2015年邦画最大の問題作が10月公開!
過激な内容からメディア化禁止になっていた『木屋町daruma』がついに映像化されました。
京都の木屋町で闇組織を束ねていた男、勝浦(遠藤憲一)がある事件がきっかけで四肢を失ってしまい、その後、手足のない状態で債権者の家に上がり込み、嫌がらせをして取り立てをし、借金の回収をし生計を立てています。
ある日、いつものように嫌がらせで取り立てをしていた真崎という男が、自分をこんな体にした事件に関係していることを知った勝浦。その過去を調べていくうちに勝浦は意外な真実を知ることに..。
キャストはCMやドラマで大活躍中の遠藤憲一が四肢がないヤクザの勝浦を演じ、その手足として動く手下に三浦誠己、勝浦の弟分には木村祐一、そして彼らに追い込まれていく男新井を寺島進が演じます。また、新井の娘で闇社会に落ちていく女性を武田梨奈が体当たりで演じていることにも注目。
直視できないような内容が映像となった本作は2015年10月3日より全国公開。
絶望的なリアルを生々しく描く
『木屋町daruma』で描かれているのは普段は目にすることもない闇の社会です。しかも主人公は四肢をなくしてしまったヤクザで、容赦ない嫌がらせで債権者を追い詰めていきます。
木屋町という京都の観光名所と言われる場所には似つかわしくない、四肢をなくした狂気の男が債権者の家で暴れまわります。男は一人ではトイレにも行けないので、時には債権者の家の中で大小便をしてしまうことも。そんな男が家の中で這いつくばっていられたらどうしようもありません。債権者は疲れ果て借金を返すことに..。
取り立てる側の狂気と、取り立てられる人間とその家族の悲哀や恐怖が交錯し、そこには絶望しかありません。そんな絶望のリアルが描き出されています。
遠藤憲一が手足を失ったヤクザを狂演!
遠藤憲一といえば極道、というくらいにその風貌から任侠モノの映画やドラマが多いです。近年になり刑事なども演じていますが、やはり大半は悪役というイメージです。
今回、手足がないヤクザを強面の遠藤憲一が演じる表情は、狂気に満ち満ちています。
この映画で演じるにあたり、遠藤憲一は今まで極道を演じてきて、手足があってすぐに手が出る足が出るという役どころが多かったけれども、今回はその手足がない分演じることは大変だったと語っています。
『木屋町daruma』は遠藤憲一の代表作になることは間違いありません。
武田梨奈の全身全霊の体当たり演技!
は物語の中で中心的な役割を演じています。武田梨奈演じる新井友里は取り立てを受ける新井(寺島進)の娘です。父親が背負った借金によって身を売られてしまう友里は、風俗で働かなければいけなくなります。その辛い現実に耐えきれなくなり、ついに精神が壊れてしまいます。壊れた果てに卑猥な言葉を吐き続けます。
武田梨奈は脚本を読んだ時にまったくイメージが湧かなかったそうです。そしてそれが悔しかったと語っています。そんな武田梨奈の演技も見どころとなっています。
過激すぎて出版を断られ続けた原作
京都生まれの原作者丸野裕行は、総合クリエイターのほか、様々な肩書きを持っています。『木屋町daruma』は内容が過激だということでメディア化禁止になっていました。映画化はされましたが、原作は本にはなっていません。現在Amazonの電子書籍でしか読めない状態です。確かに予告動画を見ただけでも悲惨な世界が広がっています。
今回、どこも取り合ってくれなかった原作を榊英雄が映像化しようということになりました。この映像がどこまで受け入れられるかわかりませんが、観る者の目を問われることになる作品と言えそうです。