女」と書かれたお札が、中央・鳥居の影「ましらさま」への供仏だとすると、「了」もまたーー。
原作と違いすぎる?映画で登場した謎を考察&解説
主人公 | 映画:小沢 原作:「私」 |
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作品のテイスト | 映画:ドラマパート中心 単行本:モキュメンタリーホラーが中心 文庫本:人間ドラマやミステリー要素が中心 |
失踪者 | 映画:編集長の佐山 単行本:「私」の友人・小沢 文庫本:小澤の知人・瀬野千尋 |
「赤い女」について | 映画:亡くなった息子を蘇らせようと「黒い石」を探す 単行本:息子を亡くし、新興宗教にハマる 文庫本:息子をいじめで亡くし、夫は病死、その後新興宗教に |
結末 | 映画:瀬野が黒幕 原作:不条理な結末 |
映画の黒幕は、オカルトライターの瀬野千紘(菅野美穂)でした。千紘は、亡くした息子タケルを蘇らせるため、編集長や小沢を利用して「黒い石」を追い求めていました。タケルもまた、あきらと同じように「ましらさま」の遊びによって命を落とした可能性があります。 そして、「赤い女」は「黒い石」をめぐって千紘と対立していました。本作では、それが映画全体の伏線となっています。 入場特典の短編小説を読むと、怪異は宇宙人で黒い石は隕石だと判明します。石を崇めていた宗教団体が「スピリチュアルスペース」という名前だったことも、この伏線の1つでした。 公式パンフレットでは、日本に古くから伝わるUFO伝説「虚舟(うつろぶね)」が本作のモチーフであることも明らかにされています。
原作『近畿地方のある場所について』結末までのあらすじを解説
本作は行方不明になった知人を探す著者・背筋が、情報提供を求めるため関連する記事や取材内容を投稿するという形で展開されていくモキュメンタリ―作品です。 収録されている情報は「近畿地方のある場所」が関わっているという以外、時系列も形式もバラバラ。しかし読み進めていくと、おおまかに3種類の怪異に分けることができました。 以下では3種類の怪異についてざっくりと概要を説明し、浮かび上がってきた全体像の考察と結末のネタバレをしていきます。
山へ誘うもの「ましらさま」
ましらさまは山に住む白くて大きな怪異で、「おーい、おいでー」という声で山の近くにやってきた人間を呼び寄せようとしてきます。山の神様として神社に祀られ大人しくしていましたが、1980年ごろから活発に動き回るようになりました。 ましらさまの目的は端的に言うと嫁を見つけること。どうやら子どもを持たない人間の女性なら誰でもいいらしく、8歳の少女を連れ去ったという記録もあります。 ましらさまに魅入られてしまった女性は行方不明、もしくは魂だけの存在となり山に誘われる一方で、男性はましらさまの手足となり女性を山に誘い出す手伝いをするようになります。 またましらさまが祀られていたとされている神社には謎の黒い石が収められていましたが、1990年頃にとある宗教団体が持ち去ってしまったようです。
赤い女とカルト教団
2007年に雑誌に掲載されたことがきっかけで、「ジャンプ女」として世間に広まった女性の怪異。赤いコートを着ていて、両手を挙げながら一定間隔でジャンプをしている姿から名付けられました。 彼女は生前とある新興宗教を熱心に信仰していて、2000年頃にあきらというひとり息子を自殺で亡くしています。そして後を追うように命を断ち、ジャンプ女になってしまったようです。 そして彼女が信仰していた宗教こそ、ましらさまの神社から石を持ち出した団体だと考えられます。 またその周辺地域の一部の子どもたちの間では、「まっしろさん」という供物を要求する過激な遊びが流行しました。遊びを流行らせたのはましらさま信者の子どもだと考えていいでしょう。 もしかするとあきらは自殺ではなく、供物として殺されてしまったのかもしれません。
あきらという少年の怪異化
ジャンプ女が目撃されるようになったころから、ある男の子の幽霊の情報も寄せられるようになりました。この少年は憑りついた人間の命を喰らおうとする悪魔のような怪異で、憑りつかれたものは助かるために一生生贄を捧げ続けなければなりません。 近畿地方のある場所で多発している謎の投身自殺の多くは、この悪魔が関係しているようです。 またこの悪魔を生み出したのは、あきらの母親だと考えられます。彼女は息子を生き返らせる儀式を行い、あきらの見た目をした悪魔を作り出してしまったのです。 そしてあきら(悪魔)が命を求め続けるため、母親は様々な手段を講じて餌を探すように。ネットや雑誌という媒体を通して呪いを伝播させ、餌となる人間を呼び寄せるようになりました。
【結末】すべてが繋がる?恐怖の真相
情報を整理することで、ましらさまがジャンプ女やあきらという悪魔を生み出した元凶になっているということがわかりました。そもそも新興宗教を立ち上げたのも、ましらさまに魅入られ、嫁探しに協力をしていた人間なのかもしれません。 また終盤では背筋が情報提供を求めていた行方不明の知人・小沢が既に死亡していることも明かされました。調査を続けていくうちに呪いを受けてしまい、あきらの供物になってしまったのでしょう。 そして更なる事実も明らかになります。実は背筋自身もジャンプ女に呪われた1人でした。背筋は新興宗教への潜入取材で生前のジャンプ女に会っています。ジャンプ女は子どもを持つ母親に憑りつき、呪いを広める手伝いをさせていました。 ジャンプ女に憑りつかれてしまった背筋は、小沢が既に死んでいると知りながらも、読者の興味を引くため「行方不明になった友人を探している」と偽り投稿を始めました。つまりこの『近畿地方のある場所について』自体が呪いを広める媒体だったのです。
映画『近畿地方のある場所について』ネタバレ感想
モキュメンタリー小説を巧みに映像化

