映画『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』あらすじ・キャスト・感想までチェック【宮藤官九郎最新作!】
映画『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』
『木更津キャッツアイ』や連続テレビ小説『あまちゃん』などを手掛けた宮藤官九郎が、地獄を舞台に繰り広げられるコメディ映画を製作。そんな個性的なキャラクターが登場する爆笑必至の映画『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』が、2016年2月6日に公開が予定されていましたが、6月25日に延期されました。
舞台は地獄!?『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』あらすじ
同級生の女の子ひろ美に恋をしている平凡な高校生大助が主人公。物語は、修学旅行中、大助が乗っていたバスが事故に遭うところから始まります。
大助が目を覚ますと、そこは死後の世界=地獄。そんなまさかの展開に慌てる大助の前に、地獄農業高校の軽音楽部顧問兼ロックバンド地獄絵図(ヘルズ)のリーダー・赤鬼キラーKが現われます。大助は、現世に帰ってひろ美に告白するため、キラーKの鬼教訓のもと蘇りを賭けた地獄巡りを開始。果たして、大助は無事に現世に戻れるのでしょうか…!?
個性派が集結した豪華キャスト陣に注目
赤鬼キラーK役に長瀬智也
宮藤官九郎とは5年振りにタッグを組むTOKIOの長瀬智也が、主人公・キラーKを演じます。キラーKは、地獄農業高校の軽音楽部顧問兼ロックバンド地獄絵図(ヘルズ)のリーダーの赤鬼です。
映画ではキラーKの鬼になる前の姿や、なぜ鬼になってしまったのかも描かれています。赤鬼キラーKとその生前の姿の、長瀬智也の演技に注目です。
ドラマ『泣くな、はらちゃん』や『クロコーチ』に出演した長瀬智也。映画は、2009年に公開された『ヘブンズ・ドア』以来7年振り、宮藤官九郎の作品には、2010年に放送されたドラマ『うぬぼれ刑事』以来の出演となります。
ひろ美に片思い中の高校生・大助役に神木隆之介
修学旅行中に、不慮の事故に遭い地獄へと落ちてしまい、片思いのクラスメイトにもう一度会うため、生き返ろうと奮闘する高校生・大助役を、今や若手実力派俳優へと成長した神木隆之介が演じます。
好きな女の子のために奔走する、自己中心的だけど根性はあるおバカな高校生役を神木君が熱演しています。
神木隆之介は、2015年には映画『脳内ポインズンベリー』『バクマン。』などに出演し、2015年10月よりスタートのドラマ『サムライ先生』にも出演。2016年には、本作のほか主演映画『太陽』が公開されます。
大助のクラスメイトでありヒロイン・ひろ美役に森川葵
神木隆之介演じる大助が片思いしている相手・ひろ美役を、若手女優の森川葵が演じます。
ドラマ『ごめんね青春!』や『表参道高校合唱部!』に出演し、2015年10月スタートのドラマ2本に出演するなど、注目の若手女優です。
ロックバンド・地獄絵図(ヘルズ)のメンバーに、桐谷健太&清野菜名
キラーKが率いるロックバンド・地獄絵図(ヘルズ)のメンバーで、ドラムを担当するCOZYを桐谷健太、ベースを担当する邪子を清野菜名が演じます。2人の小ネタを交えたコミカルな演技が映画を盛り上げます。
桐谷健太は、2015年には、映画『くちびるに歌を』『GONIN サーガ』『バクマン。』、ドラマ『天皇の料理番』『連続ドラマW 予告犯 -THE PAIN-』など、様々な作品に出演している実力派俳優。
清野菜名は、園子温監督作『TOKYO TRIBE』で注目され、押井守監督の映画『東京無国籍少女』でも主演に抜擢されるなど、森川葵同様、今もっとも勢いのある若手女優の一人です!
キラーKの元カノなおみ役に尾野真千子
「死神」とあだ名させる、キラーKの元カノなおみを尾野真千子が演じます。物語ではキラーKを赤鬼にならしめるエピソードのキーパーソンとなります。
元気や快活な演技のイメージがある尾野真千子からは想像もつかない、薄気味悪い演技に注目です。
尾野真千子は、2016年には本作のほかに、『エヴェレスト 神々の山嶺』と『後妻業』の2作品に出演することが決定しています。
地獄の大王・えんま役に古田新太
地獄農業高校の校長であるえんま大王役には、宮藤官九郎作品の常連でもある古田新太が。ベテラン俳優が、地獄の大王をどう演じるのか…注目です!
