1. ミスター・ウィリアムズと呼ばないで
映画『死霊のはらわた』ファンの人はすでにご存知かもしれませんが、主人公アシュ・ウィリアムズは当初アシュもしくはアシュリーとしか劇中では呼ばれておらず、フルネームは紹介されていません。
サム・ライミ監督とアシュを演じたブルース・キャンベルは撮影当時はまだキャラクターのフルネームを決めていなかったのが理由の1つとされています。
2. オートミールとゴキブリがカギ
劇中には多くの血が使われている『死霊のはらわた』ですが、視覚効果を担当したトム・サリヴァンによると様々な色の物体を使って本物の血を吐いているようにみせたそう。
また『死霊のはらわた』に登場する多くの死体ですが、彼らの腐った頭を表現する際にはオートミール、蛇、マシュマロやゴキブリを使ったんだとか。特殊メイクなどもまだ発達していなかった30年前には様々な手法を駆使して、怖ろしい死体たちを作り出していたんですね。
3. 倒れるほどの気合いの入れよう
『死霊のはらわた』の撮影に視覚効果担当として関わった1人であるバート・ピアースによると、映画の撮影中サム・ライミ監督は24時間すべてを映画の制作に費やしていたそうです。
1晩中撮影を行い、日中は脚本を書いていたサム・ライミ監督は睡眠不足から気を失うこともあったそうで、その際にはスタッフが冷たい水をサム・ライミ監督にかけ目を覚まさせたんだそう。サム・ライミ監督の『死霊のはらわた』に費やした情熱が伝わってきますね。
4. 『死霊のはらわた』ファンの1人
『死霊のはらわた』の撮影が完了した際に、サム・ライミ監督は映画の出来にあまり自信がなかったようです。当時まだ若く、映画制作の経験もあまりなかったサム・ライミ監督としては当然のことだったのかもしれません。
しかし、ホラー映画界の巨匠であるスティーブン・キングは『死霊のはらわた』の大ファンの1人だそうで、映画の出来を称賛した人物の1人でもあります。結果、『死霊のはらわた』は大ヒット映画となり、多くのファンを持つホラー映画となりました。
5. すべてが本物
アッシュ役を演じたブルース・キャンベルは、撮影時はすべてが本物だったと話しています。
すべてというなかには撮影時にはマリファナを使用したことも含まれており、薬の影響で時間や自分がどこにいるのかすら分からなくなってしまうほどだったんだとか。サム・ライミ監督はこの薬の効果をしようして、劇中でアッシュが精神崩壊を起こすシーンを撮影しました。出演者たちも体当たりの演技だったんですね。
6. コミックも
2004年に発売された『死霊のはらわた』シリーズのコミックは、10年以上たった現在でもファンの間で人気を博しています。
その中でも、特にファンの中で大人気だったのが1992年の映画『キャプテン・スーパーマーケット』の続編が描かれているコミックスシリーズです。別の映画からのキャラクターを織り交ぜたコミックは多くのファンを楽しませています。
7. リブート映画である2013年映画『死霊のはらわた』
リブート映画『死霊のはらわた』を撮影した際には、オリジナルの『死霊のはらわた』撮影時よりもかなり多くの予算がありました。かと言って、予算は無限にあったわけではありません。
それぞれのシーンを順番に撮影することで、経費を最小限に抑えるようにした監督たち。実はこうしてシーンを初めから順番に撮影して制作された映画はそれほど多くないんだとか。
8. 予算があまりなかった
公開されてから30年以上たった今でも多くのファンを魅了する『死霊のはらわた』ですが、撮影時には監督としてまだ新人だったサム・ライミ監督の映画の予算はそう多くなかったそう。
ちなみに『スパイダーマン』を撮影した際には、『死霊のはらわた』を撮影した時より400倍以上も予算があったというのですから、サム・ライミ監督の成功が目に見えてわかりますね。と、同時にそれだけの低予算でも『死霊のはらわた』を大ヒット映画として世に送り出したサム・ライミ監督の才能がうかがえます。
9. ついに予算が尽きる…?
