2017年7月6日更新

『アメリカン・グラフィティ』のあらすじ・出演者・評価まとめ【青春映画の傑作】

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アメリカングラフィティ

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青春群像劇の定番『アメリカン・グラフィティ』

ジョージ・ルーカス監督がこんな映画も作っていたって知っていましたか?1973年の映画『アメリカン・グラフィティ』は高校を卒業したばかりの若者たちのはじけるような一夜を描いた群像劇として、青春映画の定番として今日でも語り継がれています。 恋愛、家族、将来、友情…誰もが10代の時に抱いたことのある葛藤を繊細に描き出したこの作品は、誰もが共感し感動できるポイントが満載。60年代のアメリカの風景にも息を呑むものがあります。当時はまだ無名だった有名俳優がたくさん出演している点も面白いですね。 この記事ではそんな『アメリカン・グラフィティ』のストーリーや出演者、監督、見どころや関連情報などをまとめてご紹介します!ciatrユーザーの皆さんの感想・評価もお届けします。

『アメリカン・グラフィティ』のストーリー【ネタバレ注意】

舞台は1962年のカリフォルニア州モデスト、夏休み最後の日。高校を卒業したばかりのカートと親友のスティーヴは、翌日の朝に、大学に向かうために東海岸に向けて発つことになっていました。カートは地元の有力者から多額の奨学金を受け取っていたにもかかわらず、モデストを去ることに対して迷いがある模様。 スティーヴの恋人はカートの妹でもあるローリー。スティーヴがモデストを去ることに対してすでに悲しみでいっぱいなのに、そこにスティーヴが「お互いの愛を試すために、離れている間は他の人とデートしても良いことにしよう」なんて言い出すものだから、一層傷ついてしまいます。 スティーヴが町に残る友人のトードに、自分が帰ってくるまで自分の車の面倒を見るように言い残したところから、複数の物語が同時に進行していきます。 カート、スティーヴ、ローリーの3人は懐かしの場所を共に巡ることに。そこでカートは車窓から見かけたブロンドの美人に一目惚れしてしまい、彼女が一体何者なのかを突き止めようとします。さらにカートは地元の不良集団「ファラオズ」に執拗に付きまとわれ、仲間に加わることを求められますが、カートはこれを拒否。 ブロンドの美人を見つけ出そうと、カートは地元のラジオ局に赴き、彼女に向けたメッセージを流すようにDJに頼み込みます。憧れのDJに会えたことに興奮した彼の頼みを、DJは快諾。彼はブロンドの美人が電話をかけてくることを願って、公衆電話のブースで眠りに落ちてしまいます。 翌朝、電話のなる音を聞いて目を覚ましたカート。なんとあのブロンドの美人が電話をかけてくれたのです!彼女は今晩会わないかと彼を誘いますが、カートは大学に向けて発つ予定であるから会えない、ということを彼女に伝えます。 その一方でスティーヴの車を預かって良い気分のトードと、モデストのカーレース王者のジョンは、ぐるぐると町をクルージングしてお互いの車を見せびらかしていました。普段は奥手で女の子と会話すらできないトードは、幸運にも魅惑的な子デビーといい関係に。そして町のもう一人のカーレース王のボブ・ファルファは、ジョンとレース対決をしたいと望み、彼を探し回ります。 スティーヴとローリーは喧嘩と仲直りを繰り返しますが、最終的に別れてしまいました。傷ついたローリーは、深く考えずにボブの口説きに応じて彼の車に乗り込みます。ボブはついにジョンを見つけ、彼のレースに挑むことに。彼らのレースを見に町中の若者が集まってきます。 ローリーはボブと一緒に車に乗ったままレースに参加。ボブはレース前半で勝っていましたが、途中で車のコントロールを失い、車は横転して丘の下へと転がり落ちてしまいます。スティーヴとジョンが車のもとに駆けつけると、ローリーとボブは危機一髪で車が爆発する前に脱出に成功。 取り乱したローリーはスティーヴを強く抱きしめ、頼むからモデストを離れないでくれと懇願します。そんなローリーにスティーヴは、決して彼女の元を去らないと約束しました。 朝が来て、カートは自分の両親、妹のローリー、スティーヴ、ジョン、そしてトードに別れを告げて飛行機に乗り込みます。飛行機の窓から、彼は憧れのブロンドの美女が運転する車を遠くに見ていました。一方でスティーヴはモデストに残ることに。 そしてエピローグで登場人物たちの将来の姿が語られます。ジョンは1964年に飲酒運転の事故に巻き込まれて命を落とし、軍隊に入ったトードはベトナム戦争従軍中に行方不明に。スティーヴはモデストで保険のセールスマンといて働いており、カートはカナダに暮らす作家になったのでした…。

『アメリカン・グラフィティ』のキャスト

カート/リチャード・ドレイファス

主人公のカートを演じるのは、今や大物俳優として有名なリチャード・ドレイファス。彼は戦後生まれの俳優の中では比較的映画デビューが早く、この『アメリカン・グラフィティ』で主演俳優として名前をあげました。 本作から4年後の1977年に『グッバイガール』でアカデミー賞主演男優賞を受賞。またスティーブン・スピルバーグ監督と仲が良く、『ジョーズ』以降監督の作品3作に出演しています。 将来について思い悩んだり、謎のブロンド美人と恋に落ちたりと、共感できるポイントが多いのがカートの特徴。モデストに残ろうと悩みながらも、最終的には大学に向けて出発することを決める心の動きに注目です。

