映画『王様のためのホログラム』!トム・ハンクスが出演熱望したヒューマンドラマ
名優トム・ハンクスが自ら出演を熱望したヒューマンドラマ『王様のためのホログラム』の日本公開日が近づいてきました!舞台はなんとサウジアラビア?どんなストーリーなのか気になりますね。
この記事では2017年2月日本公開の必見作のあらすじ、キャスト、監督、見どころ、その他関連情報などをまとめて御紹介します!
『王様のためのホログラム』ストーリー
主人公のアラン・クレイは、リーマンショックの中で家を失い、妻とも離婚して自暴自棄になり掛けているセールスマン。ある日彼は、サウジアラビア政府に最先端の映像装置「3Dホログラム」を売り込むために派遣されます。
これは一生に一度の大チャンス。アランはこの商談が成功すれば、人生をやり直せるかも…と期待するのです。
舞台は2010年、「アラブの春」前のサウジアラビアにあって、主人公は激しい文化の衝突を経験して困惑します。不明瞭な官僚主義や、地元の人にしか分からない慣習の数々…。しかしその中で皮肉家のタクシー運転手ユスフや、女医のザーラと出会い、アランの世界観は少しずつ変わっていくことになるのでした。
果たして彼は、3Dホログラムを売り込み、幸せを取り戻すことができるのでしょうか?
『王様のためのホログラム』の気になるキャストは?
主人公アラン・クレイを演じるのはハリウッドを代表する名優トム・ハンクス
超がつくほどの有名俳優トム・ハンクス。カリフォルニア出身で2016年現在60歳の彼は、シリアスな映画からドラマ、コメディと多彩な役をこなしており、これまでにアカデミー主演男優賞にノミネート5回、そして『フィラデルフィア』と『フォレスト・ガンプ/一期一会』でなんと2年連続の受賞を果たしています。
アメリカのテレビ局AMCが選ぶ「最高の俳優ベスト50」では、ローレンス・オリヴィエやマーロン・ブランドといった大御所を抑えて堂々の1位!代表作は『キャスト・アウェイ』、『プライベート・ライアン』、『ターミナル』などがあり、スティーブン・スピルバーグ監督作品の常連でもあります。
2016年は彼にとって大豊作の年。ここで紹介している『王様のためのホログラム』に加え、『ハドソン川の奇跡』そして『インフェルノ』が公開されました。
本作で演じるアラン・クレイは運の尽きたセールスマン。妻も家も失い、息子の学費を払えず、さらに任された任務のプレッシャーに耐える存在です。トム・ハンクスの困ったような顔がぴったりと合っています。
ムスリムに対する反感が強まっているアメリカ人として、サウジアラビアを舞台とした映画に出ることを、彼はどのように捉えたのでしょうか。
僕の仕事はステレオタイプから離れることだと思うんだ。映画撮影のために初めて中東を訪れた時、一瞬で自分の持っていたステレオタイプは崩れたよ。それを視聴者にも見せたいね。
ユスフを演じるのは今作が長編映画デビューとなるアレクサンダー・ブラック
テキサス州出身の俳優アレクサンダー・ブラックは、映画の他のキャストと比べて若く、演技経験も比較的浅めです。『NCIS 〜ネイビー犯罪捜査班』といったテレビシリーズに出演しており、なんと今作が長編映画初出演!
さらに彼は監督や脚本家として活躍しており、2016年に短編映画『TIM(原題)』を発表しました。主人公ティムが自らのエゴやスーパーエゴと対話しながら彼女との別れを受け入れていく、という異色作で、注目が集まっています。
『王様のためのホログラム』で演じるのは若いタクシー運転手のユスフ。皮肉なジョークを連発するおしゃべりなユスフは、本作に笑いをもたらす存在です。
ザーラを演じるのは『ハンガーゲーム』出演のサリタ・チョウドリー
1966年生まれのサリタ・チョウドリーはインドとイギリスのハーフ。ジャマイカ、メキシコ、イタリアなどで育った国際派の彼女は、映画初出演の『ミシシッピ・マサラ』で名優デンゼル・ワシントンと共演しました。
他にもM・ナイト・シャマラン監督の『レディ・イン・ザ・ウォーター』のアナ・ラン役、そして『ハンガー・ゲーム』シリーズのスノウ大統領の補佐、エジェリア役として有名な彼女は、近年ますます活躍の域を広げています。
これまでにパキスタン人、チリ人、インド人など、多様な国籍の人物を演じてきた彼女ですが、本作でもサウジアラビア人を演じる点に注目です。
男性優位の社会で医者として働き、さらに離婚の真っ最中である女性ザーラは、サウジアラビアではもちろん異質な存在。この難しい役どころを、サリタ・チョウドリーはいかにして演じるのでしょうか?
監督は誰?
本作で監督を務めるのは、ドイツ出身のトム・ティクヴァです。幼い頃から映画撮影に興味があったものの長いこと機会に恵まれず、映画館で映写技師として働いていた経験があります。
しかし今ではハリウッドでも活躍する監督の一人です。監督・脚本を担当した『パフューム ある人殺しの物語』は世界的なヒットを記録。2012年の複雑なSFドラマ『クラウド・アトラス』で初めてトム・ハンクスを主役に迎えました。
面白いことにティクヴァ監督は『王様のためのホログラム』が映画『マネーショート』の続編である、と考えています。
『王様のためのホログラム』は『マネーショート』での世界の直接の結果なんだ。主人公のアランは人生をやり直すには遅い、でもリタイアするにはまだ早い、といった微妙な時期にある団塊世代の象徴だ。将来はずっと良くなっていくものだと、信じていた世代…『マネーショート』で見事に描かれた世界観の持ち主なんだ。それが崩壊した後を描いているのが本作なんだよ。
破天荒に聞こえるストーリーは意外とリアル?
そもそも3Dホログラムって?
映画の中で、主人公のアランがサウジアラビアの王族に売り込もうとしている「3Dホログラム」とは、レーザーで立体映像を映し出す技術のこと。『スター・ウォーズ』シリーズでの使用が印象的ですよね。
実はこの3DホログラムはSFの世界だけのものではありません!最先端な技術によって可能になっているのです。そのため、映画『王様のためのホログラム』は非常にリアリティのあるストーリーだと言えます。
どうしてサウジの王様に売り込むの?
そんな最先端技術にサウジアラビアの王様が興味を示すのも、実はリアリティのある設定です。
映画ではサウジアラビア政府が開発する「経済と貿易のための王立都市(King’s Metropolis of Economy and Trade)」という計画都市に3Dホログラムを売り込もうとする設定ですが、事実サウジアラビアでは「アブダラ王の経済都市(King Abdullah Economic City,KAEC)」を作ろうとする巨大プロジェクトが進んでいるのです!
原作小説をチェック!
映画『王様のためのホログラム』の原作となっているのが、デイヴ・エガースによる同名の小説です。この作品は全米図書賞の最終候補に残っています。監督のトム・キルヴァはエガースの小説が大好きで、映画化する機会を望んでいたそうです。
デイヴ・エガースはアメリカの小説家であり、映画脚本家でもあります。代表作には名作絵本の映画化『かいじゅうたちのいるところ』や、マット・デイモン主演の『プロミスト・ランド』などがあります。
2012年にトム・ハンクスはこの小説を大絶賛するレビューを書いています。だからこそ、本作への出演を希望したのでしょう。
『王様のためのホログラム』の気になる日本公開は?
アメリカでは既に2016年4月に公開されましたが、日本での公開予定は2017年2月10日(金)となっています!全国で公開される予定の『王様のためのホログラム』見逃せませんね!