気を失ってまで映画の撮影を行ったサム・ライミ監督によると、『死霊のはらわた』で1番大変だったのは撮影に使った体力ではなかったとのこと。
あまりの低予算だったため予算が底をつくたびに撮影を中断し、撮影で荒れた身だしなみを整えスーツに着替えて各所を周り予算の工面をしたスタッフと出演者たち。彼らに予算を提供してくれた人の中には、今年はラスベガスに行かなかったからそのお金を使っていいよと言ってくれた人もいたんだそうです。多くの人の協力があって完成した『死霊のはらわた』なんですね。
10. 『死霊のはらわた』と『13日の金曜日』
1980年に公開されて以来、日本でも大ヒットしたスプラッター映画の1つ『13日の金曜日』。
実は『死霊のはらわた』と『13日の金曜日』は制作協力する話があったそうなんです。しかし、それぞれの制作チームは『死霊のはらわた』でアシュが最後に生き残るかどうかで話がかみ合わず、制作協力の話はなくなってしまいました。
11. 悪ふざけのジョーク
サム・ライミ監督とブルース・キャンベルは最後のシーンを撮影中に、サム・ライミ監督が自身のカメラでブルースの顎を打ったという噂を流しました。
この噂はダラスで行われたコミコンに登場したブルース自身によって、顎を怪我したことはジョークだと言うことがわかりました。
12. アシュの車が登場
リメイクとも違う2013年に公開された『死霊のはらわた』は、1981年に公開された『死霊のはらわた』のリーブートなのかそれとも続編なのかという疑問がささやかれています。
2013年『死霊のはらわた』には1981年『死霊のはらわた』で使われたアシュの黄色い車が錆びた状態で劇中に登場しているのです。これが続編を意味しているのか、それとも制作者の映画への尊敬の意味で登場しているのかは明らかになっていません。
13. 批判もあった『死霊のはらわた』
1981年に『死霊のはらわた』が公開された際には、世界中から批判の声も上がりました。フィンランド、ドイツ、アイルランドやアイスランドでは劇中の暴力的シーンが問題視され上映されませんでした。血が使われたシーンが多く、またサラ・ヨーク演じるシェリーが森の中で木に襲われるシーンなどが含まれておりビデオの販売も危ぶまれました。
サム・ライミ監督ですらシェリーが襲われるシーンについては「少し過激すぎたと思う。」と話したほどです。
14. 本当にあった怖い話
テネシー州モリスタウンで撮影された『死霊のはらわた』ですが、怖い話は映画の中だけではなかったようです。ジョン・ギャラハーとのインタビューの中でサム・ライミ監督はこんな怖い話をしています。
劇中に登場するキャビンは実際に森の中に存在するもので、そのキャビンには祖母、母親、娘と3世代が住んでいました。ある夜、キャビンに住んでいた幼い女の子は雷の音が怖くて母親の部屋へと逃げ込みます。逃げ込んだ先で女の子が見つけたのは死んだ母親。それだけではなく、なんとその女の子の祖母も同じ夜に亡くなっていたのでした。キャビンを逃げ出し近くの民家に助けを求めた女の子。それ以降は誰もそのキャビンに住んでいなかったそうです。
歳月が経ち当時幼かった少女も老女となり、たびたび森の中を彷徨っている姿が見られたんだそうです。
サム・ライミ監督たちが『死霊のはらわた』の撮影中には、キャビン付近に住む民家の人がやってきて「老女を見なかったか?昨日の晩は雷も鳴って嵐だったからこのキャビンに戻って来てるんじゃないかと思ったんだけど。」と聞いてきたんだそう。結局その老女は見つからなかったんだとか・・。
15. ショートフィルムから生まれた映画
『死霊のはらわた』が映画になる前、以前から親交のあったロバート・ターペット、サム・ライミそしてブルース・キャンベルの3人は30分映画の『Within the Woods』を作りました。
この映画を持って投資家たちのもとを周り、自分たちがどんな映画を作りたいと思っているのかそして自分たちにそれができるということを証明したんだそう。
どうしてホラー映画を作ろうと思ったのかという質問に対しては、「映画界のどんな分野が上手くいっているのかを調べたらホラー映画が1番よさそうだったから。」というなんとも面白い理由でした。ホラー映画制作を始めた理由がなんであれ、『死霊のはらわた』の成功はそれぞれの並々ならぬ努力があってこそですね。