スティーヴ/ロン・ハワード

もう一人の主人公スティーヴを演じるのは、今では映画監督として有名なロン・ハワードです。『ビューティフル・マインド』や『ダヴィンチ・コード』で知られる有名監督が、実は子役出身の俳優だったことには驚きですね。 『アメリカン・グラフィティ』で俳優として人気が出た当時、彼は南カリフォルニア大学の映画学部に在学しており、子供の頃から興味を持っていた映画製作を学んでいました。1977年に映画監督としてデビューし、2001年『ビューティフル・マインド』でアカデミー賞監督賞を受賞します。 スティーヴは恋人のローリーとの関係に決着をつけることができないうじうじとした若者として描かれている点がなんとも言えずリアルです。しかし最後にはローリーを選んでモデストに残ることにする、心優しい主人公でもあります。

ローリー/シンディ・ウィリアムス

シンディ・ウィリアムズもまた『アメリカン・グラフィティ』で人気を獲得した女優のひとり。続編の『アメリカン・グラフィティ2』にも出演しています。 同じくジョージ・ルーカス監督の『スター・ウォーズ』のレイア姫役のオーディションも受けていましたが、最終的にこの役はキャリー・フィッシャーに決定。彼女は代わりにアメリカの大人気ドラマ『ラバーン&シャーリー』で主役を務め、人気を不動のものにしました。 映画の中のローリーは、モデストの高校で主席のチアリーダーを務める人気の女の子。恋人のスティーヴに深く依存しており、彼の不在を恐れる気持ちがなんとも現実味に溢れる形で描かれています。

トード/チャールズ・マーティン・スミス

オタクな雰囲気の高校生を演じるのはチャールズ・マーティン・スミス。18歳の時に出演した本作が出世作である彼は、今では脇役としてアメリカ映画には欠かせない俳優となっています。 1987年の賞レースを独占した名作『アンタッチャブル』でケビン・コスナーをサポートする経理マンを演じ、さらに有名に。近年ではテレビ映画の監督も手がける多彩な人物です。 トードはメガネをかけドジで不器用な高校生。どこの高校にも一人はいるようなキャラクターを愛嬌たっぷりに描きます。思わず応援したくなるキャラですね。

ボブ・ファルファ/ハリソン・フォード

大胆無敵なカーレーサー、ボブ・ファルファを演じたのは、当時30歳のハリソン・フォード。まだ全くの無名であった彼は大工仕事をする中で知り合った人物の紹介を受けてこの役を獲得したと言います。 自身の役柄に対して、様々なアイディアを出すなど積極的な姿勢が評価され、ジョージ・ルーカスと深い親交を結んだ彼は、のちにルーカスの『スター・ウォーズ』や『インディ・ジョーンズ」と言った大ヒット作に出演することとなり、世界で最も有名な俳優の一人に躍り出たのです。 アメリカの二大ヒーローの役を手にしアクション俳優として有名なだけでなく、シリアスな役柄やコメディにも出演しており、その演技力が高く評価れている俳優です。そんな彼の始まりもこの映画にあったんですね!

ジョン/ポール・ル・マット

この作品での演技力が高く評価されゴールデングローブ賞を受賞したのが、古風な黄色の愛車を大切にするカーレース王者を演じたポール・ル・マットです。ベトナム戦争への従軍経験もある彼は、等身大のティーンエイジャーを見事に演じています。 彼は本作で役者として認知されたことからその後も順調にキャリアを重ねて、映画やテレビドラマなど様々な分野で活躍する役者へと成長し、俳優の地位を確固たるものとしました。

監督はあのジョージ・ルーカス

この青春映画の金字塔とも言える『アメリカ・グラフィティ』を作り上げたのが、世界で最も商業的に成功した映画作家の一人ジョージ・ルーカス。SF映画で有名なルーカスですが、彼を有名にしたのは実は自伝的な作品であるこの『アメリカン・グラフィティ』だったのです。 彼は1944年に、映画の舞台と同じカリフォルニア州モデストに生まれました。高校時代はカーレースに熱中し、この経験が本作に描かれています。高校卒業直前に交通事故に遭うも奇跡的に死を免れた経験が、人生や将来を深く考え直すきっかけになったと語りますが、これもまた映画の事故のシーンに生きていますね。 しかし皮肉なことに、ルーカス自身は本作の撮影があまりにも忙しかったために、高校の同窓会に参加することができなかったそうです。 名監督フランシス・フォード=コッポラとは親友であり、コッポラは本作でもプロデューサーを務めています。またスティーブン・スピルバーグとも親交が深く、ともに手がけた『インディ・ジョーンズ』シリーズは世界で最も人気のあるアドベンチャー映画の一つですね。 しかしやはりルーカスといえば『スター・ウォーズ』シリーズが最も有名でしょう。今日に至るまでSF映画の最高峰として仰がれるこの壮大なサーガは、彼が『アメリカン・グラフィティ』で商業的な成功を収め、全米で有名になったことによって実現可能になったのです。

