タランティーノ監督映画『イングロリアス・バスターズ』
独特の世界観で注目作を生み出し続けるクエンティン・タランティーノ監督による2009年の映画『イングロリアス・バスターズ』。ブラッド・ピット、クリストフ・ヴァルツといった大物俳優に加え、マイケル・ファスベンダー、メラニー・ロナンなど若手人気俳優も大集結した痛快作のあらすじ・キャストをご紹介します。
『イングロリアス・バスターズ』あらすじ
舞台となるのは第二次世界大戦。ナチスのランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)に家族を虐殺されたユダヤ系フランス人の少女ショシャナ(メラニー・ロラン)は彼の手を逃れ、パリで別人として暮らし始めます。
一方、ユダヤ系アメリカ人から成る秘密部隊”イングロリアス・バスターズ”を率いるレイン中尉(ブラッド・ピット)はナチス兵を次々と血祭りにあげていました。
数年後、ランダ大佐にパリで偶然再会したショシャナは家族の復讐を誓うのですが、その頃レイン中佐もパリでの作戦を実行に移していました。様々な人物の思惑が交錯し、物語は怒濤のクライマックスへ……!
『イングロリアス・バスターズ』キャスト
レイン中尉/ブラッド・ピット
主演はブラピの愛称でおなじみのブラッド・ピット。バスターズを率いるレイン中尉を茶目っ気たっぷりに演じています。
端正なルックスも魅力的ですが、俳優としてアカデミー賞に3度ノミネートされるなど演技派俳優としても知られ、映画プロデューサーとしても活躍。彼の運営する映画製作会社は、『ディパーテッド』、『キック・アス』、『マネーボール』などと幅広いジャンルを扱い、質の高い作品を世に送り出しています。
ランダ大佐/クリストフ・ヴァルツ
今作最大の悪役を演じるのはクリストフ・ヴァルツ。他の追随を許さない圧巻の演技を見せ、第62回カンヌ国際映画祭男優賞、第82回アカデミー賞助演男優賞を受賞。一躍有名になりました。
また、2013年のタランティーノ作品『ジャンゴ 繋がれざる者』でもアカデミー賞助演男優賞を受賞。2015年公開の『007 スペクター』ではボンドの宿敵を演じるなど、活躍の場を広げています。
ショシャナ/メラニー・ロナン
フランス出身の女優メラニー・ロナンは物語のキーとなるユダヤ系フランス人女性ショシャナを演じ、今作でハリウッドデビューを果たしました。自身もユダヤ系であることから、物語への思い入れは強かったそうです。
『オーケストラ!』、『グランド・イリュージョン』といった有名作に出演する傍ら、映画監督・モデル・歌手とマルチな才能を発揮し、今後の活躍が期待されています。
ヒコックス中尉/マイケル・ファスベンダー
ドイツ語を操り、バスターズと共にフランス入りするヒコックス中尉を演じるのはマイケル・ファスベンダー。
『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』のマグニートー役でブレイクを果たした一方、着実にキャリアを積み、演技派俳優としての地位を確率しています。『それでも夜は明ける』、『スティーブ・ジョブズ』ではアカデミー賞にもノミネートされ、今後の活躍に期待が集まっています。
シャーロット/レア・セドゥ
大きな役ではありませんが、注目したいのがレア・セドゥ。『007スペクター』ではボンド・ガールに抜擢され、まさに今をときめく彼女。実はこの映画が初のハリウッド進出作品でした。
今作では、ショシャナ一家を匿う男の娘という役所。まだあどけなさを残しつつ、その後の活躍を予感させる表情を見る事が出来ます。
監督・脚本はクエンティン・タランティーノ
監督・脚本をつとめたのはクエンティン・タランティーノ。1994年の作品『パルプ・フィクション』でアカデミー脚本賞を始め数々の賞を受賞し、一躍有名になりました。その後も『キル・ビル』、『ジャンゴ 繋がれざる者』などと話題作を生み出し、映画ファンを中心にカルト的人気を誇っています。
タランティーノ監督は映画に関する膨大な知識を持ち、日本映画に造詣が深い事でも知られています。自身の作品に数多くの映画作品オマージュをちりばめ、本人が出演することも。実は今作にもこっそり出演しているのですが、気づく事が出来るでしょうか。一度鑑賞したら次は監督探し…なんて見方も面白いかも知れません。
『イングロリアス・バスターズ』見所のまとめ!
それでは、ここまでご紹介して来た映画『イングロリアス・バスターズ』の見所を少しだけまとめようと思います。
キャストによる演技合戦
ここでご紹介したキャスト以外にも、一癖も二癖もある役者が目白押しです。タランティーノ作品の特徴とも言えるのが、役者がみんな楽しそう!ということ。普段なかなか出会えないキャラクターを、誰もが生き生きと演じています。
タランティーノ監督ならではのブラックジョークやテンポの良い掛け合いも醍醐味の一つ。まさに演技合戦といったシーンからは目が離せません。
入り組んだ脚本構成
執筆にかなりの時間を費やしたという入り組んだ脚本にも注目です。物語は五つの章から構成され、演出のタッチが微妙に異なるので長さを感じさせません。登場人物それぞれの思惑が巧みに混ざり合い、クライマックスへと向かいます。
戦争映画と言うよりエンターテイメント作になっていますが、実際の歴史が土台になっているので、第二次世界大戦やナチスの動き等を少し予習してから観るとより理解が深まるかも知れません。
痛快な演出
タランティーノ監督の代名詞とも言えるのが痛快な演出。デビュー作『レザボア・ドッグス』から残酷とも言える描写を得意としています。今作ではより深みを増し、突き抜けた表現が魅力的です。ここでCiatrユーザーの感想を見てみましょう。
takakazu
センスの塊
タランティーノ全開
乱射シーンがたまんない。
mooonooomooon
いやもう最高です。
Marie_Hirano
タランティーノの作品はどれも好きですが、これは別格…
「イングロリアス・バスターズ」でついに、これまでのタランティーノイズムが
いよいよもって成熟してきたなあ…シビれる!!
タランティーノの凄みを感じさせられた一本でした。
「べらべらとくだらないおしゃべりが長くてだるい!」なんて絶対に言わせない、
洗練されたダイアログがファーストシーンの緊張感をぐぐぐーーーーっと高める。
とにかく今作では、あらゆるシーンで会話の心地よい緊張感が印象深かったですね。
最高です!
928uhen
2013/5/8
何度でも見たくなる。最高。
中には目を背けたくなるシーンもあるかも知れませんが、「最高」「たまんない」の声が多発。やはり、男子を中心に絶大な支持を集めているようです。
タランティーノの作品をまだ見た事の無い方、手始めに『イングロリアス・バスターズ』を観てみてはいかがでしょうか?きっと新たな刺激に出会えるでしょう!