今年一番の感動作がやってくる!?『光をくれた人』
愛と悲しみの間で揺れる今までになかったような新しいラブストーリー『ブルーバレンタイン』を世に送り出した監督の新作『光をくれた人』が2017年5月26日に日本公開となります。
ヴェネツィア国際映画祭の金獅子賞最有力候補ともされる今作は、第一次世界大戦後のオーストラリアを舞台にした壮大でエモーショナルな作品になることが予想されます。主演のマイケル・ファスベンダーにも期待が寄せられているところです。
本作いったいどのようなストーリーなのでしょうか。キャストや監督の詳しい情報、さらには映画がもっと待ち遠しくなる見どころ情報と併せて、以下の記事でご紹介します。
映画『光をくれた人』の気になるあらすじは?
映画の舞台は第一次世界大戦終戦直後の1918年。西オーストラリアの辺鄙な島で灯台守を務める元軍人のトムとその妻イザベルはある日、漂う手漕ぎボートを発見します。中を見てみると、そこには男の死体とまだ幼い女の子が乗っていたのでした。
以前に何度も流産を経験していたイザベルはこの子を神からの贈り物と考え大切にします。ルーシーと名付け、自分の子供として育てたいと懇願。しかしトムは彼女の本当の家族を探すために、真実を告げて彼女を町に連れていくべきだと反対します。二人は対立しますが、辺鄙な島にいることもあり、結局はそのままルーシーを育てることに。
休暇になり島から町に戻ると、町の人々は彼らを幸せな家族として迎えます。しかしトムは、悲嘆にくれるある女性を見つけ、話を聞いてみると、彼女は海に出かけた夫と娘を亡くしていました。トムはルーシーが彼女の娘であることを確信しますが…。
『光をくれた人』を彩るキャストをチェック!
元軍人の灯台守トムはマイケル・ファスベンダーが好演!
辺境の島での仕事をまじめにこなす優しい夫トムを演じるのは、現在人気大沸騰中の俳優マイケル・ファスベンダー。近年になってその魅力が世界的に認められ、出演作が続々公開される今一番ホットな俳優ともいえるでしょう。
ファスベンダーはドイツとアイルランドのハーフ。そのため英語とドイツ語を流暢に話します。2007年に『300〈スリーハンドレッド〉』でハリウッドデビューしてからたちまちスターダムに登りつめました。主演作『SHAME –シェイム-』ではヴェネツィア国際映画祭の男優賞を受賞し、また『それでも夜は明ける』でアカデミー助演男優賞にもノミネートされました。
演技派として活躍する一方で『X-MEN』シリーズや『プロメテウス』、近日公開の『アサシンクリード』といったアクション大作にも大抜擢されているファスベンダー。久しぶりのラブストーリー出演となりますが、難しい役どころをどのように乗り越えるのか、気になるところです。
子どもがほしい美しい妻イザベルはアリシア・ヴィキャンデル
夫を深く愛し支えるも、子供ができないために悩む妻のイザベルを演じるのは、2015年以降人気に火が付いた才能ある女優のアリシア・ヴィキャンデルです。スウェーデン出身のヴィキャンデルは現在ハリウッドにおいて誰もが起用したい人気女優の一人です。
幼い頃はバレエダンサーになることを夢見ていたという彼女は、10代の頃のケガをきっかけに本格的に演技の道に入ることを決意します。長いこと芽が出ない時期が続きましたが、諦めずに夢を追いかけた彼女の熱意は実を結び、2010年に北欧で最も名誉な賞を受賞します。
その後ハリウッドに進出してからも人気は上昇。特に2015年には『エクス・マキナ』で主演、『リリーのすべて』で妻のゲルダを好演し、後者ではアカデミー助演女優賞を受賞するなど、大きな飛躍の年になりました。
本作で共演したマイケル・ファスベンダーとは1年ほど交際していたこともあり、リアルな夫婦愛が見られそうですね。
夫と娘を失った悲劇の女性ハンナを演じるのはレイチェル・ワイズ
愛する夫と娘を失い悲嘆にくれるハンナ、ルーシーの実の母親と思われるこの人物を演じるのはイギリスの女優レイチェル・ワイズです。重厚な恋愛ものなら右に出る者はいないとも言われるワイズの演技に期待できますね。
1993年に女優デビューした彼女はすぐに人気を博し、3年後にはハリウッドデビューを果たします。1999年に公開され大ヒットした『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』のヒロインを演じたことで世界的に名が知れるようになり、活動の幅を大きく広げることに。
2005年の映画『ナイロビの蜂』での好演が認められ、アカデミー助演女優賞を獲得。現在のイギリスを代表する名女優の一人です。
『光をくれた人』を世に送り出した監督は誰?
感動作『光をくれた人』を監督したのは、『ブルーバレンタイン』や『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』で知られるデレク・シアンフランスです。人々の日常を一風変わった視点から切り取り表現することにかけては定評のある監督ですが、今作は打って変わって歴史ものであることから、彼がどのように世界観を表現するのか気になるところです。
1974年生まれのシアンフランスはハリウッドが注目する若手監督の一人。コロラド大学で映画製作を学んだあと2010年に『ブルーバレンタイン』を発表します。この作品では以前からの友人ライアン・ゴズリングを主役に迎え、彼の名を世界に広めました。
再びゴズリングとタッグを組んだ『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ』はサターン賞を始めとする多くの賞にノミネートされます。ゴズリングに今までにないような役柄を与えたシアンフランスは一癖ある映像作家として有名になり、今作の製作に至るのです。
原作小説「海を照らす光」をチェックしよう
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映画『光をくれた人』はM・L・ステッドマンによる原作「海を照らす光」がベースとなっています。オーストラリア人作家のステッドマンのこの本は、名作家トマス・ハーディとも比較され批評家から高い評価を得ています。
日本でも古谷美登里の翻訳で早川書房から出版されていますので、ぜひこの機会に気になる人はチェックしてみてはいかがでしょうか?
『ハリー・ポッター』シリーズも手掛けた作曲家が参戦!
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壮大なスペクタクルものでもある本作では、美しい音楽にも注目です。なんと本作の作曲は『ハリー・ポッター』シリーズを手掛け『グランド・ブダペスト・ホテル』でアカデミー作曲賞を受賞したアレクサンドル・デプラが担当しています!
『英国王のスピーチ』、『アルゴ』、『ベンジャミン・バトンの数奇な人生』など賞レースを独占するような名作の作曲を多く手掛けるデプラ。彼が参加しているということを見るだけでも、良作が期待できそうです!
オーストラリアの美しい風景にも注目!
1918年のオーストラリアの田舎が舞台になっている本作はロケーション撮影にもこだわっています。映画の大部分はタスマニア島西北部の小さな町スタンレーで行われました。撮影のために歴史的な波止場が再建築されるなど、かなり大掛かりな準備もあった模様です。
そのおかげか映画公開後スタンレーを訪れる観光客数は一気に増加。映画製作は町おこしに一役買ったようです。また村の男たちの多くはエキストラとして参加するためひげを伸ばし始めたと言います。
また灯台のシーンはニュージーランドで撮影されたそうで、地元の大学の学生がエキストラとして参加しています。オーストラリアとニュージーランドの美しい景色も本作の見どころとなりそうですね。
二面性を持つヤヌスロック島が舞台!
本作の舞台となるのがヤヌスロック島です。監督によると、ヤヌスという名称は二面性を持つローマの神に由来していると言います。
島もこの神と同じように、真実と虚構、幸福と苦痛、生と死など二面性を内包しているのです。この島は母親と思しき人物がいるのにも関わらす、それでも子供を育てる夫婦の揺れ動く感情や葛藤とまさにリンクしています。
『光をくれた人』の気になる公開日は?
アメリカやイギリス、また舞台となるオーストラリアではすでに2016年9月に公開された本作。日本での公開は2017年5月26日となります。
名優二人が見せる愛の共演、さまよう愛の行方はいかに…号泣必至の映画『光をくれた人』の公開が待ちきれません!