
『海と大陸』の感想・評価・ネタバレ
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イタリアの孤島の青い海と空。漁業が衰退し、観光誘致へシフトしながら、生活しようとする島の人たち。バカンスを楽しむ人たちと海を渡った大陸からの難民たちとの対象的な描き方が印象に残る。それぞれの生活や生死をかけた戦いと青年の成長の物語。
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ローマとか華やかなイタリア映画が続いたけど、こちらは地中海の小島。切り立った岸壁に漁船、真っ青な海と空に照りつける太陽!観光地としては最高に美しいけれど、住民には昔ながらの漁業も先がない現状。そんな折、海で不法難民を助けた一家。網に捕われたような難民と島の未来。シビアな問題を扱いながら、時折挟まれる象徴的なショットが鮮やかで、風景の見せ方にもセンスあり。若きフィリッポが踏み出す闇の大海が力強い。ちょっと『自転車泥棒』のデ・シーカを思わせて、こういう泥臭い南のイタリア映画が好き。
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まるで昔の着色した映画のようにビビッドすぎる海の青さと、粒子の粗いざらついた肌の質感。それぞれの違う立場と異なる正義を浮き彫りにする内容。社会的でありながら少年の成長物語でもあった。
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地中海の小さな島を舞台に衰退する漁業を営む親子三代が云々…てぐらいの話と思ってたら、アフリカの難民問題をガッツリ描く作品だった。能天気な観光客としてぜひ観ておきたい一本★ #映画