2017年7月6日更新
映画『不屈の男 アンブロークン』あらすじ・キャスト【アンジェリーナ・ジョリー監督作品】
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アンジェリーナ・ジョリー監督作『不屈の男 アンブロークン』
ローラ・ヒレンブランド著のノンフィクションを原作とする『不屈の男 アンブロークン』は、1936年のベルリンオリンピックに出場し、第二次世界大戦中に日本の捕虜となった米軍パイロット/ルイス・ザンペリーニの生涯を描いています。監督はアンジェリーナ・ジョリーが務め、彼女の監督作は2011年の『最愛の大地』以来2作目となります。
アメリカでは2014年クリスマスに公開され大ヒットを記録、1年弱のときを経ての日本上陸です。
『不屈の男 アンブロークン』あらすじ、この精神は絶対に折れない……戦争に駆り出されたオリンピック選手の生涯
1936年のベルリンオリンピック5000mで驚異的な記録を打ち立てたルイス・ザンペリーニ(ジャック・オコンネル)は、第二次世界大戦が始まると米軍パイロットとして召集されます。彼を乗せた戦闘機は海に墜落してしまい、47日間の漂流の後ルイスは日本軍に見つかり捕虜として拘束されてしまいます。
収容所では、陸軍将校/渡辺睦裕(MIYAVI)に執拗な拷問を受けるが、ルイスは不屈の精神で耐え、解放のときを待っていました。
『不屈の男 アンブロークン』キャスト
ジャック・オコンネル(ルイス・ザンペリーニ)
主人公ルイス・ザンペリーニには、『ユナイテッド―ミュンヘンの悲劇―』(2011)や『300 スリーハンドレッド 帝国の進撃』(2014)などに出演したイギリスの新進俳優ジャック・オコンネルが起用されています。
出演作ごとに全く異なる演技を披露するカメレオン俳優であり、近年の映画界の彼に対する評価はうなぎ登り。主演作『ベルファスト71』『名もなき塀の王』も相次いで日本公開されており、世界の注目が集まっている成長株です。
ドーナル・グリーソン(ラッセル・フィリップス)
ラッセル・フィリップス役に選ばれたのは、アイルランド出身の俳優ドーナル・グリーソンです。ドーナル・グリーソンは『ハリー・ポッターと死の秘宝』(2010,2011)でビル・ウィーズリー役を務めました。
その後も『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』『フランク』など主演級俳優として活躍しています。『スター・ウォーズ フォースの覚醒』でも悪役の一人を務めるなど、今後の活躍が期待される俳優の一人です。
ギャレット・ヘドランド(ジョン・フィッツジェラルド)
『トロン:レガシー』(2010)『オン・ザ・ロード』(2012)、最近では『PAN〜ネバーランド、夢のはじまり〜』(2015)にも出演したギャレット・ヘドランドも本作に登場しています。ギャレットは『不屈の男 アンブロークン』への出演を熱望していたようです。
MIYAVI(渡辺睦裕)
世界中でライブを行っている日本のギタリスト/MIYAVIが、日本人将校/渡辺睦裕役で出演しています。ルイスを徹底的に虐待するサディスティックな役柄に、MIYAVIは最初断るつもりでしたが、アンジェリーナ・ジョリーのラブコールで出演を決意したそう。
堪能な英語力を活かし、難しどころである「英語を話す日本人の悪役」を演じ切っていました。
アンジェリーナ・ジョリーが監督を務める
本作のメガホンを取るのは、『トゥームレイダー』シリーズや『ウォンテッド』『ソルト』などに出演し、ハリウッドの第一線で活躍する大女優アンジェリーナ・ジョリーです。アンジェリーナ・ジョリーが監督するのは『最愛の大地』(2011)に続く二度目。『不屈の男 アンブロークン』は第87回アカデミー賞「撮影賞」ほか3部門にノミネートされました。
