オルガ・キュリレンコのプロフィール
白く美しい肌と、クールな瞳が不思議な魅力を放つ女優のオルガ・キュルレンコ。 彼女は1979年11月14日、当時ソビエト連邦だったウクライナのベルジャーシンクで生まれました。
彼女が生まれてすぐに両親が離婚。母親は美術教師として働き、女手一つで彼女を育てましたが、生活は貧しく日用品でさえも十分に買えない日々だったと言います。その一方母親は、オルガの教育に関しては惜しみなくお金をかけてくれ、オルガはアートや語学、ピアノやバレエなどあらゆることに挑戦し、教養を深めることができました。その頃の教育の賜物か、彼女はロシア語と英語、フランス語を流暢に話すことができ、キャスティグのオファーの際に一役買っているようです。
モデルとして活躍!
オルガが13才になった頃、彼女に転機が訪れます。母親と一緒にモスクワを旅行した際、エージェントに「モデルにならないか」とスカウトされたのです。突然のスカウトに不安を感じ、当初彼女の母親は乗り気ではありませんでしたが、エージェントの身元を細かく調べ、事務所を信用してようやくOKサインを出したといいます。
こうして、ウクライナの普通の女の子だったオルガは、大都会モスクワでモデルデビューをするに至りました。大きな決断でしたが、このことがオルガの運命を大きく変えることになります。
唯一無二の美しい容姿を活かし、オルガはデビューするやいなやすぐにモスクワで大活躍しました。16歳の時には、モデルのキャリアアップのため、活動の拠点をパリに移すことを決断します。努力家で勤勉なオルガはたった6ヶ月でフランス語をマスターし、その後、世界中のモデルが憧れる名門マディソンエージェンシーと契約しました。生まれ持った美貌、彼女の勤勉さ、そして素晴らしいエージェントの協力を得たオルガは無敵でした。
18歳の時、世界的に有名な雑誌「Glamour」の表紙を飾ったことを皮切りに、「Elle」「Madame Figaro」「Marie Claire」「Vogue」など数々の有名雑誌のカバーを飾ったほか、雑誌媒体を超えコマーシャルの世界でも大活躍。有名服飾ブランドの Lejaby lingerieや,Bebe clothing、コスメブランド Helena Rubinstein のイメージガールを務め、一躍超人気モデルに成長しました。
彼女は自らの努力で、輝かしい道を切り開いたのです。
『007 慰めの報酬』のボンドガールに抜擢!
モデルの世界だけではなく、2005年から女優活動を始めていたオルガ・キュリレンコ。彼女の女優人生に大きな転機が訪れたのは2007年のことでした。厳しいオーディションを経て、『007 慰めの報酬』(2008)のヒロインに選ばれたのです。
彼女が演じたのは、家族が殺された復讐を果たすため、ジェームス・ボンドとタッグを組み悪の組織を追うカミーユ。
オーディション時のオルガを見た際、当初、監督もプロデューサーも彼女は落ちると思ったそうです。しかしオルガの妖艶な雰囲気、そして生まれ育った環境が落とすどこか影のある感じに、何かカミーユ役との共通点が感じられたのでしょうか。最終的に、当時女優としては無名だったオルガが22番目のボンド・ガールに選ばれました。
2007年のクリスマスイブに、カミーユ役決定の連絡が来たオルガ。この年のクリスマスは忘れられないものになった、とインタビューで語っていました。
ラッセル・クロウ初監督作品出演
オーストラリアを代表する大俳優ラッセル・クロウ。なんと彼が自ら監督、主演で実話を基にした映画『ディバイナー 戦禍に光を求めて』を作り上げました。本国オーストラリアではすでに公開されており、オーストラリア・アカデミー賞で最優秀作品賞など3部門を受賞するなど、高い評価を得ています。
映画は第一次世界大戦中のトルコで起こった、「ガリポリの戦い」が大きなテーマになっています。この戦いは、オスマン帝国からイスタンブールを奪還するため、連合国軍がトルコのガリポリ半島に上陸作戦をした際に起こりました。連合国軍側にはオーストラリア、ニュージーランドも参加していましたが、オスマン帝国側の抵抗が激しく、上陸作戦は失敗。連合国軍は多数の犠牲者を出してしまいます。
