ティーンの憧れ、プロム!ガールズムービ―からプロム文化を知ろう

アメリカやカナダの高校でダンスパーティーのプロムと言えば、一大イベント。そんなこともあって、プロムを題材にした映画はこれまでたくさん作られてきました。ここでは、プロムのシーンが印象的なガールズムービーをいくつか紹介します。
プロムとは?
プロムとは、プロムナードの略。北米の高校で学年最後に開かれるフォーマルなダンスパーティーのことを指します。ジュニア・プロムと言って高校2年時に開催されるものもありますが、なんと言っても卒業時に開かれるプロムは、高校生にとって華やかな最重要イベントの一つです。
参加は原則として男女のペアであり、男子が女子をエスコートするというのが一般的なパターンです。男子は基本タキシードを着用し、女子は華やかなドレスやガウンをまといます。誰とパートナーになるか、何を着用するかは、きわめて重要なポイントになっています。
キング&クイーンの栄誉も!
プロムの内容は、生ライブによるダンスや食事がメインで、会場は飾り付けをした学校の体育館で行われることが基本です。ダンスのあとには、投票によってプロムキングとプロムクイーンを決めるコーナーがあり、その夜のクライマックスとなっています。
プロムは、アメリカの青春映画や学園ドラマの中で、しばしば重要なシーンとして登場します。今回はガールズムービーにしぼっていくつかの作品を紹介します。
主人公たちのプロム・ミュージカルが最高にキュート!【2008年】


ディズニー・チャンネルのオリジナルテレビ映画として2006年に放送され、大ヒットした学園ミュージカルのシリーズ3作目にして、初の劇場公開作品です。主人公のトロイに『ヘアスプレー』のザック・エフロン、ガールフレンドのガブリエラにバネッサ・アン・ハジェンズが扮しました。
大学のバスケ進学で内定をもらっているトロイと、名門大学に合格した優等生のガブリエラは、進学後の二人の遠距離が悩みの種。そんな中、恒例のスプリング・ミュージカルのオーディションが行われます。
高校卒業のプロムで繰り広げられるミュージカルは、最高にキュートでしかもパワフル。本作への出演がきっかけで主役二人の人気は沸騰し、サウンドトラックも大ヒットしました。
2016年には新キャストでシリーズ第4弾の製作も発表されています。
プロムクイーンに選ばれたのは美しい5人姉妹の四女【1999年】


1970年代、アメリカ郊外の閑静な住宅地に暮らす、リズボン家の美しい5人姉妹。ある日、末妹のセシリアが自殺、そしてその死から1年も経たないうちに、残りの姉妹たちも……。姉妹に憧れていた少年たちが回想するという形で、少女たちの繊細で危うい思春期の心情を綴った物語です。
母親手作りのドレスでプロムに参加する5人姉妹。そして四女のラックスがプロムクイーンに選ばれるシーンのみずみずしい美しさが心に残ります。
フランシス・フォード・コッポラの娘ソフィア・コッポラによる監督長編第1作。独特の映像センスと、70年代の切ないポップスの組み合わせが印象的です。また、奔放な四女ラックスを演じたキルスティン・ダンストの美しさも忘れられません。
アメリカの作家、ジェフリー・ユージェニデスが1993年に発表した『ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹』が原作です。
貧乏だが意地っ張りの女子高生が、手作りのピンク色のドレスでプロムに【1986年】
父親との二人暮らしで苦しい生活を送っている女子高生アンディをヒロインに、お金持ちの息子ブレーン、アンディに恋心を抱く同級生のダッキーら、若者たちのみずみずしいロマンスの行方と成長を描いた青春映画です。
込み入った恋愛関係と失意の中、父からのプレゼントのドレスと、アルバイト先のオーナー女性のドレスを組み合わせてピンクのドレスを手作りし、プロムに参加するアンディ。プロムの場で、アンディは本当の自分の気持ちに気づきます。
アンディを演じたモリー・リングウォルドは、本作および『すてきな片想い』『ブレックファスト・クラブ』など主演した映画の立て続けのヒットで、全米女子のカリスマ的存在になりました。
脚本・製作は、『恋しくて』など青春映画の傑作を多数生み出したジョン・ヒューズ。ブリティッシュ・ロックを中心にした音楽も最高です。
ドジでさえない女子高生がプロムどころか、本物のロイヤル舞踏会へ【2002年】


メグ・キャボットによる人気小説シリーズ『プリンセス・ダイアリー』が原作。さえないごく普通の女子高生ミアが、ある日突然、ジェノヴィア王国のプリンセスで唯一の王位継承者であることが判明します。戸惑い、パニック状態になりながらも、極秘でプリンセスになるための教育を受ける女の子の成長を描いたロマンチック・コメディです。
ミアを当時まだ新人のアン・ハサウェイ、祖母のクラリスを名優ジュリー・アンドリュースが演じました。監督は、『プリティ・ウーマン』を大ヒットさせた、ロマンチック・コメディの名手ゲイリー・マーシャルです。
2004年には、続編である『プリティ・プリンセス2/ロイヤル・ウェディング』も製作されてヒット。シリーズ3作目の製作も予定されています。
映画では、憧れのプロムどころか、舞踏会に出席するための英才教育を施されるヒロイン。原作においては、女子にとってどれほどプロムが大事か、その日のためにいかに情熱を傾けているか詳細に渡って描かれています。
故ヒース・レジャー主演、プロムを舞台に恋のかけひき【1999年】