原作は、記事や投稿など記者が集めた取材資料を小出しにして、少しずつ繋がっていくモキュメンタリー小説。 映画では、前半部分に投稿映像やニュース映像、さらに日本昔話風のアニメなどを通したフェイク・ドキュメンタリー、後半にかけてはドラマパート中心の構成に切り替わる、という前後半でテイストを変えて、原作の点と点が線に繋がる恐怖を見事に再現しています。 前半のフェイク・ドキュメンタリーは、原作に則した実際にあるのでは、と思わせるリアルな恐怖体験に「怖かった」との声が多数。一方ドラマパートは、「恐怖+シュール」な監督節が多分に含まれており、怖さだけで見れば尻すぼみの印象がありました。
「白石晃士監督らしさ」が全開!

白石晃士監督が手掛けるホラーといえば、恐怖の中にも笑ってしまうようなぶっ飛んだ個性が観られる作品として、根強い人気を誇っています。本作は、人気俳優を起用した大型作品であり「白石節が薄くなるのでは…」といった声もありましたが、全く心配無用です。 大女優・菅野美穂は取り憑かれた赤楚衛二にビンタをかまし、トンネルで出会う怪異を「邪魔なんだよおおお」と叫び車で轢くなど、これまでの作品で見られた物理攻撃は健在。また、白石監督の複数作品に登場する「霊体ミミズ」も、最後の対決に登場します。 最初から最後まで暗い雰囲気を期待していた方、白石晃士作品を一度も観たことがない方などは「独特なノリについていけなかった」との声もありました。
映画オリジナルのラストは賛否両論

原作の「ジャンプ女とあきらくん」を元にしたオリジナルの黒幕が終盤で判明します。 また、主人公たちの感情がむき出しになるドラマチックなシーンの挿入や、原作にはないはっきりと具現化した、ナウシカに登場するこだまを強力にしたようなクリーチャーとのラストバトルは、映画ならではの展開。原作の著者・背筋氏が白石監督のファンだったことで、このような大幅改変を実現できたのかもしれません。 一方、原作小説の終わり方が好みだったファンからは、「後半からラストにかけて気持ちが離れていった」「オチが微妙だった」という声も。原作通りかオリジナルのラストか、観る側がどちらを重視するかによって、本作品への評価が大きく分かれることとなりました。
【解説】近畿地方のある場所とはどこ?実話なの?
『近畿地方のある場所について』の話
— 背筋:『近畿地方のある場所について』作者 (@sesujisesujises) April 16, 2023
10年以上前の話です。
物好きな友達から「台風の後の荒れたダムをみたいからついてきてくれ」と誘われました。
同じく物好きな私は友達から誘われたそのダムが自殺の名所ということを知っていたので、二つ返事で了承して、レンタカーを借りて二人で向かいました。
本作を読んだ方なら「とあるは場所はどこ?」と気になるはず。「とある場所」は、大阪府河内長野市にある「滝畑ダム」であると推測されています。 理由としては、著者・背筋がインタビューで「山、ダム、鳥居といったセットアップの原点」は、大阪に住んでいた時に行った山奥のダムと語っていたこと。そして、Xにて事細かに描写されたダム周辺の情報が一致しているためです。 また雑誌や掲示板を抜粋する作風から「実話なの?」と思われる読者もいるかもしれません。しかし本作はモキュメンタリーであり、創作ホラーです。
【キャスト】映画『近畿地方のある場所について』の登場人物を解説

瀬野千紘役/菅野美穂

近畿地方で起こる怪奇現象の謎に迫る、オカルトライター・瀬野千紘役は菅野美穂が演じます。『富江』(1999)以来のホラー映画主演に抜擢されました。 『愛をください』(2000)や『大奥』(2003)、『働きマン』(2007)、など、数え切れないほどの代表作を持つ彼女が、久しぶりのホラーでどんな演技を見せてくれるのか注目です。
小沢悠生役/赤楚衛二