リアリティ溢れる撮影手法

『アメリカン・グラフィティ』が優れている点は、登場人物のリアリティ溢れる姿でしょう。彼らを演じる役者のほとんどは実際の人物よりも10年ほど年齢が高めであるにもかかわらず、葛藤する若者の姿を生き生きと演じているのは、ルーカス監督の工夫された撮影方法のおかげとも言えます。 本作はたった一夜を描く「ワンナイトもの」ですが、ルーカスは撮影のすべてを映画の順番通りに行いました。それは、撮影が進むにつれて増す俳優たちの疲れが、夜明けが近づくにつれて疲れてくる登場人物たちの姿に重なるようにするためです。 また、撮影中の思わぬアクシデントやアドリブもカットせずにふんだんに使っているのが、この作品の特徴。自転車でやってきたトードが壁に激突するシーンも計画されたものではなく、実際にスミスが自転車のコントロールを失ったのです。水風船のシーンも然りです。

長いエンドクレジットの伝統を作った

この映画は非常に低予算で作られたため、ジョージ・ルーカスはクルーの全員に給料を払うことができずにおり困っていました。そこで彼は、給料の代わりに映画のエンドクレジットに名前を載せることを提案。多くのクルーたちがこれを承諾したのです。 今までは製作陣の中でも大きな役を持った人しかクレジット表記されないというのが当たり前でしたが、ルーカスはこのような事情で多くのクルーの名前を載せ、長いクレジットを作り上げました。 これが現在の、製作陣全員の名前が載った長いエンドロールの伝統の始まりなのです。

サウンドトラックにも注目

『アメリカン・グラフィティ』に欠かせないのが若者たちの一夜を彩る60年代の名曲の数々。そう、この映画のサウンドトラックは当時で言う「オールディーズ」が満載で、単体で聞いても楽しめること間違いありません。 実は、映画用に特別に作曲することなく、既存の曲のみを使ってサウンドトラックを作るというのは、当時はまだ新しい手法でした。1969年の映画『イージー・ライダー』がそうやって成功したことで初めて、一般的に認められた音楽のつけ方なのです。 ルーカスは自分が高校時代に聞いていた曲など80曲を集め、映画に使うことを希望していました。しかしこれらの曲を使った際の多額のライセンス料を心配した配給会社の多くは、長らくこの企画を買うことを渋ったと言います。

『アメリカン・グラフィティ』のCiatrユーザーの感想・評価を紹介!【ネタバレ注意】

大人になるとはこういうこと

Gaiaku_Ikiru これぞ青春。大人になるとはどういうことなのか、くすぶった主人公の精一杯の背伸びを応援しているうちにそんなことを考えさせられる。
TORABISU777 心に決めていた覚悟がひとつの何気ないことをきっかけに揺らいでしまうこともある。それが正解なのかはわからないけど、人生いろいろなことを経験して、迷って考えて、初めて一人前の男になるんだと思います。 アメリカのフランクでクレージーでバイオレンスな高校生集団の馬鹿な生活を通して、"変わる"ということの大切さ又は儚さを教えてくれるジョージルーカスの名作。

アメリカの若者の等身大の姿

theskinheads アメリカに特別に惹かれる自分みたいな人にとってはすごく良い映画だと思うよ。 文化が違えば若者の在り方だって違うってところかな。 青春時代って言えば良いのか思春期と言えば良いのかわからないけどそういう映画の青臭いところが大好きなんだよね。全力で悩んだり夢に向かって努力したり。自分のノスタルジーに共鳴してるんだと思うんだけど、そういう生き方をしてきた人はみんなそうなんだと思う。なんというか思い出すと恥ずかしい過去があるとか死ぬほど誰かを好きになることっていつかなくなるのかなって。まぁ言ってもまだ20だからそんなに大人ぶったりもできないけどね。むしろ今こそまっただなかなのかも。下手に冷めたふりして大人ぶる20にはなりたくないね。
Satoko_Suzuki ストーリー以外は最高です。しょうがない、ジョージ・ルーカスの高校時代を描いた青春モノ、所詮はキラキラのアメリカンドリーム(ベトナム戦争の影が見え隠れはしていますが)のお国の方の「青春」。共感は出来ないでしょう。若さの終わりのほろ苦さ、くらいですかね、分かるのって。 でも、出て来る衣裳・髪型・ライフスタイル・音楽はどこをとっても憧れなんです。 これ観て、サントラ買わない人いるんでしょうか?! ロックからドゥーワップ、ポップス、ブルース、DJウルフマンのトークも聴ける、このサントラ、もしかしたら映画より良いのかも。 今は大御所監督のロン・ハワードの若き姿が楽しめます。
Haruka_Fukuda 卒業し、それぞれ旅立っていく前夜。 当時のアメリカの若者たちのイメージそのものって感じがしますが、群像劇でひとりひとりにクローズアップするだけでグッと厚みは増します。 ルーカスがこんなの作ってるとは以外。