2024年3月22日更新

『魔女の宅急便』でジジが言葉を喋れなくなった理由は?最後のセリフの意味やキキとのその後を考察

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魔女の宅急便

ジブリ作品の中でも、根強い人気がある作品『魔女の宅急便』。 13歳の魔女見習い・キキが一人前の魔女になるため海の見える街コリコで魔女修行をすることになり、様々な人に支えられながら成長していく姿を描く名作です。 そのキキの飼い猫でもあり相棒であるジジ。彼は物語の中盤まで人間の言葉を使ってキキと喋っています。しかし、キキが魔法の力を失いかける物語中盤から最後まで、彼は人間の言葉を話さなくなってしまうのです。 今回はジジが喋らなくなったその理由を、様々な見解を加えながらご紹介します。

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ジジは何故、言葉を話せなくなったのか?

魔女の宅急便

ジジが言葉を話さなくなるシーンは、キキがトンボと交流し始めたあたりから始まります。 なんの前触れもなく、突如ジジが話さなくなってしまうのです。このシーンから物語の最後まで、ジジは言葉を話しません。言葉を話さなくなったジジに対して、キキは「なによ、猫みたいな声出して」と言った後、「あなた、言葉どうしたの?」と聞きますが、ジジは答えません。 ジジが言葉を話さなくなることで、キキのように寂しさや喪失感を感じた方も多いのでは?彼は何故、人間の言葉を話さなくなってしまったのでしょうか。

ジジが喋れなくなった理由はキキの成長

魔女の宅急便

ジジの言葉がわからなくなったのは、キキが成長して大人になったためです。 キキは成長する過程で、魔法を失うなどスランプに陥ることもありましたが、最終的に克服しています。同時に、“良き話相手”であったジジの存在は、少し大人になったキキには必要なくなりました。

ジジが言葉を話さなくなった件に宮崎駿監督が言及!

魔女の宅急便

ジジの声が聞こえなくなった理由は、ジジが変わったからではなく、キキが変わったからである。そもそもジジの声はもともとがキキ自身の声であって、キキの成長に合わせてジジの声が必要なくなってしまったのだ」 『魔女の宅急便』公開時のトークショーで、宮崎監督はなぜジジの言葉をキキは分からなくなってしまうのかという質問について、このように述べていました。 ジジが話さなくなったのではなく、変わったのはキキ自身だったというわけです。 今までキキはジジと会話をしていく過程で一人でいること、不安なことから気を紛らわせていたのかもしれません。 トンボを助けたり、恋をしたりと、成長するにつれキキ自身も強くなり、本当の意味で独り立ちが出来たという事かもしれませんね。

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ジジのセリフはキキへのレスポンスがほとんど

ジジのセリフのほとんどは、キキの呼びかけに対する答えだったり、キキの言動に対する反応で、彼が自分からなにか言葉を発することはあまりありません。 このことから、ジジはまだ成長段階の途中にあるキキを精神的に支えていたことがわかります。キキはジジの反応を通して、自分の意見を確認したり、少し違った視点を持ったりしていたのです。 ジジは人間の言葉をしゃべらなくなってしまいましたが、これからはお互いに少し独立した関係で、いつまでもそばにいるのではないでしょうか。

原作ではキキが恋をしたことが理由だった

『魔女の宅急便』トンボ キキ

原作では、「魔女が恋をすると一緒にいる黒猫としゃべれなくなる」とはっきり書かれています。その理由は、「魔女が誰かに恋をするということは、新しい相手を見つけた証拠」だから。相棒で話し相手だったジジのように、信頼し励まし合えるトンボと出会ったため、ジジはしゃべらなくなった、ということですね。 しかし原作ではジジは一時的にしゃべらなくなるだけで、その後またしゃべるようになり、キキが結婚するまで、ずっとそばにいます。

ジジに彼女?が出来たから?

物語の中ではキキだけでなく、ジジも隣の家の白猫に恋心を抱いています。人間のペットに恋をしたことで、ジジの魔力が弱まったという考え方もあるようです。他に、ジジ自身が普通の猫として生きていくことを選んだからという説もあります。

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ジジとキキの恋の過程にある共通点

キキとトンボが仲良くなったタイミングと、ジジがリリーと仲良くなったタイミングはほぼ同じでした。 ふたりのそれぞれの恋には共通点があります。キキは当初トンボのことを疎ましく思っていましたし、ジジはリリーを「なんだか気取ってる」と、あまり良い印象を持っていませんでした。しかしその後、キキとジジはそれぞれの相手と仲を深め、その間、ジジもリリーと一緒に過ごしていました。帰ってきたキキは、ジジがしゃべらなくなったことに気がついたのです。 キキとジジのそれぞれの恋、あるいは成長が関係しているのは間違いなさそうですね。

『魔女の宅急便』ジジの最後のセリフの意味は?