怪奇現象を追う瀬野の相棒となる、編集部員・小沢悠生を演じるのは赤楚衛二。瀬野と行動を共にするうちに、次第に不可解な現象に魅せられてしまいます。 赤楚は『ヒロイン失格』(2015)で映画デビュー。『思い、思われ、ふり、ふられ』(2020)や『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜』(2023)では主演を務めた、大人気のイケメン俳優です。
映画『近畿地方のある場所について』監督・スタッフ解説
監督:白石晃士

映画『近畿地方のある場所について』でメガホンを握ったのは、邦ホラー映画界を代表する監督の1人・白石晃士です。 代表作は『ノロイ』(2005)、『貞子vs伽椰』(2016)、「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!」シリーズなど。2024年には怪異VS生きた人間の壮絶なバトルを描き、話題となったホラー映画『サユリ』の監督も務めています。 本作の監督を務めるにあたり、白石は「原作の得体の知れない黒い魅力を、世界中の人々に感染させるべく、映像化という呪術を仕掛けていきます。」とコメントしています。
原作:背筋
原作者の背筋は本映画の原作である同名小説『近畿地方のある場所について』で、一躍有名になったホラー小説家です。 2023年から小説投稿サイト「カクヨム」にて同作の連載を開始し、全34話を公開。累計2000万PVを超える大ヒットを記録し、同年にKADOKAWAから書籍版も発売されました。 以降も『穢れた聖地巡礼について』(2024)や、『口に関するアンケート』(2024)といった作品を発表し、注目を集め続けています。
原作『近畿地方のある場所について』の感想・評価

モキュメンタリ―形式の作品って初めて読んだけど、すごく面白かったです。最初はちょっと不気味な面白い小話って感じだったのに、読めば読むほど巨大な怪異が迫ってくる感覚になって、最後にはじっとり手汗かいちゃいました。

某掲示板を彷彿させる雰囲気。時系列も形式もごちゃごちゃにまとめられた構成がリアルさを引き立てていて、ミステリー的な面白さもあります。見てはいけないもの、まさに禁忌に触れたような、得体のしれない恐怖が味わえる作品です。
主題歌は椎名林檎の「白日のもと」に決定!
本作の主題歌は椎名林檎の「白日のもと」に決定。予告編でも楽曲が使用されています(予告54秒〜)。 「白日のもとに」は、本作のために制作された描き下ろし楽曲です。椎名林檎はインタビューで「ホラーは私の十八番です。こんなに恐ろしい原作の映画化に際し、主題歌をご注文いただき感激しきり」と、思いを語っています。 また、主演・菅野美穂は「千紘というキャラクターの心情にとことん寄り添って作ってくださった曲」と表現しており、作品の世界観をさらに深めてくれること間違いなし。早くフルで聴いてみたいですね。
見どころはモキュメンタリー形式でリアルな物語

小説、映画ともに共通して言える見どころは「モキュメンタリーのリアルさ」ではないでしょうか。フィクションではあるものの、実際に存在する「近畿地方のある場所」をモデルにしており、怪奇情報もどこかリアルさを漂わせています。 そして時系列がバラバラな情報を、パズルのようにはめていくと真相に近づく「サスペンス要素」も見どころの1つ。ラストには、これではないかという"真相の考察"ができるものの、絶対にそうとは言い切れない、絶妙に後を引くラストも嫌にリアルですよね。
ジャパンプレミアの場所が謎解きに?
映画『#近畿地方のある場所について』
— 映画『近畿地方のある場所について』公式アカウント (@kinki_movie) July 16, 2025
“近畿地方のある場所”プレミア
が 開催されています。
会場は クリエイティブセンター大阪 です。
【報告書】の見方もお知らせします。
見つけてくださってありがとうございます。
映画は8.8(金)に
近畿地方ほか全国劇場で公開します⛰️ https://t.co/OrW2rmhZES pic.twitter.com/FyUbGh0hLi
SNSで発表されたジャパンプレミアの会場は「近畿地方のある場所」。参加したい人は、ツイートされたインタビューの報告書を読み、謎を解く必要があったのです。 報告書の謎を解くと「CCO」という文字が出てきます。「近畿地方 CCO」と検索すると、会場である「クリエイティブセンター大阪」がヒットする、という仕掛けでした。
◾︎映画『近畿地方のある場所について』のネタバレ考察をチェック!

2024年の「このホラーがすごい!」で国内編1位に輝いた話題作を原作にした『近畿地方のある場所について』。断片的な情報から漂う霧のような底知れない恐怖を、原作とは違ったストーリーで映像化し、それぞれに違った魅力のある作品となっています。 映画『近畿地方のある場所について』は2025年8月8日から公開中です!