2017年7月6日更新

映画『イノセント15』あらすじ・キャスト【小川紗良・萩原利久主演】

このページにはプロモーションが含まれています
イノセント15

AD

『イノセント15』は無垢な15歳の男女が織りなす繊細なラブストーリー

2016年12月17日に正式公開される映画『イノセント15』。それぞれに事情と秘密を抱えた15歳の少年と少女の傷つきやすい青春と恋を描いた問題作で、先駆けて行われた限定上映時からすでに静かな話題を呼んでいました。 本作は、ぴあフィルムフェスティバルなど複数のインディペンデント系映画祭で高く評価されてきた甲斐博和が、満を持して取り組んだ長編初監督作品。また期待の若手と中堅実力派俳優が四つに組み、現代に生きる重厚な人間ドラマが展開します。

映画『イノセント15』のあらすじ

地方のある小さな町に暮らす中学3年の岩崎銀と、銀に一方的な想いを寄せる同級生の佐田成美はともにまだ無垢で大人になりきれない15歳。銀は父親がゲイであることを知って揺れ動く一方、成美は表向きには屈託なく振舞いながらも、母親から風俗や自身の恋人に売春を勧められて身の置き場がありません。 ついに成美は家を出て東京に住む父親を訪ねる決心をします。そして銀も自ら申し出て同行することに……。互いの事情は秘密のまま旅に出た二人は、惹かれあいながらも無垢ゆえにすれ違い、さらなる現実に直面せざるを得なくなっていきます。 現代に生きる闇を抱えた大人たちの狭間で、イノセントな少年と少女ふたりの行く末は果たして……。切ない恋と孤独な青春の物語です。

映画『イノセント15』に出演の主要キャスト

佐田成美役/小川紗良

ヒロインの成美を演じる小川紗良は、1996年6月8日生まれで東京都出身の女優です。高校生のときに雑誌の読者モデルに選ばれ、それがきっかけで芸能界入りします。2014年には日本テレビ系列の連続ドラマ『地獄先生ぬ〜べ〜』で女優デビューを果たしました。端役ながら朝ドラ『まれ』にも出演しています。 その後、早稲田大学の学生として勉強しながら、MVやCMなどを中心に女優として活動を続け、本作が初主演にして映画デビュー作となりました。

岩崎銀役/萩原利久

主人公の銀をみずみずしい魅力で演じ切った萩原利久は1999年2月28日生まれの埼玉県出身です。2008年に「LEGOブロック」のCMに出演し、芸能界デビューを果たします。その後、実力のある子役としてたくさんのテレビドラマや映画で活躍してきました。 連続ドラマ『恋仲』では印象的な胸キュン男子中学生役で登場したほか、最近では大ヒットした映画『ちはやふる』にも出演しています。 『イノセント15』では子役から脱皮し、演技派若手俳優として圧倒的な存在感を放っています。

佐田律子役/宮地真緒

実の娘に売春をすすめる冷酷な母親の律子には宮地真緒が扮しました。 1984年2月2日生まれで兵庫県洲本市出身の宮地は、「ヤングジャンプ」の創刊1000号記念号の表紙や旭化成キャンペーンモデルに抜擢され、2002年にはついにNHK朝ドラ『まんてん』のヒロイン役を手にします。宇宙飛行士を夢見る満天を演じ、一躍人気者になりました。 その後は数多くのドラマや映画に出演を続けていますが、とりわけ二時間サスペンスドラマでの活躍には目覚ましいものがあります。

岩崎大道役/山本剛史

実はゲイであるという難しい設定の銀の父・大道を演じているのは個性派中堅俳優の山本剛史です。1976年8月1日、愛知県名古屋市に生まれました。映画監督の山下敦弘は中学時代の同級生であり、早くから一緒に自主製作映画を撮っていました。 山下敦弘監督の映画では、『その男、狂棒に突き』『汁刑事』『リンダリンダリンダ』『ばかのハコ船』などほとんど全ての作品に主役含め様々な役柄で登場します。独特の個性を合わせ持った俳優として、テレビドラマはもちろんインディペンデント系映画に多数出演しています。

期待の新鋭監督・甲斐博和による初の長編映画

初監督映画『hanafusa』が2006年のぴあフィルムフェスティバルで審査員特別賞を受賞したのを皮切りに、その後の作品でも田辺・弁慶映画祭、東京国際映画祭、水戸短編映像祭、大阪CO2映画祭などにおいて数多くの賞を受賞してきた映画監督の甲斐博和。本作で初の長編デビューとなりました。 1977年に鹿児島県屋久島で生まれ、チリのサンチャゴで2年間の遊学を経て、筑波大学で心理学などを学びました。卒業後2003年に劇団「TOCA」を創立し、映画製作に携わることになります。製作した短編には『それはそれ、』『浴槽と電車』『犬のようだ』などがあります。 『イノセント15』製作のきっかけは、子供を保護する「シェルター」という施設で働いている経験によるものだとインタビューで語っています。
一番は、不安定な時期でもある大人と子供の狭間を描きたいと思っていました。その理由としては、社会福祉法人カリヨン子どもセンターという団体が運営している、「シェルター」という、さまざまな事情で帰る家のない少年少女たちを受け入れる場所でいま僕は働いているんですね。そこで働いていると、色んな子供達が来ていて、小学生の子もいれば20歳の子も来るのですが、15歳位の子達が特に多いんです。

イギリスのレインダンス映画祭に正式出品!

『イノセント15』は、1992年よりイギリスで開催されているインディペンデント系映画の祭典「レインダンス映画祭」に正式出品され、海外映画祭初参加となりました。 第24回は2016年の9月21日から10月2まで行われ、コンペ部門ではないもののNarrative Discovery部門において上映され高い評価を受けています。

ヒロインを演じた小川紗良は監督としても注目!

小川紗良は女優としてのみならず、初監督・脚本・編集に主演を兼ねた短編映画『あさつゆ』を発表。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2016インターナショナル・ショートフィルム・コンペティション部門で上映され、際立った才能が話題を呼びました。 その経緯については以下の通り語っています。
映像制作は、高校に入ったときに、学校行事のドキュメンタリーを作ったりしていて、だから女優と映像制作は完全に別でやってましたね。それぞれやっていく中で、大学に入ってから「映画を自分で作ってみよう」と思って、作るのも演じるのも両方やっていきたくて、自分で演じてみたという感じです。
引用:nikkan-spa.jp
今後も女優と監督の両方を続けていくようで、さらなる飛躍が期待されます。

映画『イノセント15』のみどころ

『イノセント15』は無垢でみずみずしい15歳の少年少女を主人公としながらも、実の親による子供虐待や性的マイノリティーといった現代人の心の闇と今日の日本が抱える問題に鋭く切り込んだ社会派作品の側面も持っています。 また、監督や出演俳優たちのナイーブな感性に支えられ、まるで絵画のような美しい映像も見どころのひとつとなっており、アート系映画としても見応えじゅうぶんです。