魔女の宅急便

ジジが最後に人の言葉をしゃべったのは、キキがトンボへの配達に行く直前のシーンです。近所に住む白猫と仲良くなったジジは、キキに「リリーっていうの。今行く」と彼女に白猫を紹介し、リリーのもとへ行くのでした。 新しい街で暮らし始めたキキとジジが、それぞれ別の道を歩きはじめたことがわかるセリフだといえますね。 その後、風邪をひいて寝込んでいたキキが元気になり、ジジも帰ってきますが、それ以降ジジが人の言葉を話すことはありませんでした。 ラストシーンでキキがトンボを飛行船の事故から助けた後、ジジが彼女の肩に飛び乗り「ニャー」と鳴いているので、正確にはこれがジジの最後のセリフです。これは今後もジジが人の言葉を話すことはないと示唆しているのでしょう。

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ジジは最後のセリフで何を伝えようとしていた?

魔女の宅急便

映画のラストシーンでキキの肩に飛び乗り、「ニャー」と鳴いたジジ。もう言葉を話さなくなった彼ですが、いったいなにを伝えようとしていたのでしょうか。 デッキブラシに乗って空を飛び、トンボを助けたキキに「すごい!よくやったね!」と言ったのか、魔法を取り戻し、一人前の魔女になった彼女に「おめでとう!」と言ったのか。 一方でジジはキキの方ではなく、テレビカメラを見て鳴いているころから、「キキはすごいんだよ!」と自慢気に言っているのかもしれません。いろいろと想像は膨らみますね。

『魔女の宅急便』ジジのその後は?

魔女の宅急便

ジブリ映画『魔女の宅急便』の原作は、角川栄子による同名児童文学シリーズです。原作では、映画で描かれた13歳のキキが魔女の修行に出るとことから、トンボと結婚して子どもを持ち、35歳になるまでの半生がつづられています。映画の「その後」、原作ではジジはどうなっているのでしょうか。 実はその後もジジは以前と同じように人の言葉をしゃべり、キキが結婚するまで親友として一緒にいます。またジジも結婚して、18匹の子どもを持つお父さんになっているのです。 映画は「思春期」をテーマとしているため、キキの成長の象徴として、ジジとの関係にも独自の変化を加えたのかもしれません。

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ジジが話せなくなった理由は他にもあるかも?

魔女の宅急便

ジジが言葉を話せなくなった後すぐに、キキは空を飛べなくなってしまいます。 様々な見解や考察がありますが、圧倒的に多かったのは、ジジが言葉を話せなくなったのではなく、キキの魔力が弱まったためジジの言葉が分らなくなったと考える方です。 しかしキキに魔法が戻ってトンボを助けた後も、ジジは喋れないままです。キキの魔力とジジが言葉を話すことには、関係がなさそうですね。

話せなくなっても意思疎通はできる

物語のクライマックスである、キキがトンボを助けようとするシーン。魔法の力を取り戻し、ホウキで空を飛べるようになるところでも、ジジは言葉を発しませんが、トンボを助けたキキの肩に飛び乗って擦り寄ってくるシーンから、実は2人の間で言葉はなくても意思の疎通は出来るようになっていたという説があります。 これには2説あり、まずは2人は意思疎通はできていますが、あえてジジが喋っている描写を描かないことで、視聴者にその後を想像させる説。もう一つは、完全にホウキで飛べるまで、キキの魔法の力は回復していなかったため、しばらくして完全に回復すればまたジジの声は聞こえるようになるという説。 視聴者の願望もあるかとは思いますが、最終的にキキとジジは意思疎通ができているという説が圧倒的に多いようです。

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ジジの解釈は、『魔女の宅急便』を見ている人それぞれの手に!

ここまで、様々な解釈が出てきましたが、最終的にジジをどう解釈していくかは皆さんそれぞれの手にあります。 この説はここが納得いかない、ここが納得がいくというような視点で『魔女の宅急便』を見るのもいいでしょう!