アンジェリーナ・ジョリーは自身の監督業について、「演技するよりも、監督する方が好き。カメラの後ろにいるとかなりの自由を得られるの。」と答えています。彼女は夫ブラッド・ピット主演の映画『By the Sea(原題)』も監督しており、今後女優よりも監督として第一線で活躍していくことが伺えます。
「終わった作品はなるべく見たり考え込んだりしないようにしているの。でもルイーが残忍な扱いを受けたシーンとか、かなりつらいシーンの撮影時の雰囲気がどれだけ張りつめていたかは覚えているわ」「そういうシーンの後にはいつも出演者たちがお互い大丈夫かを確かめ合って気にし合っていたことにはとても感動したわ」
彼女は本作『不屈の男 アンブロークン』の撮影時の雰囲気についてこう語っていました。メッセージが強く、残酷なシーンも多々あるこの映画ですが、スタッフやキャスト達のチームワークによって支えられているのですね。
脚本はジョエル&イーサン・コーエン兄弟
共同で映画製作に携わっているジョエル&コーエン兄弟が脚本を担当しました。コーエン兄弟は1984年に『ブラッド・シンプル』で映画監督デビューし、その後『オー・ブラザー!』(2000)『トゥルー・グッド』(2010)を製作、2007年の『ノーカントリー』は同年度のアカデミー賞で4部門受賞し、その他数々の映画賞を受賞しています。
『不屈の男 アンブロークン』のみどころ
2014年の全米公開から少し時間が経っての日本公開となったのは、その内容が反日的と捉えられる恐れがあったからです。しかし、アンジェリーナ・ジョリーいわく、本作は絶対に折れない不屈の精神と許しを描いた作品だとコメントしています。
賛否両論の激しい作品ですが、立ち直る力を訴える衝撃作となることは間違いなさそうです。
反日映画ではない?
第2次世界大戦における、日本軍によるアメリカ人捕虜虐待を描いた社会派映画である本作は、公開前から「反日映画だ」として批判が相次いでいました。実際に、本国公開が2014年なのにも関わらず公開が2年も遅れたのはこういった世間の反応があったからであると考えられます。
原作で言及される「日本人が人肉を食べた」等と言う記述が誤りであるという指摘もあったり、反対に史実通りであるとする意見も。実態の分からない第2次世界大戦時代の一つのリアルとして本作は映画化される意義があったのでしょう。
ひと足早く鑑賞した映画評論家の町山智浩氏やジャーナリストの福田直子氏は、本作を反日映画ではないと語っています。映画館で公開される以上、一部の非難に惑わされずルイス・ザンペリーニという一人の「不屈の男」の戦いを描いたドラマとして、この映画を純粋に楽しむことが出来れば嬉しいことですね。
Ciatrユーザーの映画『不屈の男 アンブロークン』感想・評価まとめ!
yuki12241
日本での公開中止が決定した、アンジーが監督を務める話題の映画。日本兵による捕虜虐待の話は、『レイルウェイ 運命の旅路』以来でしょうか。反日で騒いでますが、単なる実話を元にした戦争映画で日本が舞台というだけ。WWⅡ時に実際にあった事を取り上げられて、反日だと主張するのはおかしい。本来、映画とはそういうことを伝えるためにあると思いますし。
どんなに優秀でも凄いスキルを持っていても、戦争という屋根の下では皆一人の兵士に過ぎず、こんな無駄な命の使い方があるのかと呆れてしまいました。MIYAVIが俳優業やってるのに驚きでしたが、発音も良いしなかなか見れました。
whentheycry
長くなります。
マラソンのオリンピック選手Loisが第二次世界大戦最中、乗っていた戦闘機の故障により海を漂流することになる。漂流する事一ヶ月以上経ったある日、日本軍に救助される。そのまま捕虜となり、収容所でLouisだけがWatanabeという収容所の監視官(?)に目をつけられ終戦のその日までの彼の過酷な日々が描かれている映画。
反日映画というレッテルを貼られ日本公開が中止となった映画。
