ハナダジムのジムリーダー、カスミ
人気ゲームソフトを原作とし、社会現象にもなったアニメ『ポケットモンスター』。アニメの初代ヒロインは、世界一の水ポケモントレーナーを夢見る10歳の少女・カスミです。
カントー地方・ハナダシティの出身。両親は居なく姉妹で暮らしていて、ポケモンの強さを競うための施設・ハナダジムの4人姉妹の末っ子です。姉たちから押し付けられる形で、ジムリーダーを務めるようになりました。
男勝りで勝気な性格のため、ポケモンバトルやゲットにも積極的に参加。暴力的な言動が目立ちますが、基本的には優しく正義感の強い性格で、自身が所有するポケモンに危険が及ぶと身を挺して庇います。
水ポケモンを溺愛!かわいいポケモンを贔屓
ポケモンには様々なタイプがあり、カスミは「みずタイプ」専門のポケモントレーナーです。
他人のポケモンにも思いやりを持って接しますが、自身が得意とする「みずタイプ」のポケモンには特に深い愛情を示します。毒を持つ「みず」及び「どく」タイプのメノクラゲでさえ可愛いと言い切り、触手を絡められると喜ぶそうです。
メノクラゲ
メノクラゲは、巨大ドククラゲに付いて大量に出現し街を襲ったことがありましたが、その理由は人間がリゾート開発などで自然破壊を行ったからでした。
「みずタイプ」のポケモンには寛容な美意識と感情を持つカスミですが、ギャラドスだけは幼少時の出来事が原因で苦手としていました。しかし、後に克服して手持ちのポケモンに加えています。
基本的にかわいい外見のポケモンを好むようで、「みずタイプ」でなくても野生で気に入ったポケモンが居るとゲットを試みることもあるのだとか。
以下、カスミのポケモンをピックアップしてご紹介します。みずポケモン専門のジム育ちのため、ほとんどが「みずタイプ」の属性です。
ギャラドス
コイキングがレベル20になると進化する大器晩成型ポケモンで、「みず」及び「ひこう」タイプです。
ハナダジムのコイキングが進化したギャラドスは、当初は手がつけられず暴れていたそうです。カスミは、幼い頃の出来事が原因でギャラドスに苦手意識がありましたが、一年ぶりにハナダジムに帰ってきた際にこれを克服しました。
以降、ギャラドスは彼女の主力ポケモンとなり、ホウエン編では「かえんほうしゃ」を操り活躍しています。
そのほかの使用技は、「ハイドロポンプ」「あばれる」「はかいこうせん」など。
ヒトデマン
カスミが最初から持っているポケモンのひとつで、「みずタイプ」のほしがたポケモンです。
夜になるとコアが赤く点滅し、コアが残っている限り体の一部を失っても再生させられます。陸上でのバトルも可能なため、戦力としてカスミから信頼され、必然と使用率が高くなるようです。
ロケット団の気球に「たいあたり」して穴を開けるという活躍もしました。そのほかの使用技は、「みずでっぽう」「こうそくスピン」「スピードスター」など。
スターミー
ヒトデマンに「みずのいし」を与え進化した「みず」 及び「エスパー」タイプのポケモン。進化後は、体の中心部のコアが八角形になり、色も鮮やかになります。
カスミが最初から持っていたポケモンのひとつで、ヒトデマンの進化形ですが、前述のヒトデマンとは別の固体です。旅の途中で彼女がハナダジムに立ち寄った際、後述のタッツーと共に姉のもとに預けられました。
幾何学的なフォルムから、宇宙生物なのではないかと言われたことも。
使用技は、「みずでっぽう」や「たいあたり」です。
トサキント
トサキントもカスミが初めから持っていたポケモンです。
「みずタイプ」の金魚のポケモンで、水のない所ではジタバタと跳ねるだけしかできませんが、水中戦では優雅に泳ぎ大活躍。その強い角で金魚鉢程度の厚さのガラスなら簡単に割ってしまうのだとか。
使用技は、「みずでっぽう」「つのでつく」「みだれづき」「こうそくいどう」「ちょうおんぱ」「つのドリル」など。
タッツー
タツノオトシゴのような姿の「みずタイプ」のポケモン。背中のヒレで自由自在に泳げ、口から墨を吐いて逃げます。
タッツーは、ドククラゲとメノクラゲが街を襲う事を、海面に墨で絵にして警告。カスミのドククラゲへの必至の説得で事態が収まった後、彼女のポケモンとなりました。ほかにも誘拐時に墨を吐いて手がかりを残すなど、なかなか頭が回ります。
海から陸へと環境が変わったストレスなのか、旅が長くなるにつれて元気がなくなったため、心配したカスミはハナダジムに立ち寄りタッツーを姉たちに託しました。その時一緒に預けられたのが、前述のスターミーです。
使用技は、「みずでっぽう」「あわ」「えんまく」など。
コダック
黄色いカモノハシのような見た目の「みずタイプ」のポケモンです。
ポケモンセンターに預けられていた頭痛持ちのコダックを、サトシの親友・タケシが療養のために連れ出したところ、カスミが偶然落としたモンスターボールに入り彼女のポケモンになりました。
とぼけた愛されキャラでギャグ担当。テンポのずれたところがあり、攻撃を受けても少し経ってから痛がります。そして、連続して攻撃され頭痛がひどくなると、念力による技を発動し決して負けません。言いかえると、念力を使わずに勝ったことがありません。
肝心な「みずタイプ」の攻撃技は、威力の弱すぎる「みずてっぽう」を一回使っただけのようです。
主な使用技は、「かなしばり」「ねんりき」「ひっかく」「サイコキネシス」「しっぽをふる」など。
虫ポケモンが大嫌い?
