ソフィア・コッポラ監督作品まとめ!【ヴァージン・スーサイズ他】

『ヴァージン・スーサイズ』:少女たちの純粋さと危うさ(1999年)
ソフィア・コッポラは1971年5月14日生まれ、アメリカ出身の映画監督・脚本家・女優です。映像美と繊細な感情描写に定評があり、特に思春期や孤独、女性の内面世界を静かに映し出す作風で高い評価を受けています。 映画界の名門・コッポラ一家に生まれ、父は『ゴッドファーザー』などで知られる巨匠フランシス・フォード・コッポラ、母は映画のセットデザイナー。従兄には俳優のニコラス・ケイジがいます。幼少期にはすでに映画に出演しており、乳児期には『ゴッドファーザー』で洗礼を受ける赤ん坊役としてスクリーンデビューを果たしました。 カリフォルニア芸術大学に進学したものの1995年に中退し、ファッションブランド「ミルクフェド」を友人と共に立ち上げます。その後、1998年に短編『Lick the Star』で監督デビュー。翌年には長編デビュー作『ヴァージン・スーサイズ』で注目を集め、2003年の『ロスト・イン・トランスレーション』ではアカデミー脚本賞、ゴールデングローブ賞脚本賞、セザール賞外国映画賞など、数々の栄誉に輝きました。 以降も一貫して“静かなる心の葛藤”をテーマに、唯一無二の作風で女性監督として世界的な地位を築いています。
ソフィア・コッポラの監督デビュー作となる本作では、5人姉妹の末っ子・セシリアの自殺を発端に、少女たちの繊細な心の移ろいと、彼女たちを見つめる男子たちの視点が交錯。厳格な家庭環境の中で無垢な感情を抱える少女たちの姿が、儚くも妖艶に描かれ、観る者に強い印象を残します。
『ロスト・イン・トランスレーション』:東京で交差する心(2003年)

ソフィア・コッポラが日本で撮影した本作は、ハリウッド俳優ボブと、夫の仕事で東京に来た若き女性シャーロットが、異国の地・東京で出会い、心を通わせる物語です。 日常に違和感を覚える二人が、言葉を超えた絆を築いていく様子が、繊細な映像美と共に描かれています。ソフィア・コッポラはこの作品でアカデミー脚本賞を受賞し、監督としての評価を確立しました。
『マリー・アントワネット』:少女の目線から描いた王妃(2006年)
フランス王妃マリー・アントワネットの生涯を描いた歴史映画ですが、ソフィア・コッポラらしいポップな感性が溢れる映像表現が特徴的です。美しい衣装やスイーツ、インテリアなど、視覚的にも華やか。 キルスティン・ダンストが演じるアントワネットは、孤独と純粋さを併せ持ち、従来の王妃像を覆します。アカデミー衣装デザイン賞を受賞し、ビジュアル面でも高く評価されました。
『SOMEWHERE』:父と娘の静かな再生(2010年)

華やかなハリウッドの裏側で孤独な生活を送る俳優ジョニーと、元妻から預けられた娘・クレオとのひとときを描く物語。 大きな事件は起こらず、静かで繊細な演出が心に残る作品です。エル・ファニング演じる娘と過ごすことで、ジョニーが見失っていた自身を見つけていく姿が温かく映し出されます。ソフィア・コッポラの作家性が最も表れた作品の一つとして知られています。
『ブリングリング』:虚構のセレブ文化に憧れる若者たち(2013年)
実際に起こった事件をもとに、ハリウッドセレブの豪邸に侵入し、ブランド品を盗む若者たちを描いた作品。 華やかさの裏にある空虚感や、SNS時代の自己承認欲求を鋭く切り取り、現代の若者文化に警鐘を鳴らしています。ファッション、音楽、映像美にも定評があり、ソフィアの審美眼が光る作品です。
『リック・ザ・スター』:ソフィア・コッポラの原点(1998年)
ソフィア・コッポラの14分ほどの短編デビュー作。4人の少女が完全犯罪を企てるという内容で、モノクロの映像と独特の映像美が印象的。 日本語字幕はないものの、少女たちの表情や空気感からソフィアの作家性がすでに現れている、ファン必見の初期作品です。