見終わって2日が経った今ジワジワと色んな感想が湧き出て来ています。
見終わった直後は「ただのマラソン拷問映画」というのもわかるくらいそこまで面白くないという感想でしが、その後「反日映画かどうか」と考えていると皮肉な事に素晴らしい映画なのかも知れないと思い始めました。
ここからネタバレ含みます。
まず最初に言うとこの映画は反日映画では全くありません。問題になっていた原作の小説の「日本軍は捕虜のアメリカ兵を生きたまま食べた」
というような部分はそのシーンさえありません。この映画を見た9割の人(日本語)の第一声は「反日感は全然なかった」です。どうぞ調べてみてください。
むしろアンジェリーナ・ジョリー監督は日本兵を"冷酷な兵士"として描いていません。日本兵Watanabeの主人公Louisに対する拷問に目を背ける兵士もいます、空襲の後泣き崩れる人達の姿や終戦直後雑誌でキノコ雲の写真を見て言葉を失っているアメリカ兵士の姿など描かれています。そもそもWatanabeが1番の人間らしくも見えます。ラスト完全にWatanabeがLouisに敗北する彼がまさにそうです。
ただ、幾ら少しの情が見えるとしても拷問を受けた捕虜たちにとって"憎む相手"には変わりありません。
それこそがアンジーがこの映画に込めた1番のテーマでした。この映画の主題は反日を煽るものでもなければ、戦時中何が起きたのかを知ることでもありません。"赦すこと"がこの映画の1番のテーマだとアンジーは言います。
この映画で日本軍に酷い仕打ちを受けたLouisは長い年月をかけて自分に拷問した者たちを許したそうです。その後1998年の長野冬季オリンピックでは聖火ランナーとして日本を走りました。
自分に地獄を見せた相手を赦すことなんてできることではないけど憎しみは憎しみしか生まない。ありふれた言葉だけどそういう事だと僕は感じました。
でもその場合、原作のラストであるLouisの赦すに至るまでの過程が一切省かれてるいるところは下手だなぁと感じます笑
そしてやっぱり何が起きていたのかという事を知るキッカケになる映画でもあると思います。
何故この映画で、原作の小説で描かれた事が「全くの嘘」と言えるのか僕には理解ができません。ヒトラー率いるナチスドイツでは沢山の悲劇が生まれました。でも諸説では「そんな悲劇は実際になかった」という話もあります。この映画を見もせずに反日映画という方はおそらく「悲惨な歴史をなかったことにするな!後世に伝え残さなきゃいかんことだ!」と怒るでしょう。根も葉もない所に噂は立ちません。実際に人肉を食していたことを他で噂を聞いたことは僕もありますし、そういう本も出版されています。捕虜と監視官に似たような状況下で行われた実験で起こった悲劇を元にした映画だってあります。少なくとも母国に帰る事を許されない捕虜がいたのは事実です。そういった意味でもやっぱりこの映画は日本でも公開されるべきだと思います。
長くなりましたが最後にキャストの事を!
今1番注目すべき若手俳優のジャック・オコンネルを主演に、共演にギャレット・ヘドランド、ドーナル・グリーソンというところも公開されないのは実にもったいない!
ジャック・オコンネルは僕が最も信頼する俳優なのですが、悔しくもこの映画に限っては彼より日本人俳優Miyaviさんの存在感が大きかったです。
最後の「見るなー!」は彼以外の日本人俳優には到底演じることは不可能でしょう。
と、見所も沢山だし、映画としての出来がイマイチなのも事実だけどちゃんと気持ちがこもっていて"反日なのかどうか"に振り回されて正当な評価ができないので☆はつけません。
長々とすみませんでした!
mongorichop
反日感はあまり感じませんでした
主人公の生き様はカッコよかったですが、メリハリが無く、やや間延びする展開が多かったのが、残念です。
捕虜となったオリンピック選手が見せる不屈の精神。センシティブな問題を描いた『不屈の男 アンブロークン』は2016年2月6日公開です。