「みずタイプ」のポケモンはこよなく愛するカスミですが、「むしタイプ」に対しては強い拒絶反応を示します。道で「むしポケモン」を見ると悲鳴を上げ逃げ出したりするなど、やはりかわいい外見でないものには嫌悪感があるようです。
しかし、ポケモン全体に対して愛情は深いため、無用なバトルをして傷つけるようなことはしない優しいカスミです。
カスミとサトシは5年半も旅を共にした
『ポケットモンスター』の主人公・サトシとヒロイン・カスミとの出会いは、かなり衝撃的でした。
趣味の釣りをしていたところ、ポケモン・ピカチュウを連れたサトシが通りかかり、断る間もなく自転車を奪われてしまいます。サトシたちはオニスズメに追われていて、ピカチュウの電でオニスズメを撃退し、その結果カスミの自転車は黒焦げに。
初めは自転車を弁償してもらうためサトシの旅に同行することになりますが、途中から弁償を要求することはなくなり、行動を共にすることが旅の目的となったようです。
そうして、二人はカントー地方、オレンジ諸島、ジョウト地方を巡り、合わせて5年半以上も一緒に旅をしました。
常にトゲピーを抱えている訳とは
作品内でチャイナドレスや浴衣姿も披露しているカスミですが、基本はへそ出しの黄色いノースリーブTシャツと、サスペンダー付きデニムホットパンツのスタイルです。
これは、10歳の少女としてはやや刺激的であり、作品の海外進出の際に放送倫理規定に引っかかってしまいました。そのため、途中からトゲピーを抱かせて腹部の肌の露出を隠すようになったと言われています。
ちなみに、トゲピーは、サトシが発見した卵から生まれた「ノーマル」タイプのポケモンです。 孵化したあと初めて見たカスミを親だと思い込んだため、彼女の所有となったそうです。
カスミに続く2代目ヒロインとは?
2002年11月21日、番組名が『ポケットモンスター アドバンスジェネレーション』に変更され、大幅リニューアルが敢行されました。
本作ではカスミの後を継ぐ2代目ヒロインとして「ハルカ」が登場。放送開始日に発売された新作ゲーム『ポケットモンスター ルビー・サファイア』の女の子用主人公を元にしたキャラクターで、声優は鈴木カオリ。前向きで心優く好奇心旺盛なポケモンコーディネーターです。
『ポケモン』カスミの声優は?
カスミの声を務めるのは、東京都出身、1977年1月3日生まれの飯塚雅弓(いいづか・まゆみ)です。女優、声優、歌手、ナレーター、DJなど、幅広く活動しています。
芸能活動のスタートは子役からで、『劇団若草』に所属し、1981年のテレビドラマ『春のうららの物語』富子役でデビューしました。
声優としては、1991年『おもひでぽろぽろ』幼少時代のツネ子役でデビュー。その後『ポケットモンスター』のカスミ役で知られるようになり、『魔術士オーフェン』クリーオウ役や『Kanon』沢渡真琴も代表作に挙げられます。
アイドル声優の先駆け的存在で、雑誌の表紙を飾るほか、CDを発売したり、コンサートを開催。2016年現在も音楽活動を積極的に続けていて、近年では声優よりも歌手やDJなどの活動がメインになっているようです。