
『コントラクト・キラー』のスタッフ・キャスト
『コントラクト・キラー』の感想・評価・ネタバレ
-
もはや「女好きのダサ男」という記号と化しているレオーを、苦虫を噛んだような無表情という、違ったアプローチで最大限に生かした、カウリスマキの傑作。レオーが英語を話す。 やっぱりブレッソンっぽさは強いが(金のやり取りをする手のアップとか)、アクションや場面転換で割と普通に笑わせにかかっていて、普通に楽しい。 いつもはフィンランドなのに、なぜかロンドンで撮るっていう点でも新鮮。時代のせいもあってか、ロケーションがどことなくミスタービーン的な感覚を醸し出している。
-
カウリスマキの作品でこんなに笑った(といってもクスクス程度)のは初めてでした、所々に挿しこまれたユーモアがその表情や間もあいまってツボにぐいぐいと入ってきます。いろいろと見てきたつもりだったけど、この人ってこんなに面白かったっけ?一つ一つのセリフにも、最小限の中で最大限を引き出すマジックを感じます。これは個人的なものだけど、普段からわりと集中力欠如で映画が始まってもなかなか話に入り込めない自分でも、カウリスマキはいつもいとも簡単にさらっていってくれるので、ある意味すごくリラックスした状態で映画に向き合えます。ジャン=ピエール・レオの演技もさらにそこへ力添えしていました。 @下高井戸シネマ