アカデミー賞において2部門を受賞した名作『グッド・ウィル・ハンティング』
『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』は第70回アカデミー賞において9部門にノミネートされ、そのうち2部門、助演男優賞(ロビン・ウィリアムズ)・脚本賞(新進気鋭の脚本家 マット・デイモンとベン・アフレック)を受賞しています。
この作品は名作として強く心を打つ、忘れられないものとなるでしょう。そんな素敵な作品の魅力を紐解いていきます。
映画『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』のあらすじ
ウィル・ハンティング(マット・デイモン)は、MITの清掃作業員。MITはアメリカでもトップの大学でした。
しかしその大学で最も頭脳明晰だったのは学内の学生ではなくウィルだったのです。彼は他人の話に聞く耳を持たない、労働者階級の天才児でしたが、人生においては失敗を繰り返していたのです。
何度も警察沙汰を起こしたウィルの最後の頼りの綱は、心理学教授ショーン・マクワイヤ(ロビン・ウィリアムズ)。ショーンはウィルの心を動かすことのできる唯一の人だったのです。
強い抵抗を感じながらも過去に向き合うことで、ウィルは自分が進歩できない原因は自分自身にあることに徐々に気づいていきます。
『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』に出演のキャスト
ウィル・ハンティング/マット・デイモン
主人公ウィル・ハンティングを演じたマット・デイモン。
ハーバード大学在学中の1988年、『ミスティック・ピザ』に出演し、映画デビューを果たします。1996年には『戦火の勇気』でヘロイン中毒の兵士を好演しましたが、その役作りのため無理な減量をしたことで体調を崩します。
その次の年、幼なじみのベン・アフレックと共に手がけた『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』の脚本がアカデミー賞脚本賞を受賞。俳優としても主演賞にノミネートされました。
その後も『リプリー』『オーシャンズ11』、『グッド・シェパード』などに出演し、高い評価を得ています。
ショーン・マグワイア/ロビン・ウィリアムズ
主人公ウィルのカウンセリングを行う心理学教授ショーン・マグワイア役に、ロビン・ウィリアムズ。頑なだった主人公ウィルの心を徐々に動かしていく教授を好演し、アカデミー賞助演男優賞を受賞しました。
ドラマ『モーク&ミンディ』での宇宙人をはじめ、多くのコミカルな役を演じる一方、『グッドモーニング,ベトナム』『いまを生きる』では印象的な演技で主演男優賞にノミネートされました。
その他にも幅広く役を演じ、子どもから大人まで愛される俳優でしたが、2014年に自宅で亡くなっているのが発見されました。
チャッキー・サリヴァン/ベン・アフレック
ウィルの悪友、チャッキー・サリヴァン役をベン・アフレックが演じています。マット・デイモンとは小さいころからの友人で、共に脚本を手がけたこの作品でブレイクしました。
俳優としての代表作に『アルマゲドン』『パール・ハーバー』などがあります。また監督としても活躍しており、サスペンス映画『アルゴ』では英国アカデミー賞で作品賞、監督賞を受賞しました。
ジェラルド・ランボー/ステラン・スカルスガルド
MITの数学教授、ジェラルド・ランボー役にステラン・スカルスガルド。ウィルの天才的な数学の才能を見出し、警察沙汰になったウィルを引き取ってショーンに合わせた人物。
スカルスガルドはスウェーデン出身の俳優です。アメリカ映画での2作目の出演となる『レッド・オクトーバーを追え!』ではソ連海軍の潜水艦艦長、ツポレフを演じています。
ロビン・ウィリアムズを追悼して
映画の中でウィルとショーンがカウンセリング室ではなく、公園のベンチに座って話をするシーンがあります。
そのシーンが撮影されたボストン・パブリック・ガーデンにあるベンチには、2014年にロビン・ウィリアムズが亡くなったあと、ウィリアムズを追悼する花束が寄せられたり、映画のセリフが書かれたりしています。
そしてそのベンチの横にウィリアムズの銅像を設置することを求める署名運動が現在も進められています。
ロビン・ウィリアムズのアドリブに、たまらず爆笑!
ショーンが彼の亡くなった奥さんがおならをしたエピソードをウィルに話すシーンがありますが、それはロビン・ウィリアムズのアドリブだったそうです。そのため、マット・デイモンは本当に爆笑していました。
さらにそのシーンをよく見てみてください。カメラが少し揺れているのがわかります。おそらく撮影しているカメラマンも笑っていたのでしょうね。
『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』のCiatrユーザーの感想・評価を紹介!【ネタバレ注意】
グッと心に刺さります
_Xiu_Xiu
ベンチのシーン、スカイラーとのデートシーン、It's not your fault.のシーン、友人がクルマを贈るシーン…刺さるシーンがたくさんあった。
作品全体に知性がにじみ出ていた。すごくよかった。
ショーン、チャッキーの言葉がボディブローのように・・・
HMworldtraveller
素のままの心をさらけ出せる相手がいることはとても幸せなことだと気がつく映画。硬すぎる殻にこもったウィルに対峙するうちに自分の哀しみにも向き合うことになるショーン。穏やかな口調ながら心の奥底にまでリーチしてくるショーンに戸惑い動揺し殻が崩れ始めるウィル。心の融解の過程が見えるかのような2人の対話のシーンが好きです。終盤、チャッキーがウィルの背中を押すセリフと、友の旅立ちを知って嬉しさと寂しさが入り混じった表情をするシーンもグッときました。号泣するような大感動というのとはちょっと違うけれど、観ているうちにじわじわとボディブローが効いてくるような感じで響いてくる。マット・ディモン、ロビン・ウィリアムス、ベン・アフレックの演技が素晴らしい。特にロビン・ウィリアムス、、、こういう役を演じていただけに泣けてくる。鑑賞を重ねるごとに味わい深くなる、派手ではないけど静かに琴線に触れる作品。
ナチュラルな感動。何度も観たい!
ThePunchSour
これほどナチュラルな感動は他にない。マッド・デイモンとロビン・ウィリアムズのやりとりが最高。それでロビン・ウィリアムズのセリフがどれをとっても心に響く。公園のシーンと最後のシーンは映画史に残る。何度も観てるけど、これからも何度も観たいと思わせてくれる作品。アイデンティティについて考えさせられた。
何度観ても名作!自分を見つめ直すきっかけに
doortothedoor
再び観ましたが、何度観ても名作!
新しい事を始めようとか、自分の中の恐怖心を捨てたいと願うとき、
いつもこの映画が一押ししてくれる。
「今のままの彼女は完璧だ。今度話したら頭がよくないかも」
「君も完璧な自分を壊したくない?
超すばらしい哲学だ。"誰とも本気で付き合わず一生を過ごす"」
このセリフのやり取りが、自分にとってこの映画のテーマであり、自己防衛しながら家族、友人、恋人と付き合っていないかと、周囲への人間関係を問いただすきっかけになります。
そして、
Elliott Smith、『Miss Misery』が流れるとさらに感傷的にさせられて、ずるいんです。