ガールズバンドのボーカルじゅんこ役に皆川猿時
地獄図と敵対するガールズバンド「デビルハラスメント」のボーカル&ダンサーじゅんこ役を皆川猿時が演じます。皆川猿時は、宮藤官九郎とともにグループ魂としてバンド活動をしてはいるものの、女装をしてのガールズ(?)バンドというところが、さすが宮藤官九郎と言うべきでしょうか。
歌はもちろん、キレキレのアイドル風ダンスも劇中で披露しています!全編を通し女装で「じゅんこ」役に徹する皆川猿時は、いつも以上にぶっとんでおり、クドカンファンならおもわずにやけてしまう演出です。
大助の同級生松浦役に古館寛治
神木隆之介演じる大助の同級生で、バス事故の生存者松浦を古館寛治が演じます。
古館が演じるのは、30年後に享年47歳で地獄に落ちた、成長した松浦役です。地獄でも生前と変わらずダメダメな松浦を演じています。
大人になったヒロインのひろ美役に宮沢りえ
前述した大助が片思いするひろ美の20年後、30年後を演じるのはなんと宮沢りえです。
近年では映画『紙の月』で多くの賞を受賞したことでも知られる宮沢りえですが、宮藤官九郎は今回、ダメ元でオファーしたそう。
けれども宮沢りえはそのオファーを快諾し、今回の作品への出演が決定したようです。ドタバタ劇の中で光る、宮沢りえのたたずまいに注目です。
追加キャストも発表!
謎の役に中村獅童
ドラマ『木更津キャッツアイ』や映画『ピンポン』など宮藤官九郎脚本作品に出演してきた中村獅童が今回は謎の役で出演。発表されたビジュアルでも顔の輪郭がないキャラクターになっており、どのような役どころなのかまったくの謎です。
出演シーンは一瞬なので、中村獅童がどこに出演しているのか目をこらして探してみてください。
地獄農業高校の教師・牛頭(ごず)役に烏丸せつこ
宮藤官九郎ファンにはおなじみ、宮藤官九郎の推しメンにして、最強の女優烏丸せつこも『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』に出演します。2014年には2歳年下の大手レコード会社のディレクターと結婚したことも話題となった烏丸せつこが本作では顔芸を披露しているとのことです。
前半は顔を出さず体と声だけ出演していますが、後半ではようやく烏丸せつこの「顔だけ」出演します。
地獄農業高校の教師・馬頭(めず)役に田口トモロヲ
2015年には監督作品『ピース オブ ケイク』を発表した田口トモロヲ。2016年には本作出演のほか、WOWOWドラマ『荒地の恋』に出演することが決定しています。
田口トモロヲも烏丸せつこと同様、前半は声と体だけの出演で、後半で顔が出てきます。
キラーKの先輩・鬼野役に片桐仁
お笑いコンビラーメンズとして活躍する片桐仁が長瀬演じる赤鬼キラーKの先輩鬼野役で出演。他のキャストと比べてもひときわ異様な二本角にこけた頬というビジュアルに、どのような形で出演するのか期待が高まります。
「デビルハラスメント」のドラマー・修羅役にシシド・カフカ
皆川猿時演じるじゅんこ率いるガールズバンド「デビルハラスメント」のドラマ―・修羅役でシシド・カフカが出演します。
女優デビュー作となったドラマ『FIRST CLASS』ではその悪女っぷりで話題になりましたが、今回は本業である「ドラマー」としての活躍になりそう。シシド・カフカのかっこいいドラム演奏に注目です。
アナウンサー役で平井理央が出演
フリーアナウンサーの平井理央がアナウンサー役で出演することも決定しています。
長瀬演じる赤鬼をはじめ、キャスト陣のメイクやセット、美術がすごい!
見どころは、なんと言ってもキラーKを演じる長瀬をはじめとする、出演者のビジュアル!メイクにかかった時間は、なんと約90分だそうです。迫力満点の外見に、ぱっと見では誰が誰だか分からないのでは?