この戦いに、ラッセル・クロウ演じる農夫ジョシュアの息子たち3人が参加していましたが、全員行方不明に。諦めがつかないジョシュアは、第一次世界大戦収束後3人の息子を探すため自らトルコに行くことを決断します。見知らぬ土地で危険な目にあいながらも、人々の助けを得ながら息子探しに奔走する姿を描いた作品です
オルガ・キュリレンコがこの映画で演じたのは、ジョシュアがトルコで出会った宿の女将で、一人で息子を育てる未亡人のアイシュ。 映画の中の庶民的な格好では隠しきれない、オルガの溢れ出す妖艶さが見所です。劇中でトルコ語も披露しています。
2016年2月27日、日本公開予定です
オルガ・キュリレンコのその他の主な出演作品
『オブビリオン』(2013)
トム・クルーズ主演、モーガン・フリーマンも出演したSFスリラー大作。
舞台は2077年。地球は異星人に襲撃され荒れはててしまったため、 人間たちは土星の衛星タイタンに移住することに。
地球に残りパトロールを任されているのが、トム・クルーズ演じる主人公のジャックです。ある日突然、謎のカプセル形状の飛行物体が地球に落下。ジャックが駆けつけると、そのカプセルの中に謎の美女が眠っていました。彼女との出会いにより、ジャックを取り巻く環境が次々と変化していき、ストーリーが展開していきます。
最新の技術を駆使して作られた映像が、映画とは思えないほど大変美しく素晴らしい作品です。
『ヴァンパイア・アカデミー』(2014)ー
『ヴァンパイア・アカデミー』は、『ミーン・ガールズ』『フォーチュン・クッキー』のマーク・ウォーターズ監督が、ベストセラーヤングアダルト小説を映画化した作品。ヴァンパイアと人間のハーフであるローズが主人公です。
ローズはヴァンパイア王族の親友リサを守るため日々トレーニングを積んでいますが、ある日を境にリサの身を脅かす事件が次々と発生するようになり、リサの守護者であるローズ自身も、ヴァンパイア王族の王位継承権をめぐる陰謀に巻き込まれることになるというサスペンスストーリーです。
オルガは、学園の校長でヴァンパイアであるキロワ校長を演じています。オルガの高貴な雰囲気と威厳のある感じが、まさに校長にぴったり。
オルガはティーン向けムービーに出演することにより新境地を開くはずでしたが、 映画自体の評判が悪く、興行収入が製作費の半分しか回収できず悲惨な結果になってしまいました。
オルガ・キュリレンコの今後
2015年はオルガの映画がいくつか公開されたものの、不名誉な話題で注目されてしまった模様。 なんと彼女が主演を務めた映画『モメンタム』がイギリスで10月に初公開された際、初日の売り上げがイギリス全土でたった46ポンド(約8600円)だったのです。2000万ドル(約24億円)の制作費、そして大俳優モーガン・フリーマンも出演していたにも関わらずこのような結果になってしまい、歴史的失敗作として世界中で有名になってしまいました。
007以降、出演作がパッとしなかった挙句、2015年のこの事件。2016年、オルガ・キュリレンコは起死回生なるのでしょうか。
そんなオルガに明るい兆しが。なんとオルガは『ニュー・シネマ・パラダイス』『海の上のピアニスト』などでおなじみ、ジュゼッペ・トルナトーレ監督の新作『The Correspondence(英題)』のヒロインを演じています。
2016年1月にイタリアで公開され、日本でも2016年9月に公開されます。主演のジェレミー・アイアンズ演じる大学教授が、オルガ演じる若い女性と不倫関係に落ちてしまうという危険なラブストーリー。
ジュゼッペ・トルナトーレ監督に美女を撮らせたら間違いなし。 映画『マレーナ』で世界中の人々がモニカ・ベルッチの美しさに魅せられたように、 監督はこの映画で、オルガの魅力を最大限に引き出してくれることでしょう。
もう一つ、ニーアル・ジョンソン監督が手掛ける最新作『アンドロイド』に出演が決定しており、2016年2月にクランクイン予定とのこと。
宇宙船に乗船している主人公は、寂しさを埋めるために亡き妻と息子のアンドロイドを造ります。その妻のアンドロイド役がオルガです。アンドロイド達は、ロボットという枠を超え、人間たちに自分たちの権利や命を要求しはじめてしまいます。主人公をはじめとする人間立ちは、アンドロイド達にどう立ち向かうのかを描いた、近未来のストーリーです。
2016年もオルガにとって忙しい一年になりそうですね。今後もオルガ・キュリレンコの活躍から目が離せません!