2017年7月6日更新

デイヴ・グルーシン、『コンドル』の作曲を担当した作曲家を知ってる?

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デイヴ・グルーシン

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デイヴ・グルーシンって知ってる?

デイヴ・グルーシンという人をご存知でしょうか。グラミー賞受賞10回、アカデミー賞受賞1回、ノミネーション7回の、映画音楽を語る上では欠かせない存在です。 代表作は『卒業』『コンドル』『恋に落ちて』などなど…。ジャズ・フュージョンとピアノのメロディが印象的な作曲家、デイヴ・グルーシンに迫ります!

デイヴ・グルーシンの生い立ち

デイヴ・グルーシンは、1934年にロッキー山脈の州コロラドで生まれます。父親はバイオリニスト、母親はピアニストといった音楽一家にあった彼は、自然と音楽の道へと進むことになります。 1956年にコロラド大学の音楽科を卒業すると、一時は兵役につきますが、除隊後はやはり音楽を仕事にします。1962年には初のアルバムを発表、また60年代を通しテレビ番組『アンディ・ウィリアムズ・ショー』の音楽を担当。以後、映画やテレビ音楽に多く携わることになります。

1967年の名作『卒業』のサントラに参加

デイヴ・グルーシンが映画音楽家としてのキャリアの中で3番目に担当したのが、今でも語り継がれるあの名作『卒業』のサウンドトラックです。もちろん、その全てを彼が作曲したわけではなく、サイモン&ガーファンクルとの共作となっていました。 このサウンドトラックでは、「Sunporch Cha-Cha-Cha」に代表される曲にグルーシンの親しみやすいジャズの音色を見ることができます。 このサウンドトラックは1968年のアメリカのアルバムチャートで1位を獲得し、ポール・サイモンとともにグラミー賞を受賞しました。

レコード会社を設立!

10年近く映画音楽業界で働いたデイヴ・グルーシンは、仕事を楽しみながらも、自分の音楽的な創造性が制限されているように感じるようになっていました。そこで70年代、彼はジャズ音楽を作曲し、録音し、アルバムを制作するというより「ピュア」な音楽活動に戻るようになります。 その中で、彼は世界の音楽界に大きく貢献することとなる事業を成し遂げました。それがジャズレーベル(レコード会社)「GRPレコード」の設立です。 このレーベルからプロデューサーとして多くのミュージシャンをヒットさせ、現在ではGRPレコードは、スムース・ジャズを扱うレコード会社の中では世界最大級の規模となっています。

政治サスペンス『コンドル』の作曲を担当

ロバート・レッドフォードとフェイ・ダナウェイ主演で描かれた1975年の『コンドル』は、CIAの陰謀とその渦中に放り込まれた男ジョセフ・ターナーの逃走を描いたサスペンススリラーで、その音楽を担当したのがデイヴ・グルーシンです。 映画の中で彼のジャズ風の音楽が使われるのはごくわずか。時折聞こえてくる程度で、正面に大きく出てくることはありません。しかし、『コンドル』が観客を引き付けて離さない良作となっている背景には、必ずその卓越した音楽使いがあるのです。

『トッツィー』『恋におちて』など継続して良作に携わる

80年代に入ってもデイヴ・グルーシンの活動が途絶えることはありません!再びダスティン・ホフマンと組んだ大ヒットコメディ『トッツィー』や、メリル・ストリープとロバート・デ・ニーロによる「純粋な」不倫映画『恋におちて』など、良作の音楽制作に次々と携わります。 大人なオシャレな雰囲気を味わえる『恋におちて』のサウンドトラックは、長年待ち望まれてようやく2014年に発売されました。代表作「Mountain Dance」などが収録された、くつろぎのひとときにぴったりのアルバムです。

アカデミー賞を受賞!

これまで多数の賞にノミネートされてきたデイヴ・グルーシンですが、1988年の『ミラグロ/奇跡の地』で初のアカデミー作曲賞を受賞します! 本作は、ロバード・レッドフォード監督作品。ニューメキシコ州の自然溢れる町ミラグロにレジャーランド建設のために開発業者がやって来るが…という内容の隠れた名作です。 ニューメキシコ州の大自然を感じさせるような美しいメロディを耳にすることができます。

デイヴ・グルーシンの弟も音楽家

実はデイヴ・クルーシンの弟のドン・グルーシンも著名な音楽家。ピアニストとしてクインシー・ジョーンズとともに共演したり、兄のデイヴが設立したレーベルからアルバムを出すなどして精力的に活動しています。 このドン・グルーシンは音楽の道に進む前は大学で経済学を教えていた、という点に親しみやすさを感じますね。