また、地獄の細かいセットや、出演陣の衣装にも注目。特にキラーKの著名なミュージシャンを意識した衣装はなんとも芸が細かい!他にも、皆川猿時率いるガールズバンド「デビルハラスメント」のメンバーの衣装にもぜひ注目してみてください。(二枚目の画像はデビルハラスメント)
主題歌にも注目!『TOO YOUNG TO DIE!』
予告編にも流れている、『TOO YOUNG TO DIE!』を歌うのは、前述した赤鬼キラーKが率いる地獄専属ロックバンド「地獄図(ヘルズ)」。その楽曲も含めたサウンドトラックが、映画公開に先駆け、2月3日に発売されます。
ミュージシャンを本業としてして長年活躍する長瀬は、今回の「地獄図」としてのメジャーデビューについて、こうコメントしています。
「地獄図のレコーディングは、ギターの神木くん、ドラムの健太くん、ベースの清野さんとゲラゲラ笑いながら、真剣にやりました。僕が演じるキラーKのボーカルは、ロックなハイトーンボイス。グルーヴと役柄の気持ちを意識して、思いっきり歌いました。映画の中の架空のバンドですが、ぜひ、地獄図という一バンドの音楽として聴いてもらえたら嬉しいです。ロックフェスに地獄図として鬼の扮装で出ていったりしたら、ギターキッズやロックキッズも盛り上がりそう!」
デビルハラスメントの楽曲や、生前のキラーKが歌う物語のキーとなる曲、「天国」の収録されています。映画公開前に予習しておくのもありかも?
長瀬と神木が15年振りの共演!
2001年に放送されたドラマ『ムコ殿』15年振りとなる長瀬と神木の共演も話題となっています。当時、長瀬は22歳、神木は7歳でした。
『ムコ殿』共演時の長瀬と同じ歳になった神木の成長に、長瀬も「たくましくなっちゃって」と驚いたそう。しかし、久々の共演に以下のようの目標を掲げました。
「15年周期だとしたら次は51歳。15年単位でいこうか、そうするとあと1、2回しか(共演)できないけど」
2人の次回作にも期待大ですが、まずは『TOO YOUNG TO DIE!』を要チェックです!
『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』の感想と評価をチェック!【ネタバレあり】
Chiaki_1
地獄を舞台に、鬼のロックバンドがでてくるくらいなので、音楽がすごくフューチャーされている映画でした。
ストーリーに深みはほぼなく、感動させようとする演出はちょっと寒く感じましたが、いたるところで音楽界の著名人を使っているところはいい意味でムダ使いだと思います。シシドカフカのドラム、超かっこいい。
個人的には、皆川猿時のガールズバンド「デビルハラスメント」が最高でした。
あと、神木くんがありがちにバカな童貞高校生を演じてるのも楽しいです。
全体的に、クドカンがやりたいことをやったんだな〜っていういつもの感じでした。
クドカンと、神木くんと、ロック音楽が好きな人にはおすすめします。
yuki12241
『スター・ウォーズ フォースの覚醒』を観た18日の午前中、僕がダークサイドに墜ちることとなったきっかけの作品です。本作の主人公大助よろしく、若くして死にかけました…。公開前であまり言いたくは無いのですが、ちょっと受け入れがたい映画でした。いや、なんとなく分かっていて観に行ったんですがね。比較のために『ギャラクシー街道』を観ておけば良かったなと思いました。僕の観方が悪いのかもわかりませんが、これほどに滑りっぱなしの世界に放り込まれ、鑑賞中に無の境地に達するとは思っていませんでした。
展開はかなり早く、開始早々修学旅行のバスで事故に遭って死んでしまった大助(神木隆之介)が地獄に墜ちたことから始まる輪廻転生の物語になっていました。園子温版『リアル鬼ごっこ』を彷彿とさせる序盤の疾走感のある展開は意外にアリで、後にその数分間の光景が伏線としても機能してくるのは面白いです。物語の本質を掴む前に音楽でガンガン引き込んでくれるところも悪くないし、勢いがあって好きでしたよ、序盤は。セットを割と広めに組んで自由にカメラが回っているので、カメラワークも面白いです。チープな作り込みの地獄と現世の美術や照明に明らかな差別化が見られるのも、宮藤官九郎のこだわりを感じさせます。
というように前半はむしろ感心していたのですが、後半にかけて膨れ上がって来るダサさとつまらないギャグの連打に僕の心はあざだらけ。如何にもなコミック演出とオーバーアクトは仕方ないとは言え、初見で世界に入り込めないと受け入れるのが難しそうです。また、度々事故前のバスでオバカっぽい高校生が読んでいた地獄の本(何故読んでいた、何故音読していた)を引用して地獄の世界が如何に考えて作られているかアピールしてくるところが気に入りません。それは画で見せる事でしょう…。また、地獄に墜ちることの不安を取っ払うような楽しい世界として見せながら、ダークな面白さでは無く感動のストーリーにしようともがいているところに違和感が。「絶対に離婚しない」だとか、映画自体が持っているメッセージも底が浅くびっくり。人間が人間として生きることの尊さを伝えたいのは分かりましたが…。
恐らく、これはこういうものだと割り切って観れば楽しめるのだと思います。使われている音楽と役者陣の努力だけはとても素晴らしいと思います。