シェイクスピアの『じゃじゃ馬ならし』を原案にした本作は、アメリカではスマッシュヒットを記録したものの、実は日本未公開。主演のヒース・レジャー急逝を受け、2010年、『ヒース・レジャーの恋のからさわぎ』のタイトルでやっとDVD化されました。
転校生のキャメロンが、学園のアイドルであるビアンカに一目ぼれ。しかし、ビアンカの父親から姉のカトリーナが先だと条件を付けられてしまいます。そこで、偏屈な男嫌いなビアンカと、はみ出し者のパトリックをくっ付けようと画策。そして、ビアンカはキャメロンと、カトリーナはパトリックとプロムに参加することになるものの、思ってもみない波乱が……。
パトリックを演じた若きヒース・レジャーの眩しいほどの魅力満載。爽やかな学園ロマンチック・コメディーの秀作です。
イケメン男子が、学園一ダサい女子をプロムクイーンに仕立て上げる!【1999年】

学園一イケてる男子生徒ザックが、学園一ダサい女子レイニーを、プロムクイーンに選ばれる美女に仕立て上げることができるか、悪友と賭けに出ます。ところが、想定以上に美しく変貌したレイニーに、ザックが本気で惚れてしまうというキュートな物語です。
主人公の二人を演じたフレディ・プリンツJrとレイチェル・リー・クックのフレッシュな魅力爆発。本作のヒットで、二人は、若者のカリスマ的存在になりました。
ジョン・ヒューズ監督の『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』と並び称される、プロムを描いた青春映画の筆頭に挙げられる作品です。
ヒラリー・ダフ主演、プロムでマイ王子様と踊る現代版シンデレラ【2004年】
童話『シンデレラ』の舞台を現代のアメリカに翻案した、ヒラリー・ダフ主演の学園ラブストーリー。 見てると面白くて気分が良くなりますね! 落ち込んだ時には見てみると良いかもしれないです!

全米で絶大なる人気を誇るアイドル歌手ヒラリー・ダフが主人公を演じた現代版「シンデレラ」とでも言うべき学園ストーリーです。
ロスの高校2年生サムは、父の死後、継母と二人の義姉に奴隷のようにこき使われている境遇。ある日、ネットで出会った理想の王子様。名も知らない彼と、仮面をつけてプロムで会う約束をします。ところが、同じ学校で人気者のフットボール選手、オースティンが王子であることが判明。午前0時になる前に、サムは急いで姿を消すものの……。
ガラスの靴のかわりに携帯電話、かぼちゃの馬車のかわりにオープンカーと、現代版心温まるシンデレラ・ストーリーをヒラリー・ダフがフレッシュな魅力で演じました。
日本では劇場未公開でしたが、2005年にDVDがリリースされています。
女子によるゲイ男子争奪バトル!クライマックスはプロム【2013年】
クローズドなゲイのブレントは高校でカミングアウトをして高校のトップに君臨する3人のクイーンズの今トレンドのGBF(ゲイ・ベスト・フレンド)になって人気者になってやろう!と企てている最中、親友のターナーが先にカミングアウトしてしまうことになりクイーンズのGBFとなってしまい、友情やターナーの平穏な日常が音を立てて崩れ3人のクイーンズの派閥争いに巻き込まれてしまうというドタバタコメディ!
『ミーン・ガールズ』や『MILK』『ブロークバックマウンテン』等の有名ゲイ映画がネタに使われたり俳優の名前が出てきたり笑う所が盛り沢山! そんな中でも友情の大切さを終始語られているこの映画はラストも凄く好きでした。

『G.B.F』とは「Gay Best Friend」の略です。ゲイの友達がいることがおしゃれでステイタスだと思っている女子たちが、GBF争奪戦を繰り広げるポップな学園コメディーです。
主人公は、タナーとブレントの高校生ゲイカップル。二人はカミングアウトしていない、クローゼット・ゲイです。ブレントが、人気女子のGBFになりたいと考える派手な目立ちたがり屋なのに対し、タナーはひっそり隠れていたい地味派。ところが、なぜかタナーの方が先にばれて、人気三人娘のGBFに……。嫉妬に狂うブレント、さて、ゲイカップルと女子たちの争いはどうなるのか……。クライマックスがプロムのシーンになっています。
監督は『ハード・キャンディ』のダレン・スタイン。日本では、2014年7月、第23回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭にて上映されました。