映画『マッドマックス』
© Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc.
1979年に公開されたシリーズ1作目の映画で、メル・ギブソンが主演しています。
近未来、荒廃した世界では暴走族による犯罪が多発し、警察も手を焼いていました。主人公マックスは暴走族対策を専門に行う特殊部門、「M.F.P」に所属しており、特殊パトカー「インターセプター」を駆って警官を殺した重罪人「ナイトライダー」を追い詰めるのでした。
追い詰められた「ナイトライダー」が事故死した事により、マックスは暴走族らから恨みを買い、同僚・息子の命は奪われ、妻も重傷を負う事に。
報復を行うべく、特別仕様の黒い「インターセプター」を無断で持ち出したマックスは暴走族一味と激突、壊滅させる事に成功するのでした。
アニメ『北斗の拳』
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世界的な核戦争で荒廃した近未来の地球。人類はなんとか生き延びていましたが、暴力が権力に繋がるようなひどい状態でした。「北斗神拳」の伝承者、ケンシロウは許嫁のユリアと共にそんな時代を生きていましたが、親友であったはずの「南斗聖拳」の継承者シンに襲われ、ユリアを奪われてしまいます。
その後、ユリアは死んだと聞かされ、悲嘆に暮れながらもシンを倒し、仇をうったケンシロウは、更なる強敵たちを倒し、実はユリアが生きている事を知るのでした。
ユリアを取り戻すため、最大の敵であり、「北斗神拳」の兄弟子ラオウとの命を賭けた戦いを制したケンシロウは、無事戻ってきたユリアと平穏な生活を送るのでした。
共通点その1「世界観の設定」
© 2015 Warner Bros. Entertainment Inc.
両作ともに今よりそう遠くない未来で、何らかの理由で世界が荒廃した状態に陥っています。特にSFで多く用いられがちな設定ですが、非日常の派手なアクションを伴う戦いを描くにあたって、とても都合の良い舞台設定ではないでしょうか。
SFと違い、大まかな設定以外は、「世界の謎」といった世界観の掘り下げがありませんので、深く考えなくても楽しめる、エンターテインメント向けの要素もあると言えます。
共通点その2「はびこる暴走族」
© Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc.
不安定な社会への不安から、暴力的な人間が集団として集まった結果、暴力・暴走行為へと至る、という点も2作品で共通しています。特に『マッドマックス』ではメインの敵として暴走族が設定されており、作品を語るにおいて欠かせない要素です。
暴走行為だけでなく、「悪」としての描かれ方も共通しており、9割方が救いようのない、残虐・悪質な行為を働く者たちとして描写されているため、主人公に裁かれることとなります。
共通点その3「主人公」
ケンシロウと黒王号のビジュアル。 (c)武論尊・原哲夫/NSP 1983
『マッドマックス』のマックスと、『北斗の拳』のケンシロウ。共通点があると聞いたこともないような2人ですが、よくよく考えてみると、共通点が見えてきます。
まず、大元は心優しい人間である、という事。主人公へ感情移入する、という意味でもこのポイントは欠かせないでしょう。
次に、後述の自らの大事な存在が傷つけられた事が動機となり、悪を倒す事を決意する、という点。優しい2人ですが、覚悟の足りなさ故か、自らの力不足を痛感するようなシチュエーションで大切な存在を傷つけられ、または奪われてしまいます。
自分を見失う、とまではいきませんが、報復のため動き出し、結果として大事な存在と元の日々を過ごす。エンターテインメントとしては王道のハッピーエンドではないでしょうか。
共通点その4「傷つけられてしまう恋人(妻)」
© Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc.
マックスもケンシロウも、それぞれの恋人・妻を傷つけられて(ケンシロウに至っては死んだという事にまでなった)います。悪を許してはこなかったといえ、自らの大切な存在に手を出された彼らは徹底的な報復を実行します。
共通点その5「その後の多様なストーリー展開」
© 2012 Warner Bros. Entertainment Inc.
どちらも一旦戦いが終わりますが、その後新たな敵と出会い戦いに明け暮れていきます。『マッドマックス』は2017年時点で計4作品、『北斗の拳』はユリア奪還後も第2部・終章と話が続きます。
それぞれ映像ディスク化もされていますので、気になった方は掘り進んでいく事をオススメします!